電動ウォーターポンプとは

電動ウォーターポンプというものを聞いたことがありますか?僕が初めて聞いたのは、自動車整備士の整備主任研修と呼ばれる技術講習のときでした。
当時、30プリウスが発売されて世の中ハイブリッドへとシフトする時期。そのプリウスに採用されていたのが電動ウォーターポンプでした。
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従来の車のウォーターポンプは、補機ベルトで駆動させていたり、タイミングベルトで駆動させていたりしました。なので、エンジンがかかっているときは常にポンプが回っていることになります。

では電動ウォーターポンプはどうなるのか?

電動ウォーターポンプはその名の通り、モーターが組み込まれています。つまり、駆動はベルト類による機械的なものではなくて電気式になります。つまり、エンジンの回転に関係なくウォーターポンプを動作させることができるようになるわけです。

実際にどのような使い道があるのかというと、まず挙げられるのが冷感時です。真冬をイメージしてください。エンジン始動と同時にウォーターポンプを全開でまわす必要はありますか?ないですよね。外気温も寒いしできればヒーターがすぐに効いてほしいというのがオーナーの正直なところではないでしょうか?そんなとき電動ウォーターポンプであれば回転を制限させることができます。つまり暖機運転の短縮化を図れます。外気温が寒いときは燃費も悪いので、燃費向上にもなります。

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続いてのメリットはアイドリングストップ時など。最近の車に当たり前に搭載されてきたアイドリングストップ。信号待ちなどでアイドリングをストップさせて、燃料を節約するということはエコの面からでもいいとこ取りですね。ですがエンジンはどうでしょう?アイドリングストップが働くのは水温がある程度以上暖まったとき。つまり完全暖機状態で急にエンジンが止められて、冷却水の流れがストップしてしまう訳です。さらに最近のエンジンは軽量化をはかるためにアルミで作られている。歪みやすい。おそらくアイドリングストップ程度でエンジンが歪むなんてことはないでしょうが、よくないことは容易に想像がつきますね。

遠乗りしてエンジンを止めたあと、急に冷却水がストップするのはどうでしょう?自然に冷えるまでは時間はかかりますしその間はエンジンに負担もかかります。ですが、電動ウォーターポンプであればエンジンを止めた後であっても駆動させ続けることである程度まで冷やすことが可能な訳です。つまりエンジンを保護するという面からもかなりの役割を果たします。

ただ普通のウォーターポンプよりも当然部品コストは高くなるし、制御関係も見直さないといけないので、普通のガソリン車には早々搭載できないのが本音でしょう。

エンジンで駆動力を得る訳でもないので、補機駆動損失も低減できるし性能的にはいいこと尽くめなのが電動ウォーターポンプなのです

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