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後輩整備士の育成について

ボクも30歳を超えてしまったわけで、そうなってくると後輩の整備士というのは何人かいます。
僕自身が育成した整備士は2人いるけれど、その2人はそれぞれ中途半端に教えることになりました。

まず最初に育成したというか、いろいろ教えた整備士は自分よりも年上の人でした。この人は、
車のオイル交換などといった基礎の整備はできる人でした。ですが後に営業にあげられてしまったわけで、育成半ばで終わってしまった。

続いて入ってきた後輩は、逆に一通りのことが出来る状態で入ってきました。といっても粗削りだった。
特にこれをこうしろといった作業指示をださなくても中間的な作業まではできる整備士でした。
まだタイミングベルト交換とクラッチの交換といった中の上といった整備はできません。

そしてまた新しい整備士が入ってきました。この新人にはボクの後輩が指導に当たっています。
この指導の仕方がかなり徹底している。おそらくかなりハードな教え方だと思います。新人も資格を持って入ってきているので、ある程度は理解してきている。

問題はその指導である。新人は悔し涙を流すほど結構熱血な人間だ。
僕は彼は潔癖でいい整備士になると思う。
このボクの後輩のハードな教育に耐えていけば相当いい整備士になるのではないかと。
ぼくが問題だとしているのはその潔癖な指導の仕方だ。そしてその潔癖さを教えている後輩の性格でもある。
潔癖を教えている割には、サボり癖があるというか上司の目を常に気にするタイプなのである。

僕もこの後輩を指導していたときに手を焼いていたことに、その挑戦は必ず受けるというところがあった。
ある程度整備が出来て来ると、みんながやったことのない整備を一番最初に手をだすことがある。
それを、いかにも凄い大変な作業だと大きく出るタイプだ。この話を聞くと、結構ビビッてしまい、その作業が入ってきたら全てその人間にやらせるといった先輩もいる。だけど僕は全てその挑戦を受ける。

つまり彼が出来てボクには出来ない整備は実際において何もない。後輩を指導するっていうことはこういうことでもある。

入ってきた新人が大きく飛躍して、サボっている先輩を目にしたらどうなるだろう?僕は仕事はサボるほうではなく、己との戦いに闘志を燃やすタイプだからさほど苦痛に感じない。が、サボり癖のあるということがその新人が潔癖のまま技術を磨いて来たらどうなるか?いつか越されるだろう。

整備士を育成するなかで一番大切なことだと思うのは、自分自身現場にいる限りは戦い続ける覚悟をもつこと。
ある程度育成してきた整備士がモノになってくると、視野が広がってくる。そんなとき、先輩がサボっているのが気に入らないとなることがあるからだ。

後輩がやったことがあって、先輩がやったことがない作業っていうのがあると困るし、順番が逆になっても必ずその挑戦を受けてたつ。

威厳を保つということだけでなく、自分自身との戦いでもあるからだ。そこで作業の感想を聞いて逃げの姿勢をとってしまったら、その整備士は現場からあがるべきなんだと僕は思う。

僕は先輩や後輩からの作業の感想を聞いた後に思うのはいまのところ恐怖などよりもワクワクする心だけである。まだまだ後輩になんか絶対に負けないという自信がありますよ