Categories: ボディ車検

塩カルによるボディの腐食は車に深刻なダメージを与える。そろそろ融雪剤を見直してもいいのでは?

まずはこちらをご覧下さい。

これは車の下廻りの写真です。

大きな穴があいていますね。

なんで車体の下にこんなに大きな穴が空いているのか!?

それは融雪剤に使われている塩カルの影響に他ありません。雪国では、融雪剤として塩化カルシウムが道路に散布されます。

塩化カルシウムのおかげで、道路に雪が積もったとしても凍結を防いでスリップ事故を防げるわけなんですが、副作用としてこの有様になります。

こんなに大きな穴を見るのは久しぶりですが、もっとひどいケースだってあります。

下廻りの防錆・塗装をしても防げない?

車検の時というのは、通常コースであれば下廻りをスチーム洗浄します。

そして整備が終わった後にシャーシなどに錆止めの水性パスターを吹いて錆止めをします。ただこの水性パスター、通称シャーシブラックってそんなに防錆効果は高くなかったりするんです。

シャーシブラックは見た目が綺麗に見えるので広く整備業界で使われてきました。いわゆるサスペンションメンバーなど、黒いサスペンションやホーシングなどの部分に吹くことで光沢がでて仕上がりも綺麗に見える。

でも問題なのは、こういった車検時に塗るシャーシブラックって基本的に交換できる部分にしか吹かないわけなんです。

サスペンションメンバーもラジアスロッドもラテラルロッドもロアアームも全て整備士の手で交換が可能。ネジでボディに止められているだけですから。

それよりもやばいのが写真のように溶接部からボディの骨格自体が腐って落ちてしまうケース。

ここまで大きな穴があいていると当然車検にはパスできなくなります。

こうなると整備士の出番を通り過ぎて板金屋さんの出番になってしまうのです。

こちらはダイハツ車なんですが、この当時のダイハツ車はリヤサスペンションの付け根部分が腐りやすい。

ここが腐っていると板金をしてから車検整備という順番になってしまいます。

当然車検費用も通常の車検代+板金代となり、軽く30万円を超えるケースも出てくるのです。

塩化カルに変わる融雪剤はないものか?

もし道路に塩カルをまかなかったらどうなるか?

これはもう簡単です。それこそスタッドレスタイヤの性能が上がったとしてもスリップ事故が多発します。

スタッドレスはノーマルタイヤよりはききますが、凍結した路面に溶けだした水が表面に流れているような状況は最悪です。

スタッドレスタイヤの溝で水を掻き出しなければすぐにスリップを起こしてしまいます。

雪国の田舎の車は都会以上に酷使される

田舎では車がないと生活ができない地域がたくさんあります。

家から病院まで車で1時間。家からスーパーまで車で1時間。だけど電車は通ってなくて、バスが1日3、4本しか通らない。

こんな地区に住んでいたら車は必須条件になってきます。こういった限界集落に住むお年寄りは山ほどいるのです。

若い世代になると、その不便さに気がついて早々に街中に家を建ててしまう。お年寄りだけが残っていってしまう。

今問題になっている高齢ドライバーの操作ミスによるところの事故ですよね。さらにはそういった車の中にはこの記事で紹介しているような、いつ足回りが落っこちてしまってもおかしくないようなサビサビの車があるわけです。

お年寄りの中には自動ブレーキが搭載されている車に買い換えるお金がない人だって山ほどいます。

この問題は根が深い。

とりあえず、塩カルに変わる融雪剤がないものか?コストも安くて車体にもダメージが少ないものでお願いします。