日産キャラバン ドライブシャフトインナーブーツ交換

会社の先輩に車の修理を頼まれたんです。

先輩「おぅ。俺の車のドライブシャフトのブーツ破けちゃってるから直してくれ。」

MHO「ブーツですか?いいですよ。簡単だし。」

今は、ドライブシャフトブーツというものは、半割りタイプの
とっても簡単に交換できるブーツが市場にでまわっています。

なのでとっても簡単なんですよ。

簡単簡単★

先輩「ブーツは内側だけどな」

MHO「内側!!??先輩、何の車!?」

先輩「日産のキャラバンだ!」

MHO「はうあっっ!!!!」

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日産キャラバン

なぜ

「はうあっ!!」

なのかというと、

ドライブシャフトの簡易型半割りタイプは、
たいていがアウター側(外側)のブーツしか設定がありません。

しかも、しかもですよ、

内側(デフ、ミッション側)のブーツを交換するには

ドライブシャフトを引っこ抜かないといけないんです。

でもって、獲物はキャラバンですよ。キャラバン。
ドライブシャフトも半端じゃなく重たいし、

Wウィッシュボーンであって、

とどめに4WDなもんで、かなりの重労働を強いられます。

最悪、ロアアームまではずさないといけない。

なんてこったあぁぁぁぁぁぁぁぁ。

整備時間点数表にて調べてみると

片側2時間

つまり

片方やるには工賃で12000円いただくということです。

先輩の場合は

なぜか両方のブーツが破けているので、4時間という作業を強いられます。

工賃にすると24000円いただかないといけない作業。

これは半端じゃないな・・・と思い、うちの工場長に仕事中に作業することを許してもらいました。
工賃も多少いただくということで。
左右で10000円★

おぉなんてお得なんだ!MHOの工賃。

気を引き締めてやらないと、大怪我するから頑張ってやることにしました。

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どーですか?この張り巡らされたドライブシャフト
ドライブシャフトをはずすまでにどれだけのアームをはずさないといけないか・・・。

結果から書きますと、今回はハブナックルごとドライブシャフトを抜くことにしました。
内側だけ破れているということなので、そのほうが効率的でした。

外側は、半割れたいぷのブーツの設定があるからね。

ハブナックルごとドライブシャフトを抜くという作業をするに、
今回は

ブレーキキャリパー
タイロッドエンド
アッパーアーム
ロアアームのボールジョイントASSY、
ショックアブソーバーの下側のボルト
スタビライザーのボルトを外してスペースを作る。

といった作業でイケマシタ。

まずはタイロッドエンドを外します

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ネジの回り止めの割りピンを外して22mmのネジをインパクトで緩めます。

ネジを完全に外さないで、タイロッドエンドとナックルのジョイント部を
ハンマーでひっぱたいて固着を解除。

わが社には専用のプーラーなど必要ありません。
ハンマーでひっぱたいて、固着は外せ!がモットーです(笑)

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ブレーキキャリパーも22mmのボルト2本を緩めて外します。
作業の邪魔にならないところに針金で引っ掛けておこうね。

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アッパーアームも割りピンを外して
22mmのネジを取り外します。ここはインパクトが入らなかったのでメガネで根性でゆるめました。

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キャラバンのフロントのドライブシャフトの内側は、デフに直結ではなくて、
サイドフランジ部に12mmのネジ6本でとまっていました。
ハブボルト部に回り止めのドライバーを当てておいて、緩めて外します。
回り止めをしないと、ドライブシャフトがくるくる回ってるだけでネジが緩みません(笑)

ドライブシャフトを外してもデフオイルは漏れてきません。

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こんな具合に内側が外れます。

一応サイドフランジ部とドライブシャフトをマーキングしておいて、元の位置に組みなおせるようにしておこうね。

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これで理論上はロワアーム部分でナックルが止まっているだけになっています。
このキャラバンは、ボールジョイントで外すことは困難なので、
ボールジョイントのステーASSYで外すことにしました。

ロワアームを外すには、トーションバースプリングなども外さないといけないので、
これが最良の方法です。

指をさしているところに17mmのボルトが4本あります。
これをメガネでおさえながら

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下に止まっている14mmのボルトを緩めて取り外します。

これでボールジョイントごと外せると思いきや、

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このボルトがドライブシャフトとのクリアランスがなくて抜けません。
困ったんですが、先にアッパーアームとナックルを切り離せばOKでした。

