同じエンジンでもオイルの量が多い車と少ない車の違いって・・

エンジンオイルというのは実に奥が深い。オイルを話題にすると本当にネタに尽きないほど考えさせられるものがたくさん存在します。

今回はオイルの量についてちょっと考えてみました。

エンジンの中には各部を潤滑させるためのオイルが入っています。使い続けていくとオイルが劣化して、求められる性能を発揮できなくなる。

そうするとエンジン内部に負担やらダメージが及ぶ為に新油に交換する必要があります。免許を取り立てのドライバーであっても、教習所で始業前点検というものの中にオイルのチェック方法を習ったはず。

オイル交換は古いオイルを抜いて新しいオイルを規定量入れる。

だけど興味深いことに、エンジンによっては中に入ってるオイルの量ってまちまちです。

そりゃあ小排気量と大排気量ではエンジンの大きさも違うんだから当たり前でしょ!と突っ込みたくなるところです。ですが、同じエンジンであっても搭載する車が違うと、そのオイル量が違うことがよくあります。

一例をあげてみます。

ほぼ同年代のダイハツ車。エンジンはKF。

ミラはオイルの量がオイル交換のみだと2.6リットル(L285系)。それではハイゼットはどうか?

同じKFを搭載しているとしても、ハイゼットのオイル交換のみだと3リットルとなっています。(S331系)これって不思議ですよね。

ミラとハイゼットを比較するとピンと来る人はいると思います。ミラは普通にボンネットがあって横置きにエンジンを積んでいます。わかりやすいFFレイアウトです。

対してハイゼットになるとエンジンは運転席と助手席の下にマウントされています。実車を見たことがあるとわかります。

(写真のエンジンはEFです。搭載されてるイメージだけつかんでください)

エンジンをまっすぐ載せるのと斜めに載せるのとでは、どうですか?

当然エンジンオイルをためておくオイルパンの形状はまったく違います。重力は下へかかるので、オイルパンの形状はハイゼットの場合斜めになってますね。

オイルストレーナーの向きをうまく調整しているんですけど、それでもちょっと不安になります。それこそ加速Gやコーナーリングの横Gなどが発生すると、オイル量が少ないと万が一オイルを吸えない状態が出てくる可能性がある。

オイルパンの中にはバッフルプレートとよばれる仕切り板などを設けて、あらゆる方向のGがかかってもオイルをちゃんとストレーナーが吸える構造にはなってます。

でも心配です。では、物理的な量を増やしましょう。というのが考えの一つ。

スポーツカーをサーキット走行すると、普段とは全く違うGが車にかかってきます。それこそSRエンジンを搭載する180SXなどでは、オイルパンの容量を増やしたり究極はドライサンプ化するといった手段を用いています。

エンジンにとって一番やばいのは油圧をきちんと保持出来なくなること。オイルが足りなくてエアを吸い込むなんてもってのほかです。

軽自動車クラスなら2.5リットル程度がスタンダードです。ハイゼットみたいなシート下にエンジンをマウントしている車はやはり同じエンジンでも量が多くなってきます。

これは他のメーカーであっても考え方は同じ。

ちなみにオイルの量が増えれば増えるほど、性能劣化までの時間が長く取れるとも考えられます。実際にトラックってオイルの量が、3tクラスになると10リットルとかザラになってきます。その代わりロングライフ化されている。

オイル交換1回で10リットル。工賃入れれば15000円ですチーン。こんな世界ですね。貨物車は。レクサスのエンジンもオイル量が多いです。

GSのURS190というエンジンはなんとオイル交換のみで8.4リットル!LSも8.4リットル!普通の車の2倍ですよね。

オイルの量って、1回のオイル交換でペール缶の半分を使っちゃう。これは維持するにもなかなかに懐に厳しいですよね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする