抜けたショックアブソーバー

車検をしていると、抜けたショックアブソーバーをたまに見かけます。当然、お客さんにショックアブソーバーがだめになっていることを伝えて、交換をおすすめすることになります。

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ショックアブソーバーが抜けるとどのような状態になるかというと、いつまでもフワフワフワフワしているわけです。段差などを乗り越えると、サスペンション機構が動いて、スプリングが縮みます。その際に、スプリングの動きを早く抑えるように働くのがショックアブソーバーです。ショックアブソーバーがないと、段差で縮められたスプリングがまた伸びて、縮んでの繰り返しを長い間行うことになり、フワフワしてしまうわけです。

ストラット方式のようにスプリングとアブソーバーが一体化しているものもありますし、別個に取り付けられているものもあります。リヤのサスペンションはスプリングとショックアブソーバーが別々になっているものが多いですね。

では抜けたショックアブソーバーをどのように見分けるかというと、それは簡単なんです。別に車に乗らなくてもわかってしまう。それは、オイルがアブソーバーから漏れているからです。

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この画像の下の方を見ると、アブソーバーに泥のようなものが付着しているのがわかります。これは、ショックアブソーバーの中のオイルが抜けて、漏れだしてそこに泥が付着したものです。抜けてしまったショックアブソーバーを見るとこのように泥が付着しているのがわかります。

これでもある程度スチーム洗浄で泥を落としたんですが、全周に渡って漏れていたのでまだまだこびりついていました。車検の項目では、ショックアブソーバーの点検も内容に含まれています。ですが、実際はオーナーの了解を得ないことには交換ができないので、オーナーに聞いてみるんですがその大半が乗り心地に変化を感じていない人が多かったです。

つまりショックアブソーバーが漏れて、乗り心地が悪化しているということを体感できていない人が多いということ。当然体感できていない人に交換をお勧めしても、見送られることがほとんどです。

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ショックアブソーバーは高価な部品で、交換工賃も馬鹿になりません。図の車はダイハツのハイゼットですが、この車はリヤのショックアブソーバーが6500円で、工賃が0、5時間。つまり3500円前後になります。1万円でリヤの片側の交換ができるということですが、中には部品だけで1万円を超えてくる車なんかざらです。

Wウィッシュボーンの車になると、アッパーアームを外すなどをしないとショックアブソーバーの交換が困難な車もあり、そういった車両では工賃がかなりかさんできます。

費用対効果といいますか、オーナーの体感にもよってくる乗り心地。そこに高価なアブソーバーの交換費用を考えたら、大体のケースはそのままでよいといわれることが多いです。

ショックアブソーバーの「抜け」というのは簡単に判断がつきますので、タイヤを履き替える際にでもオイル漏れをチェックしてみてください。

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