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これから先の整備事業について同僚たちと話してみた内容

この前の話ですが、会社全体で中堅社員の会議がありました。役員も会議に加わっての会議。その中で議題に挙がったもの

「これから先の整備というものについて」

こちらを同年代の社員たちとディスカッションしてきました。

まず、これから先の整備というものは専門性がすごく必要になってくるということ。当社は業販でいろいろなメーカーの車を販売・整備しています。果たしてこれがこの先どのような影響に巻き込まれるか?

同僚は楽観視していましたが、僕個人の意見だと厳しいですね。

まず、専門性が各メーカーで異なっているということです。それらの技術を習得しようとするにはそれなりの研修に出て、それなりの設備を整えないといけない。

例えば板金などが一番に上がってきます。今の車の多くが自動ブレーキを搭載しています。この自動ブレーキって、センサやカメラを使って検知しているわけです。

こういう車両を板金すると必ず壁となって立ちはだかってくるのがエーミングです。

エーミングというのは、フロントガラスなどを交換した場合自動ブレーキのセンサであるカメラの調整作業のことを言います。このエーミング作業が非常に大変。僕もDENSOの研修に参加したことがありますが、やり方を聞いただけでとても手間がかかります。

しかも各メーカー、エーミングのやり方が全部違うわけです。当然治具も必要になります。国産全てのメーカーをエーミングできるようにするか?ではその設備投資は?

その投資は回収できるのか?この辺りは経営問題と繋がってきます。例えばスズキやスバル、ダイハツあたりのエーミングを習得して治具を買ったとします。

それらの元を取るにはどれだけエーミングをしないといけないか?

そしてこのエーミング方法は年式によっても変わってきますよね。iSightのバージョンが上がればエーミング方法だって変わってくる可能性がある。その度に必要な講習を受けて治具を買う。スズキやダイハツも同じ。

単一メーカーであっても年式が変わると方法も道具も変わる。それをどこまで追い続ける経営体力があるか?では、エーミングだけはディーラーでお願いしたらどうか?今、うちの会社の手法はまさにこれになります。

ですがこれ、デメリットも大いにあります。ディーラーの作業予約を入れないといけないんですが、板金が終わってすぐにエーミングに移れない空白の時間ができてしまう。いわゆるロスです。

ある程度板金が進捗してきたら、エーミングの予約を先に入れるといった事を続けていったとしても、作業フローをコントロールしきれません。やはり外注作業ですから。自社工場で完結できるのが一番納期がわかりやすいけど、それができないジレンマ。

そして自動ブレーキの車両が市場に出回ってきて、明らかに板金の数字が落ち込んできています。これから先の車を板金しようとすると、昔のようにはいかないということです。

全てにおいてセンサ類の調節作業等が必要になってくる。

では、これから先整備工場として生き残る道筋は何か?

これは、専門性に特化していくということが一つの手段ですね。

例えば某メーカーを徹底的に追い続けるということ。ディーラーでしかできない作業をなくすくらいに専門的に学ぶ。これが一つの手段。ですがデメリットもあります。今まで幅広く販売できていた車が、アフターフォローできなくなるということは、お客さんが離れる要因にもなりかねない。

うちの会社もある程度のメーカー、エーミングできるように部署を作って、ほかの工場のエーミング作業も受け持つか?という話も持ち上がりました。ですが、それだと収益率で考えるとイマイチだよなって。

もし自分が整備工場を立ち上げるとしたらどうするか?これはもう極端に専門分野のみを一点集中に磨き上げる工場にするかなと。

それこそ1つのメーカーの数社車種程度ですね。ですが、これらの車種に限って言えばなんでもできるくらいにしておく。こうすれば外注依頼も入ってくるだろうな。

大きな会社でやれるか?というとそれは難しいですよね。本当、整備業界は大きくシフトしていかないといけない時がきたなぁとじわじわ実感しています。

これから先生き残っていく町工場は、それなりきの何かを持ってないともたなくなっていくのは目に見えています。