バッテリーを交換したばかりの車、2年後に診断したら要交換診断・・これって

車検整備であるある的な事例です。車検の時に限らず、当社では入庫した車のバッテリーは全てテスターで診断しています。

アイドリングストップ車から外車まですべてをカバーしてくれる診断機を使って、診断しそれを印刷して納品書などに備えつけたりしています。

このバッテリー診断機というものが思わぬ波紋を呼ぶという話・・。

まずバッテリーというもの、基本中の基本ですが車に乗らないでいると劣化が進行しやすくなります。充電池でもなんでもそうですが、満充電の状態であっても少しずつ電圧が低下していく。

そして、外気温によってさらに性能が落ちていく。夏に計測するより冬に計測するほうが診断結果が厳しいということはよくある話です。

現場で波紋を呼ぶのは2年前の車検で交換したバッテリー。これが次回車検時にテスターで診断すると

「要交換」だったり「健全性0%」といった診断をテスターがしてくれるということ。

そのお客さんの年間走行距離などを割り出せば、どの程度使われているかなどは一目瞭然です。ですが、テスターで出てきた数値をやはり伝える義務というものがあります。

万が一工場から整備が終わった車が、2日後にエンジンがかからなかった。ということになればその方が大きなクレームになります。

2年前に交換したバッテリー、次回車検で弱っていますと伝えると

「前の車検で交換したじゃないか!もしかして性能の低いバッテリーを売りつけたのか!?」

という誤解を招いてしまう可能性があります。実際にそういうリアクションをとる人も大勢います。バッテリーって、結構お高い部品にはいりますゆえ。

そこで、バッテリーというものは乗らないと劣化しやすいなど一通り説明して、納得してもらうわけですが、この説明がなかなかに骨が折れる作業だったりします。

そうかと思えば逆のパターンもあります。

入庫してテスターをあてると

「要交換」診断。その旨をお客さんに伝えると、

「何いまさら言ってんだ!もうかれこれ5、6年はそのままで快調に走ってるよ!」

というリアクションをもらうこともあります。そう。3、4回前の車検からずーっと「要交換」のまま、エンジンがかからなくなるというそぶりも見せないで、快調に使えているバッテリー。

これってキャブ車のような昔の車が比較的多いですね。電装系も簡易的なオーディオしかついていないような。そういう車って、バッテリー意外と要交換であっても持っちゃうことがほとんどです。

実際うちの軽トラックも、ずーっと要交換のままだったんですがまったくエンジンがかからなくなるといったそぶりはありませんでした。

ただ10年以上使い続けて、気持ち悪くなってきたので(笑)新品に交換しましたけど。ずっと使わない期間があったとしても次は一発でセルが回ってかかっちゃう。

でもテスターあてると「要交換」。

おいおいどうなってんだこりゃって。テスターも3種類くらいのテストが選べるんです。そのどれをチョイスしても「要交換」。でもそれから5、6年平気でもってしまう。

こうなってくるとテスターさんに疑いの目をかけたくなっちゃったりしますが、実際に劣化してるのは間違いないんでしょうね。

ちなみに、バッテリー強化液とかそういう類のものはどうなのか?電装屋さんに聞いてみたら、

「あまりいかがわしいものは入れないで、精製水にしてください」

という回答。水道水を入れちゃった。というお客さんもごくたまにいますが、水道水をバッテリーに補給してはいけない理由は、塩素やら金属イオンなどが含まれている為です。入れてすぐに不具合が起きるとかそういう厳しいものでもないみたいです。

どうしてもという時は、金魚の水換えと同じで水を洗面器などに入れて日向に置いておく。すると塩素が若干飛びますので、そうしてから入れるのがいい。

一番バッテリーによくないのはサルフェーションと液不足。サルフェーションは硫酸鉛が結晶化して化学変化しない状態になること。しばらくバッテリーを使わないでいるとこの状態になります。

液不足は極板が液面から露出して、空気と反応して劣化してしまう。

バッテリー液はきちんとロアとアッパーレベルの間に保つこと。そしてサルフェーションを防ぐ為に、たまにはエンジンをかけるなどすること。

今性能のいいバッテリー充電器はサルフェーションを防ぐデサルフェーターというものが出回ってきています。これは、たまにバッテリーに振動を与えることで硫酸鉛の結晶化を防ぐものです。

高いバッテリーを搭載している車でたまにしか乗らない。バッテリー上がりに悩んでいる人はこういったデサルフェーターを試してみるのがいいと思います。

実際に購入して検証をしていないので、おすすめ商品はわかりませんけど(笑)

バッテリーが要交換だと、ちょっと気が重たくなるんです。それが5年も経過していて、適切な交換時期を突破してれば、胸をはっておすすめできるんですが、2年前に交換しているバッテリーだったりすると・・・。

でもどこかでエンジンがかからなくなる心配があるのなら、さっと換えちゃうのが一番です。

個人的にはこのパナソニックバッテリーがいいと思います。容量も大きい割に値段がリーズナブル。安心のパナソニック製です。

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コメント

  1. むきんぽ より:

    バッテリーもね、色々と試しましたよ。

    「貧乏性」で「不健康なクルマ嫌い」な自分は、
    ①国産メーカー で
    ②安価な低グレード で 
    ③標準搭載と同サイズで可能な限りの容量増
    ・・・の要件を満たすバッテリーを毎回使ってきました。毎回と云っても、各所有車で1つのバッテリーを6~7年使っているので、過去分含め各所有種車すべて1回しか交換した事がありませんがね(汗)。

    過去所有で最長不倒記録は、トヨタスターレットEP91に搭載の中古55B24で8年でした。まだまだ元気で使えそうで、比重インジケーターも「緑色良好」でしたが、不健康なクルマは嫌いなので、念のためリビルトバッテリーに交換した経緯でした。リビルト品も良かったですよ。

    自分の所有車は全てガソリン車なのですが、「お前の車はディーゼルか(笑)」と突っ込まれるレベルで容量を上げています。「いや、ディーゼルは100超えだろう(笑)」。
    寒冷地仕様で55D23の車に80D23をブッ込むレベルです。
    容量を上げると、やはりバッテリーも長く健康に働いてくれる気がします。
    個人的には、容量増大にかかる差額のコストは、長く余裕で使える事で充分に元を取る事ができる気がするのですが、どうなんだろう。

  2. nori より:

    これ、私も経験あります。
    点検時にテスター診断で要交換と言われましたが、セルの回り具合など通常使用で全く問題なし。そのため緊急性はないかなと思いました。ただ使用年数も結構経ってたので、次回(1年後)の車検か点検時に交換しました。

    テスターってかなりシビアな判定にしてるんですかね?

    もし何かあったときの責任問題が、みたいな感じで。

  3. MHO より:

    おっしゃる通りだと思います。大容量バッテリーを積んでおけば、放電期間が若干ながくなっても耐えてくれるので、同じ使用状況下でも長く使えると思います。

  4. MHO より:

    テスター判定が厳しくて、お客さんからカウンターパンチを食らってしまうことが多いんですよね。
    「2年でダメになるようなバッテリーを前回は売りつけたのか?って。」
    バッテリーもお客さんに合わせたものを選んであげないといけないのかもしれないですよね。チョイ乗りしかしない人には逆に安くて2年ごと交換でも懐に優しいものにするとか・・