若い頃はATのスポーツカーなんか嫌だと思っていたけど・・・

僕は車といえば、スポーツカーと軽のバンが大好きです。軽のバンは実用性ということで考えれば、無敵な車で維持費が一番安い。日本でこれ以上便利な車はないので好きです。

話をスポーツカーに戻します。

僕は若かりし頃、スポーツカーに乗ってました。

RX-7が大好きで、特に大好きなのがFD3S。高校生の頃、高校から家に帰る途中にマツダがあるんです。そこの脇を自転車でキコキコ進みながら帰ると、中古車コーナーに2台のFD3Sが止まっていた。

確か当時で300万円近いプライスタグが付いていたんですよね。初期型のFD3S。だけど見た瞬間にもう衝撃的でした。今まで自分が見てきたどの車よりもかっこよかった。

その当時って、フェラーリF40なんかもデビューして騒いでいたんです。少年ジャンプも読んでいたので、こち亀でフェラーリのF40がたくさん紹介されていて、すごい車なんだなぁフェラーリって。そう思っていたけど。

だけど僕の中ではF40なんか目じゃなかった。もうFD3Sです。いつか絶対あの車に乗ってみたい。ずーっとそう思っていた。そのときはRX-7というスポーツカーに積まれているエンジンが特別なエンジンだったなんてことはまったく知りませんでした。

単純にスタイリングがものすごくかっこいいと思った。見た目から入りました。

働き出して、一番最初のマイカーになったのが赤いRX-7。総額114万円前後で10数年落ちの9万キロ車を購入。当然マニュアルです。

この車をひたすら乗りまくってドライビングテクニックを磨きました。チューニングパーツを買って取り付けたい願望があったんですが、それよりもガソリン代とメンテナンス代に費やして、走りまくった。

実際、免許をとったばかりの人間がFD3Sの性能を使いこなせるかというと、ノーマルだって無理です。なので、意のままに操れるようになるまでは、特にいじらないでオイルやプラグ、燃料代とタイヤ代だけにしてました。

雪山に走りに行って、ドリフトの練習をしたりしてピーキーなFDをある程度アクセルコントロールで動かせるようになってきたところでクラッシュ・・・。

再生するお金がなくてFC3Sの乗り換えました。この時点で自動車整備士になっていたんですが、整備士になるといろんな車に乗れるんですよ。

うちの整備工場はお客さんの家まで車を取りに行って、納車するスタイルを売りとしていので、忙しい人にはそれが支持されていた。

自動車整備士になって、乗ったことのないスポーツカーにもたくさん納車引き取りで乗ることができました。

NSX、スープラ、32GT-R。GTOやFTO。S14シルビアにも乗ったしAE86も乗った。インプレッサやランエボもたくさん乗ったし、86にも乗った。日産GT-Rも乗るチャンスがあったけど、乗れなかった(笑)。

いろんなスポーツカーに乗っていると、その中でATが何台もあったんです。そのとき純粋に僕は

「スポーツカーなのになんでATに乗ってるのかな?」

という疑問を持ったんです。当時の僕は車は走ってナンボである。スポーツカーは操ってこそその意義が見いだせる。そういう考えでしたから。

ATのスポーツカーに乗ってる人に、なんでATにしたのかって聞いたこともあるんです。親しくなった人ですけど。当然マニュアル免許も持ってますよ。

すると、そのほとんどが

「楽チンだから」

という返答。

「楽チンという理由でATかい!?」

と返答を聞いてずっこけてしまいました。言われてみれば当時うちの奥さんもロードスターに乗っていてATだった。もうロードスターのATとかってフラストレーションたまりまくりです。これがマニュアルだったらどれだけ楽しいんだろうって。

年を重ねてくると、その気持ちが少しずつわかってきましたよね。今ではスポーツカーでもATしかない車種もありますね。日産のGT-Rや今度でるスープラもそう。

フェラーリなんかもクラッチなんかないわけですし。

マニュアルミッションを自分で操って、コントロールするということだけがスポーツカーではない。

スポーツカーのATに乗ってる人って2パターンに別れることが多いです。

単純にマニュアルに乗る自身がない人。でもどうしてもこのスポーツカーに乗りたかったというひと。これは若い人や女性に多い傾向です。

逆に、ある程度「あがった男性」。まさに若い人や女性とは対極にいる人。こういった人って若い頃ぶいぶいとマニュアルのスポーツカーを走らせていて、ドライビングテクニックが高い人が多い。今あえてATのスポーツカーに乗る。

