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燃料を抜けない形状のタンク

先日燃料が漏れるという車両を預かったんです。

漏れていた場所は燃料タンクでした。珍しく燃料タンクにクラックが入っていたので、そこから燃料がにじみ出ていたというもの。

燃料タンクにクラックが入った場合など、いろいろな修理方法があります。ハンダで傷を塞ぐとか、シーラーをつかうといった方法、専用接着剤もあります。

ですが、市場に中古がわんさか出回っている車種だったのでオーナーは中古のガソリンタンクへの載せ替え修理をチョイスしました。

中古のガソリンタンクは洗浄してシャシブラックを吹き付けて乾燥させてから装着します。

もうこれはタンクが外れてしまっている状態ですが、作業をするにあたり困ったことがありました。それはガソリンがほぼ満タンに入っていたのでそれを抜き取らないといけないということ。

そんなもの、どうせ載せ替えるならドレンボルトから抜いてしまえばいい。という人もいると思いますが残念ながらドレンボルトはこのガソリンタンクには存在しませんでした。

仕方がないのでフューエルネックからホースを突っ込んでポンプでキュポキュポと吸い取る作戦をしたんですが、ある一定の場所からまったくホースが入らなかったんです。

そんなこんなでガソリンを抜く手立てがなくなってしまったので、仕方がないからタンクをミッションジャッキで支えながら少し降ろし気味にして、燃料ポンプを外してポンプで吸い取りました。

じゃあ一体なんでタンクにホースが入らなかったのかを確認してみたら

この口から燃料の給油ホースが繋がっているわけです。

よく見るとご覧の通りです。

なんと弁がついています。これじゃホースを突っ込んだところで遮られてしまうわけです。これは盗難を防止するためのものかもしれませんね。

つまり、今の車って燃料を入れ間違えて抜くということになったら、ドレンボルトはないし、ホースを突っ込もうにも遮られちゃうしでその場で簡単にはリカバリーができないようになっているということですね。

これはスズキ車だったんで他のメーカーがどうなっているかまでは明らかではないですが、燃料の入れ間違いだけは気を付けましょう。

特に車の免許取立てのビギナーの方々は軽自動車には軽油をいれると勘違いしている人がかなり多くいます。軽自動車にディーゼルエンジンなんか僕が知りうる限り存在しません。現行の軽自動車の全ては100パーセントガソリンを燃料としてます。

スポーツモデルでもない限りはハイオクを入れなくてもレギュラーガソリンで十分でしょう。

びっくりした燃料タンクの形状についてでした。