日産、スバルの完成検査不正問題について考えること

日産に引き続き、スバルでも新車の完成検査で不正が発覚したと報道がありましたね。これについてちょっと考えてみました。

まず心配なのは、この2メーカーのみの問題なのかどうかということ。日産で不正が発覚したあと、他のメーカーは大丈夫なのかな?という不安があったんですが、残念ながら的中してしまいました。

欧州の排ガス問題で、VWがディーゼルで不正プログラムを使用したとして問題になった件にちょっと似ているなって。マツダもその当時心配されていたけれど、マツダはきちっとした技術で排ガスをきちんとクリアしていました。

きちんとしているメーカーはきちんとしています。

新車の完成検査って、車検の継続検査とはまた違う。車検の継続検査は、実際に公道を走って消耗している車がきちんと基準に適合しているかどうかの検査。事故につながるのはどちらかというと、継続検査の方ですよね。

だけど、新車の完成検査に対してのリコールが、ディーラー検査員が保安基準に適合しているか検査ラインを使って調整をするという内容なら、やっていることは同じです。

自動車検査員っていうのは、県によってはすごく取得するのが大変な資格です。僕が所属する長野の管轄だと検査員になりたい!と意欲を持っていたとしても、試験すら受けられないんです。

長野には自動車検査員になるためにはまず選考試験を受けないといけない。これは整備振興会でおこなわれるもので、検査員講習を受けるために選抜されます。この選考試験がものすごく難しい。

実際に僕の周りでも何度もなんども選考試験に落ちてしまっている人もいます。なので、長野県で自動車検査員になるということは、ハードルが結構高い。

自動車メーカーの完成検査員の資格はどういうものかわかりませんけど。

スバルで不正が発覚した後、知り合いのスバルメカと話す機会がありましたが、通常のリコールでもいっぱいいっぱいなのに、これからどうなることやら・・とかなり落胆していました。日常業務にプラスしてリコール作業があるし、その数も相当ですからね。

そもそも車検ってなんなんだろうって疑問に思うことがよくあります。ブレーキパッドが残り1mmだとしても、車検の制動力判定の時にきちんとした制動力が出ていれば車検には合格できちゃう。

不正改造を取り締まるのもそりゃ大切だけど、従来の車検も根本的に考え直した方がいい時期に来てるのかもしれないですよね。

検査の時によければいい。そんな整備不良予備軍が知識もないまま公道を平然と走っている方が怖い。

今はニューサービスというものがあって、整備記録簿にアドバイスを記載してお客さんが納得すれば現状で指定工場であっても検査を通すようになっています。

車検メニューを選ぶのはいいけれど、整備不良で事故を起こした車両に対しては責任を重くするなどの措置を取らないとダメなんじゃないかな。

知識のある人が、自分の車の現状を認識してペーパー車検で通すのはそんなに問題ないんですよね。自分で車のことをわかっていないのに、車検は安くするために必要な整備を省いてしまうユーザーが怖い。

そろそろドライブレコーダーを取り付けて、自分の身は自分で守る時代がやってきましたね。根本的に自動車業界はおかしい方向へ向かっている気がします。

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