熱膨張で異音が出たり出なかったりする車

熱膨張って知っていますか?その名のとおり、熱によって物が膨張するということです。
こいつが車でも起こりえるのですよ。そして、熱膨張が時には整備士を悩ますことになる。
今回もまさにそんなケースでした。お客さんのEKスポーツを車検で預かりに行ったときのこと。
8時半すぎに会社に出社するので見計らって引き取りに行きました。

オーナーに会って話をすると、冷感時にエンジンから音がするという。僕が引き取りに行ったときは、オーナーが家から会社まで乗ってきていて暖機がなされているので音がわからなかった。
会社にもどってある程度冷めてきてからエンジンをかけたがイマイチ分からない。

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エンジンから音という先入観を捨てて、昼休みを経てエンジンをかけたら原因が判明した。
それはフロントパイプから排気漏れをしていた。ある程度あったまってしまうと熱膨張が起こって排気漏れがなくなるのだ。この現象はガスケット割れなどと症状が似ている。
暖機した後だとまったく分からない。オーナーに了承を得て、排気漏れを修理しないと車検には
通らないということでフロントパイプの交換を承諾してもらった。

パイプを交換すると冷感時の異音は収まった。昔FC3Sに乗っていたころもそうだった。
フロントパイプのボルトが緩んで熱膨張が始まるまで排気音が凄まじいことがあった。
これは工具の使い方がイマイチでナットを締め切れて居ないから起こった現象だった。
EA11Rでもそうだ。暖まると音はしなくなるけれどエキマニのボルトが緩みやすい。
ネジを定期的に増し締めしないと駄目なのだ。

熱膨張のいたずらって時には誤診に発展してしまうから、注意が必要だ。とりあえずオーナーから言われたとおりに、冷感時にエンジンをかけて試してみるのが一番最善の方法だ

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