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車に無頓着で、お金をかけたくない人に自覚してもらいたいこと

車屋さんをやってきてわかったことですが、車を所有している人は大きく分けて4つのパターンに分類されます。

1、車が大好きで自分自身でいじったりする人

2、車の故障や危険性をきちんと理解して、定期点検もきちんと受ける人

3、普段は車には関心が薄いが、車検時などは車屋さんの提案通り整備を受ける人

4、車に完全無頓着でノーメンテナンス。さらには余計なお金は一切かけたくない人

1の階層にいる人は、このウェブサイトを見ている皆様が該当すると考えています。積極的に自分自身で車に関わり、情報収集もこまめで常に車のコンディションを気にかけている。車のメンテナンスに関して、皆様に言う事は何もありません。逆により良い情報を共有できるようにこちらも教えてくださいませ。

一般ユーザーの人は2と3に該当してきます。2の階層にいる人は必ず定期点検を受けます。うちの会社にも何人もいますが、定期点検はきちんと毎回かかさず行います。さらに、タイヤなどの消耗部品の交換時期も早め。工場側から言うと、かなりのお得意様層。

3番目の階層にいる人がおそらく世の中に一番多いんじゃないかな。そんなに車に関心はないんだけど、プロの言うことにはある程度耳を傾けてくれる。

車検だけしか整備工場に依頼しないけど、ダメな部分は修理をきちんと承諾してくれる。

今回取り上げたいのが4番目の階層にいる人です。

車に完全無頓着!余計なお金は一切かけたくない人

世の中の自動車ユーザーの何パーセントくらいが該当するかはわかりませんが、こういったタイプの人。うちの会社でいうと5パーセントくらいの割合かな・・。

車を使っているけれど、車自体は無頓着で余計なお金は一切かけたくないという人。こういうタイプの人に自覚してもらいたいことを書いてみます。

どういうケースなのか実際にあった話でお話します。

ケース1

格安キャンペーン時にしか来店せず、ブレーキ残量が1mmでも修理しない

当社では年に2回程度、整備キャンペーンを行います。どのようなキャンペーンかというと、エンジンオイルの交換は1台税込1000円。タイヤの新品交換は工賃サービス。さらに、整備振興会で行っている愛車無料点検をその場で実施する。

格安キャンペーンのときに車を整備すること自体は悪くないんですが、無料点検でなんとブレーキローターはサビサビで、フロントブレーキパッドの残量が1mmを切っていることが発覚・・・。

これはヤバい!使い方によっては明日とか明後日にはブレーキが効かなくなる。この事実を告げて、部品が1時間程度で間に合うから修理ないとまずいですよ!と危険性を告げているにも関わらず。

「そんな金のかかることはやらない。オイルだけ換えて貰えばいい」

の一点張り。僕らはブレーキパッドがなくなって、ローターをパッドの地金で削ってしまったときの状態を知っているから話をしています。実際にブレーキパッドの残量があと1mmしかないとわかっていても、ブレーキング時に急に残量が終わる。

そうなったらブレーキ時に急に制動力が悪くなるので追突する恐れだって出てきます。この状態を体感したことがない人が、急に遭遇したらどうなるか・・・。考えるだけでも恐ろしい。実際にあったお話です。

ケース2

車検を超格安で継続した人が、次回車検満了時期になったのでその事を伝えたときの返答が・・

僕「Aさんの車なんですが、来週で車検満了になります。どこかで車検整備お決まりですか?決まってなければ当社でいかがですか?」

Aさん「車検!?そんなもん今回はやらねぇよ!」

僕「うちの工場でなくても結構なので、来週で車が乗れなくなってしまいますから車検整備はどこかで受けてくださいね・・・」

Aさん「あーわかったよ。」

数ヶ月後

Aさんの乗る車がふらっとやってきました。

Aさん「おい!エンジンの音が変なんだけどよ、ちょっと見てくれや!」

言われたままエンジン音を確認すると、打音が発生していることがわかりました。もしや・・と思い、オイルのレベルゲージを引っこ抜くと・・。

まさかのゲージにまったくついてこない・・・。

その事実をAさんに伝えると

Aさん「あぁ?オイルがねえ?そんなもんサービスで足してくれや!この前車検やってやったろ!工場長呼んでこい!」

サービスでオイルを入れろの一点張り。一応上司にその旨を相談すると、いろいろ騒がれても困るからとりあえずオイルだけ補充して帰ってもらいなさいという指示。

オイルを補充すると(なんと3リットルも入った・・この車のオイル規定量は3,5リットル)一応打音は静かになりました。

!そういえばこの車、車検どこかでやったのかな?と、フロントガラスのステッカーを見ると・・・

なんと車検切れで乗っている・・・。

僕「Aさん、この車まだ車検受けてないんですか?マズイです。すぐに車検整備を受けてください。なんならこのまま代車を出しますので・・」

Aさん「あ?車検なんかやらねーよ。2回に1回でいいんだよ。車検なんか。じゃあな。」

僕「・・・・・・(アボーン)・・・・・・」

恐ろしい事に実話です。意図的に車検をやらないユーザーっているんです。生活に困窮しているとかそういう事ではないんです。

ただ単に車に一切お金をかけたくない人の模様です。

車の危険性を理解しない人は車に乗らないでください

2つのケースを実例として出しましたが、僕がこの階層にいる人たちに言いたい事は1つのみ。

車の危険性を理解してないのなら、車に乗らないでください。もうこれだけ。これは、あなたたち自身が整備不良で事故にあってしまうということを恐れているわけではありません。

あなたたちが乗る整備不良の車が事故を起こし、万が一他の人を怪我させたり物を壊してしまったとき、被害者の賠償方法がなくなってしまう。

被害者が泣き寝入りせざるを得ないから言っています。自分自身の自爆ならそれも致し方ないでしょう。ただ他人を巻き込むのはいけない。ブレーキの残量がないとわかってる車にそのまま乗るのはやめてください。

車検が切れてる車など言語道断です。教習所で車の危険性を習ってこなかったのか?忘れちゃってるんだろうな。

だったら乗るんじゃない!

残念ながら、車屋さんをやっていると、ここまでひどい人たちにも実際に遭遇する事があるのです。

この記事を読んでる皆様には、こういった車が平気な顔して道路を走っているということも知っておいて欲しくて書いてみました。おそらく当事者たちはこんな記事は読みませんからね(失笑)

交通事故に遭遇して泣き寝入りせざるを得なかったお客さんにも何人も相談に乗りました。無保険であったり、逃げられたり・・。被害者側は行き場のない怒りですよね。

車検証が電子化されればこのような事例も少なくはなっていくと思います。それまでの間はドライブレコーダーなどを取り付けて、自分の身は自分で守るようにしてください。