まさに羊の皮を被った狼的な人たち。ATのスポーツカーってこの2つのタイプの欲求をうまーく取り込めてるんですね。

昔レーシングドライバーの飯田さんの記事が乗ってたんです。飯田さんも記事によると、ATのRX-8を買ってプライベートカーにしていたと。曰く、普段ガチガチの緊張感の中、レーシングカーに乗ってるからプライベートではなるべく気を使わないでいいスポーツカーに乗っていたい。そんなことが書いてありました。

ドリキン土屋さんも似たようなことを言ってましたね。ガチで練習するときは真夏でも厚着をしてヒーター全開にして、プライベートでも特訓した。だけど、オフモードだとATのツアラーなどに乗っていて、いざっていうときに速く走れる!みたいな。

自分がおじさんになってくとわかってくる境地。今はATでもぜんっぜん楽しいです。だけどあえて若い人はマニュアルのスポーツカーも経験してみると楽しいよって。

それを経験してからゆとりのあるATスポーツカーにのるとまた味が違ってくるという感覚ですね。

今は選択肢自体が少なくなりましたけど。お勧めは86です。

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コメント

  1. むきんぽ より:

    自分はAT嫌いじゃない派です。
    クラッチまで含めた、クルマの動作のイニシアチブを取る事は出来ないですが、昔ながらの、所謂「O/D付き4速」でさえも、セレクターレバー操作でそれなりに手動操作は可能でしたし、今はゲート式やパドルシフトなど、よりマニュアル感覚に近い操作が行えますしね。
    あと、賛否両論ありますが・・・自分は1フット1ペダル、左足ブレーキを常用しておりまして、やはりATが都合が良いのです。スロットル・ブレーキの踏み替えの手間やロスがなく、瞬時に、何なら同時に操作できるので、様々なシーンで楽です。例えば、
    ①駐車時などの極低速域での段差越え
    ②夜間、照明の無い場所での後退時にブレーキランプを用いた後方照射による視界確保
    ③コーナーリング時にチョットだけ且つ瞬時に欲しい荷重移動時とそこからの間髪入れない立ち上がり
    ④停止状態でブレーキを強く踏んづけたままスロットルを開放し、エンジンの力をトルコン溜め?(笑)して、ブレーキを開放のヨーイドン!スタート

    まぁ③と④はおバカな20代時代・・・と云う事でご勘弁ですが、例えば④のようなスタートでも、構造上MT車よりAT車の方が車の負担が少ないのかなぁ、と。ニュートラルで回転を上げてクラッチをブッ繋げれば、やはりクラッチが傷むでしょうが、トルコンはこの状態では直結していない訳で、ATFの過熱に注意すれば、MTのそれよりは車を傷めず、こんな遊びも出来るのかなぁ、と。さらにそれを拡大解釈し、なんとなくMTよりATの方が壊れにくいイメージである、と。AT、良いトコだらけじゃん?と。

    すみません、飛躍したド素人の独り言でした。

  2. MHO より:

    なるほど!確かに左足ブレーキはATのほうがやりやすいですよね。今って、スポーツカーでもATしかない車も多くて。でもそれはそれで楽しいなって思えるようになりました。

  3. Jean-luc より:

    クリープのエンジン回転の高いトルコンがあるそうですが、国産車にもつくのでしょうか?つけていたのは2代目カマロなのですが・。
    もしつけられたら車検は大丈夫なのでしょうか?

  4. MHO より:

    トルコンの大きさでその辺りは変化させられそうですよね。つけても恐らく中身がわからないから車検は大丈夫じゃないかなと予想します。

  5. Jean-luc より:

    ありがとうございます! 名車再生でカマロにつけて走行性能が劇的にかわったとのことが気になって・、ATのつながる回転が高くなるそうなのです。

  6. MHO より:

    そうなんですね。でもトルコンを変更すると確かにかなり変わりそうですね。