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たった一件の車検を獲得するのが大変

time 2014/12/03

今は昔と違って、整備工場がウハウハな時代はもう過ぎ去りました。ぼくがこの業界に入ってから、右肩下がりで毎年整備台数と代金は目減りしていってると実感しています。

なので、たった1件の仕事をもらうということがとても大変なことなんです。僕も2年前に説き伏せて車検を入れてくれるようになったお客さんが居ます。今日もまさにその2回目の車検をうちの会社で行ったんですが、なんせ大変。

近年の車検というのは、安くてサービスがいいのはもう当たり前です。今回で2回目のその人の車検の電話をかけたところからはじまります。前回の車検のことを覚えていてくれました。

「○○さんだよね?また頼もうと思っていたんだ。代車が必要でさ、明日いいかな?」

とこのような感じで会話がスタートした訳です。当日、予定していた時間に書類一式を持ってそのお客さんの車を引き取りに出かけました。車を預かる前に、現車を確認します。レンズが割れている。これは交換しないと駄目ですよとお客さんに説明しても

「接着剤で密封してある。水は入らない筈だから試してみてくれ」

基本的に灯火類のレンズはヒビが入っているくらいは車検は長野県ではOKとされました。ただ水が入ってはいけません。粘着テープ類で修理してあるのは不適切な補修にあたるので駄目。下回りの錆び止めは費用の関係でなし。年式が古い車だったので分解してみないとまだまだ分かりませんでしたが、概算見積書を手渡して乗って帰りました。

会社に戻って車検班に事情を話して整備を依頼。受け入れ検査には僕も参加します。が、タイロッドエンドブーツが破れているからNG。先ほどのレンズも水をかければやはり中に水が入るのでNG。その他悪いところを挙げて、保安機運に適合しない部分とそうではないけど悪い部分と分けて見積もりを作成。

2種類の見積もりが出来上がって、お客さんに電話をしました。やはりレンズのことなどは突っ込まれましたが、さすがに検査員をやっている立場も有り、お願いして交換させてもらうことに。ただし中古。すぐになじみの解体屋に電話をして在庫があるということで、出張して外してきました。

それらを踏まえて車検班に整備を依頼。検査担当は僕ではなくて先輩です。先輩にはお金に厳しいお客さんであるということを告げてなんとか完成検査はOK。

納車整備を済ませて、陸事から新しい車検証も交付されお客さんに電話して納車にいきますと伝えたら、

「交換したレンズをもってこい」

と、いわれました。ええ?慌ててゴミをあさってきれいにふいて袋に入れて、おつりと領収書を持って納車へいきました。お客さんには今回の車検の説明をして、納得してもらったので作業完了書に署名をしてもらって、お金を払ってもらい作業は終了です。

で、今回の車検代金の総額は85000円。軽自動車でしたが、車検諸費用が45000円程度だということを考えても、なかなかがんばった方だと思います。タイロッドエンドブーツの交換や、依頼されていたエンジンオイルの交換。クリアランスのレンズは中古で交換。

この85000円の仕事を取る為にもう必死なんですよ。車検の仕事はメンテナンスパックでどんどんと囲い込みがはじまっています。そん中新規で仕事を頂けるということはかなり確率が低いので、既存のお客さんの満足度を減らさないように親切な対応を繰り返していくだけなのです。

しかし、こういう年式の古くて交換する必要がたくさんある車に関していうと、かなり胃がキリキリしますよね。整備営業担当が僕なので、連絡から清算。納車引き取りも全て行わないといけないしね。

まあ、すぐにお金を払ってくれるのでこの人は本当にいいお客さんなんですけどね。

車検を取るのって大変です。

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現役2級整備士・検査員で、現場でひたすらもがいて仕事しています。

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