アッパーアームとナックル部の結合を
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固着部をハンマーでひっぱたくと、ナックルとアームが切り離されます。

これでナックルに遊びができて、ロアアームの17mmのボルト4本を取り外せます。

この状態で、ナックルは完全にフリーになっていますが、
ドライブシャフトごとナックルを外そうと思っても、

ショックアブソーバーが邪魔してクリアランスがとれません。
ショックアブソーバーの下のネジを緩めて、ショックを完全に縮めてやるとナックルがぬけます。

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ショックのネジは17mmのネジとナットです。
工具を当てる隙間がないので、先にスタビライザーのネジを外して、スタビライザーを動かせるようにして、
隙間を作ってインパクトでがががっ★

ネジがはずれたらショックをてで縮めます。

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こんな具合。これでドライブシャフトを抜くスペースが生まれます。
ここまで約40分くらいかかりました(汗)

初めての作業だから絶対片方2時間じゃおわんねーよー。
などと嘆きつつも、作業をすすめます。

ナックルを人力で下ろすには

ボブサップ級のパワーが必要だと思います。


ロックでジャンキーなMHOにはそんな力は持ち合わせていないし、
整備士の先輩に素敵な視線を投げかけても、シカトされるので(笑)
仕方ないのでミッションジャッキをうまく使っておろしました。

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コレ多分30kg以上あるんじゃないのかってくらい重いぜ。

まだここで作業は半分くらい。

ドライブシャフトをばらしていきます。

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見事にぱっくり★

まずはブーツバンドをニッパーで切ります。

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ぱっちんと。

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で、ブーツを容赦なく切ってはずします。

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ジョイント部こんにちは★
一応マーキングして同じ位置に組みつけられるようにしました。
グリスはほとんど吹っ飛んでいてなかったです。
このまま走っていたらドライブシャフトは間違いなく壊れていたね。

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ふつうは内側にCリングが入っているんですが、キャラバンは入っていない。
どうやってジョイントをはずすんかなぁと思っていたら

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こんな具合に怪しいふたが裏についております。

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外の蓋に向かって、ぱこぱことドライブシャフトを打ち付けていたら
外れました。
ただはまっていただけだね。

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グリスをふき取ります。
ジョイントの部分にはスナップリングがはまっています。
それをはずします。

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スナップリングを外すとジョイントが外れます。

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ジョイントを外して、ドライブシャフトのフランジ部も外します。

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手で簡単に引っこ抜けるのです。

これで新しいブーツをはめられます。

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日産純正で、定価は4200円。

ブーツとバンドとグリスのみ。

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気をつけないといけないのは、先にバンドを入れておくこと。
後からバンドはいれられません。

小さいバンド

ブーツ

大きいバンドの順番に入れておきます。

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で、フランジ部をいれて、ジョイントを入れて、スナップリングで固定

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ジョイントをいれて

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スナップリングを入れて、ジョイントを抜けないようにします。

そしてグリスを充填

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半分くらいね。

グリスをいれたら外の蓋をします。
プラハンでたたいてはめておきます。

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簡単にはまります。

外蓋をはめたら、ブーツの内側からジョイントへ
残りのグリスを全部充填します。

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全部ぶちこむのだ!

グリスを充填し終わったら、
ブーツをはめて、バンドを固定します。

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バンドを固定!

これで完成

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あとは元通りにはめていくだけです。

片側で2時間30分くらいかかりました。
でももう片方はなれたせいか、1時間30くらいでできました。

合計は4時間で、時間工賃どおりです。

これは本当にすっげぇ重労働だったね。整備士になりたての頃に修理した出来事でした。
先輩も大喜びでとっても良かった。

初めての作業でしたが、完璧でとってもやり遂げたって
感じがしました。よかったよかった。

キャラバンオーナーのみなさま、ご参考あれ。

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コメント

  1. よもやん より:

    これはかなり一昔前の話なんですね。
    今はインナーでも分割が出ているようですね。
    重労働からは少しでも開放されていればいいことです。
    と申す私はグリスの清掃などもきっちりとやりたい派なもので昔ながらをあえて選ぶかも。とはいえ、これから始まる重作業を前にすると立ちすくむんでしょうね。