エブリィです。DA64Wで、エンジンチェックランプ点灯。
しかし、現状はチェックランプが消えています。
乗っていた営業マンが、いきなりエンジン回転があがってびっくりした!と言っていました。
故障コードを読み取ってみると・・・
P0118の水温センサ系統High異常でした。
故障時のパラメータを読み取ってみると
こんな状態でした。
吸気温度が58℃に対して、その時の冷却水温が-30℃になっています。
他に不具合は発生していなかったようで、どうしてエンジン回転があがったのか?その時水温ランプはどうなっていたかを営業マンに聞きましたが、覚えてないという。
まあパニックになっちゃったんでしょう。
P0118が入力された時、どういう制御が起きるか調べてみました。
すると、
・冷却水温を83として制御
・停車時の高回転フェールカット制御禁止
・エアコンコンプレッサ停止
・ラジエターファン駆動
・アイドルアップ
このようになっているので、おそらくエンジン回転が上がったのはフェイルセーフが入ったからだと思われます。
問題なのはこの車、過去に同じ故障コードが入ってまして、同僚が水温センサをすでに交換済みであるということです。
根本的に何か違う問題が発生しているようなので、掘り下げて調べてみることにしました。
まずP0118という故障コードについて。
水温センサ系統High異常というもので、DTCの検出ロジックは
水温センサ信号回路の電圧が5秒以上、4.63V以上となった場合です。
推定不具合箇所は
水温センサ配線、カプラ
水温センサ
ECM
となっています。
水温センサをすでに新品に交換済みなので、センサは除外しました。
不具合を再現するために、まずはテスト走行をしたりハーネスをゆすったりしてみましたが、再現されませんでした。
ハーネスを点検。ECMはエアクリーナーボックスのおくに鎮座しています。
IG ONで冷却水温20℃のとき2.8V。冷却水温80℃のとき0.8V。C25-37です。
そもそもセンサに不具合がなく、水温センサからの信号電圧が上がる原因は何か?
一番怪しいのはハーネスじゃないかと踏んでいます。接触不良やレアショートなどです。しかしハーネスをゆすったり点検しましたが症状が再現できず。
もう一つの懸念としてこの車、実は台風19号で水没しているんです。そのため、何が起きても不思議ではない。
以上のことを踏まえて、ハーネスに問題がなかったため、ECMを交換することにしました。ただ新品だと12万もするそうなので、中古で16000円のものにチェンジです。
この辺りも水没したようなジャリジャリ感がありますね。
結構過酷な場所で働いているECM。なんとなく油まみれになってるような感じです。
同じ品番の中古へ。
ECMを取り付けて、しばらくテスト走行しましたが不具合は出てきません。
ある程度予防整備で交換しました。急にフェイルセーフに入るとびっくりしますからね。
ECMを開いてみましたが、目に見えておかしいところはなかったですね。
全てがグレーですね。これだから水没車は難しい・・・
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。