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効果的なベルト鳴き修理は順を追って整備すること。整備士泣かせの異音「ベルト鳴き」について

整備士泣かせの異音といえば、

「ブレーキ鳴き」

「ベルト鳴き」

この2つがかなりのウエイトを占めてきます。今回は効果的なベルト鳴き修理について書いてみたいと思います。

まず、ベルト鳴きの原因を考えてみます。

1、単純にベルトの張りが適正でない

2、ベルト自体が硬化してきている

3、プーリーやテンショナーに問題がある

大まかに分けてこの3点になってくるのがベルト鳴きです。

それぞれ細かく考えてみます。

1つ目のベルトの張りについて

ベルトを新品にしたばかりなのに、ベルト鳴きが発生するということは適正な張りではないということが考えられます。

2つ目のベルトの寿命・硬化について

これはベルトはゴム部品に相当します。長い間使ってくると弾力性がなくなって硬化してくるもの。そうなってくると張りを適正にしてもスリップを起こしたりします。

3つ目のテンショナーやプーリーの問題について

よく見るとわかるんですが、ベルトってベルトだけが減っているわけじゃないんです。ベルトを回している補機類のプーリーも若干ずつですが削れていっています。もし減っているプーリーであれば、ベルトとの接触面が適正にならないので鳴きが発生するわけです。

それでは、どのようにしてベルト鳴きを修理すればいいのか?

どのベルトが鳴いているのかを見極める方法

今の車はサーペインタイン方式と呼ばれ、1本の長いベルトで全ての補機類を駆動しているケースが多いです。こういうベルトなら原因は1本だけですが、昔の車のように補機類ごとにベルトを使っている場合。

どのベルトから異音が出ているかを見極めます。

その方法は簡単です。まずベルト鳴きが発生しているかどうかですが、発生していなかったら、アコンを入れてライト類を全部点灯して負荷を与えてください。

こうすることによってベルト鳴きを再現しやすくなります。

ベルト鳴きが再現できたら、ベルトの鳴きどめスプレーをそれぞれのベルトに順番に吹いていく。

このワコーズのバイダスドライはかなりの優れもので、鳴いているベルトの溝に吹きかけると音が止まるんです。これを利用して1つずつベルトに吹きかけていく。

音が鳴り止んだ補機類のベルトがあったら、そのベルトが鳴きを発生させているということになります。

ベルトの張り・鮮度を点検

鳴いているベルトがわかったら、張りを確認します。張りが悪くなかったらベルトを手で触ってみて硬化具合を確認します。

ベルト鳴きの修理の基本となるのは新品ベルトへの交換です。この時点で交換を考えます。しかし、プーリーや各ベアリングに問題があったら一時的にしか収まりません。

なので、ベルトを外して各ベアリングがきちんと回るかを点検。ベアリングに問題がなかったらプーリーの溝も点検します。

とりあえず目立った外傷などがなければベルトを新品に交換する。これでほとんどの場合はベルト鳴きを抑えることができます。

これでもダメならプーリーの交換を考えないといけません。効果的なプーリーがクランクプーリーです。クランクプーリーとベルトを交換するだけでかなりの確率でベルト鳴きはおさまります。

オートテンショナーを使っていたら

次に問題になるのが、ベルトの張りをオートテンショナーが行っている場合。

この場合ベルトを交換するとある程度のグリップが戻って鳴きはおさまりますが、オートテンショナーがへたってくるとそれでもすぐに鳴いてしまいます。

そうなった場合は張りを与えているオートテンショナーを交換します。

部品で8000円〜15000円程度します。ここに交換工賃が入ってくるので、修理代はある程度高額になるのを覚悟しましょう。

ただ、感覚的にオートテンショナーは10万キロを超えたあたりで交換を考えるのがいいかなと。やはり張りが弱くなったりしてきますから。

自分自身でアジャストできるタイプのベルトでない限り、テンショナーそのものを交換しないとダメということですね。

ちなみにストレッチベルトはベルト自体が伸縮性を持っているので張りを与えることもしません。ストレッチベルトでベルト鳴きが発生したら有無を言わさず交換ですね。

ベルト鳴きって高周波ないやーな音を発生させます。たまに信号待ちからのスタートで激しい音をさせる車がいますが、あの音がベルト鳴きです。

とりあえずバイダスドライを吹き続けるだけでも一時的には抑えられるので1つ持っておくのはオススメです。

ベルト鳴きも症状が末期になってくるとベルト切れを多発したりするので、そうなったらプーリーを交換しないとダメです。