信用を失った二回の失敗

信用を失った二回の失敗です。
これを書きながら凄いブルーな気持ちですが、初心に立ち返るためにも記録しておきます。
ことの経緯は、ある個人会社の車検を二台入れてもらえることになりました。車はサンバーとハイエース。
二台ともにうちの会社から購入して頂いているお得意様でもあります。
最初に入ってきたのがサンバーの車検。この車両については、納車引き取り整備のどれも僕はノータッチで同僚が整備をしみした。
そして完成検査を受けて納車した翌日にお客様から電話。エンジンがかからないとのことだった。
原因はバッテリー。同僚はどうやらバッテリーの診断を誤ったらしい。
すぐにフロントが現場に急行して、かなり苦情を言われたことを後日知りました。バッテリーは保証でうちの工場持ちで交換。

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ここで一回目の信用喪失。そして一週間してハイエースが車検で入庫。
整備主任者の作業指示書を見ながら僕が整備した。
といってもまだ3年落ちの二回目車検。貨物なので二回目から毎年車検になります。
整備は特に痛んでいるところもなく、各部調整とブレーキオイルの交換とワイパーゴムの交換ぐらい。
何の問題もなく完成検査を合格。納車には違う同僚がいった。
納車して翌日、会社に一本の電話。サンバーとハイエースの会社からだった。

「エンジンがかからない」

この知らせを受けて、僕が現場に急行することになった。おかしい。整備で何かミスをしたのだろうか?
コモンレールディーゼル車でエンジンがかからない?装備していったものはバッテリーブースターと工具。
それとサーキットテスター。
現場に着いて、間髪入れずにお客様の怒声が僕を直撃した。

「車検やった二台とも、翌日にエンジンがかからないなんてどういうことだ。
もうオマエラの会社になんか車検は頼まねえ。トヨタに入れる。車検の金なんか払わねえからな。
整備したやつはどこのどいつだ。駄目整備士め。」

かなりキツい罵声が10分位つづいた。返す言葉がなくただただ謝り続けた。
一体エンジンがかからない原因はなんなのか?せめてすぐに処置させてください。と伝え、ようやく鍵をもらって現車確認をすると、バッテリーが上がっていた。
車検の時はテスターでは問題なかった。翌日の完成検査の時のかかりにも問題はなかった。
フロントの先輩にすぐに電話して新品のバッテリーに交換した。暗電流も発電量も問題ない。
全ての原因がわかったのは会社に戻ってからだった。
納車の時、お客様の会社は不在で、スペアキーで開けるから伝票を載せて、鍵をインロックした状態で置いておくというのが約束だったそうだ。
納車に行った同僚達はインロックして立ち去ったらしいが、鍵はイグニッションに刺したままで、
こともあろうかACCに入れた状態だったということだ。
もうそれを聞いたとき僕は放心状態になってしまった。
きっと次の車検はうちの会社には入れてくれないだろう。先輩と菓子折りを持って謝りに行ったけれど、信用を取り戻すことはかなり難しいだろう。
何故なら、信用を取り戻したくても、取引先の会社はそのチャンスをくれないだろう。次の車検を担当した工場が何か不備などを犯さないかぎりは僕らが信用を取り戻すためのチャンスすら与えてもらえない。
当たり前の話だけれども、何度も後輩には伝えている。お客様が仕事を依頼していただいて、
その整備代金で僕らの会社が成り立っているんだと。
先日僕らが全身全霊を込めて整備して新規お客様になって下さったフィットのオーナー。
しかし今回ミスをしたことで信用を失わせてしまったお得意様の会社。
それにしても久しぶりに強力にお客様から怒られた。
でも僕は本当にまた一ついい勉強をさせて頂いたと前向きに捉えていきたいと思います。
でもこの日はかなり深酒をしてしまいましたけれどね。
人生いろいろであります

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コメント

  1. 愛知の事務員 より:

    無人納車の場合はかなり気を使いますね。
    私の会社ではインロックで納車の場合、鍵は絶対に抜きます。
    その上で電話し、どこにおいてありますと伝える決まりです。

  2. MHO より:

    きちんと連絡をしないと納車は危ないですよね。
    長野では割と家に届けておいてもらって鍵をつけっぱなしでいいから。っていうお客さんもいます。
    せめて鍵はどこか違う場所に・・。と提案するんですけどね