キャブの車が入ってくると、若い整備士が困るという現象

今、車を乗っている人は自分の車がインジェクションなのかキャブなのかわかる人って少ないと思います。

おそらくは、キャブに乗ってる人だけは自分の車はキャブレターを使っているという認識はもっているでしょう。インジェクションに乗ってる人は何不自由なく乗ってるわけで。

キャブの車も巷ではまだまだ走っているので、車検整備ではキャブ車が入ってきます。若い世代の整備士になると

「キャブが入ってきたやべぇ!」

となるケースが多い。さらに、古いキャブになると点火方式にポイントというものを使っていて

「ポイント入ってきた劇ヤベェ!」

「先輩!エンジンが止まりません!スローカットソレノイドってなんすか?」

「加速ポンプってなんすかーせんぱーい!」

と悶絶しながら先輩整備士の所にトコトコやってくる。裏を返せばそれほどキャブレターっていうのが減ってきたっていうことですね。

これだけを書くと、若い整備士のことを小馬鹿にしているという記事にとられがちですが、反対のケースもあります。

年輩整備士によくあること。

インジェクションの車で完成検査をしている中、排ガスが規定以上になってしまった。

「ゲッ!インジェクションのくせにガスが汚い!?どうすりゃいいんだこれ!?」

こんなちょっと笑えない話もあったりします。やはり、世代世代で得意不得意な技術っていうのがあるのです。これは我が社に限ったことだけではないと思いますけど・・。

話を変えてキャブに戻しましょう。キャブって、インジェクションと違っていい所もあります。例えばエンジンがかからないというケース。

インジェクションだと、いろんな問題があって原因を特定するのに時間がかかる。だけどキャブの場合はシンプルです。火が飛んでいるか?燃料がきているのか?圧縮はあるか?タイミングはあってるか?

こんなとことです。インジェクションだと、何かの装置がだめだからここまで電源はきているけれど、ソレノイドバルブが動いていないとか、そもそもイモビライザーがエラーを出してクランキングはするけれど全く火が入らないとか。

それこそエンジンがかからないという診断を一つとってみても、狙うポイントが多くなってしまう。

今は滅多にキャブレターのOHはしないです。昔は外してジェットを掃除したりやりましたけどね。

キャブを学びたいという整備士はバイクをいじってみる所から始めるのがいいと思います。それこそ単気筒の50ccがいいね!基本を抑えればキャブも怖くない!

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コメント

  1. Jean-luc より:

    ウェーバーキャブのついていた リトモアバルト はとにかく音がすごかった。キャッブのクルマは音も魅力ですね。

  2. MHO より:

    キャブの吸気音はしびれます!

  3. BTDC より:

    80年代に8年ほど整備士やってました。その頃は丁度キャブからインジェクションに移り変わる時期でインジェクションの仕組みがまるで理解できずに苦労したのを思い出します。そもそもコンピューターなどというものが全く一般的ではない時代ですので、未知のものに接している気分でした。自分でPCを使うようになってコンピューターを自分なりに理解できたときはじめてインジェクションに対するハードルが下がったように思います。
    今は整備の仕事はしていませんが、仕事で使う車は重整備以外の整備はなるべく自分でやるようにしています。整備の記事を読んでいると自分が整備士やってる頃を思い出してなんだかワクワクしてしまいます。なんだかんだ言ってやっぱり車が好きなんだと思います。これからも面白い記事を期待しています。長文失礼しました。

  4. MHO より:

    ありがとうございます。僕も今は現場には2割程度しか顔を出せていませんが、たまに整備をするととても楽しく感じます。もっと車をいじりたいのが本音です。