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ハイブリッドカーのブレーキング時の違和感

うちの整備工場では全部合わせるともう100台近くのハイブリッドカーを販売しただろう。
トヨタのハイブリッド然り、ホンダのハイブリッド然りだ。低電圧講習も終了して実際に何台かハイブリッドカーを整備したことがあるけれど、今回初めて30プリウスを点検整備した。その時のちょっと気になったこと。

まず、整備をするために整備リフトへ載せてから整備が終わり、洗車をする。その間1度もエンジンはかからなかったということだ。

30プリウスのエンジンオイルの量はフィルターなしで3,9リットルと記憶をしていたが、初めてエンジンオイルを交換する時には、意図的に簡単にエンジンがかけられないとちょっと面倒だ。エンジンオイルの量を点検するためだけに整備モードに入れるのもなぁと思った。
20プリウスくらいまでならエアコンオンでエンジンがかかったが、30はバッテリーが進化しているためエアコンを入れたぐらいじゃエンジンは始動してくれなかった。

実際この日初めて30プリウスを運転しましたが、違和感が感じたことがある。それはブレーキングだ。
僕が運転した距離は全てモーター走行のみだ。エンジンは一度もかかってくれなかった。その移動の時に、障害物などがあればブレーキングしますよね?それにものすごく違和感を感じた。30プリウスのブレーキは電子制御されたブレーキだ。ハイブリッドカーのブレーキングで一番難しいのが回生ブレーキと、普通の油圧ブレーキの調合であると僕は思う。なるべくならブレーキング時に回生させてバッテリーにエネルギーを戻してあげたい。
そうすれば燃費はもっと伸びるはずだ。

モーター走行時にブレーキングをしたら、あまりにもカックンブレーキだったので驚いた。おそらくうまく回生と油圧を調合しきれていないのだろう。ブレーキがスイッチのようなのである。普通のブレーキはじわっと油圧をはたらかせて、ペダルタッチに忠実に効いてくる。これが従来の油圧ブレーキだ。

しかし回生ブレーキを織り交ぜるとブレーキペダルはスイッチになる。どういうことかというと、ブレーキを踏んだらスイッチがONになり回生ブレーキを働かせるといったニュアンスだ。これがあまりにも強力なのである。

雪道ならすぐにロックしちゃうんじゃない?と思っちゃうほどカックンブレーキだった。
ブレーキのバイワイヤシステムは、いいところもあるんだろうけれど人間の感性にまだ近づけていないなと思った。
車ってON、OFFだけの乗り物ではない。中間速、高速域まで人間の感性が運転する乗り物なのである。
回生ブレーキと油圧ブレーキを完璧に制御しきれるのはもうちょっと先の話なのかなぁと、本日体感してみた分かった次第でした。