エンジン

オイルを入れすぎでエンジンがかからない・・・その原因は実は危険

この前、ちょっとびっくりしたことが起きました。

お客さんからの一報で、エンジンがかからなくなったからレッカーしてほしいという依頼です。

どのようにかからないのかを電話越しに問診をして行きました。すると、オイルランプが点灯して、オイルを補充した。

しばらく走っていたら煙がすごく出てそのままエンジンが停止してしまった。というものです。ここまでは事務の人が聞き出しています。

その後、僕が電話をかわってさらに問診を続けました。

車の車種と、オイルランプはどんなランプだったのかと。

車は日産のクリッパーで、キャリィのOEM車です。スパナのようなマークとOILと書いてあるマークだというのです。

右下のOILと書いてあるランプですね。

これ、ほとんどの人がご存知になってきていると思いますけど、スズキが採用している

そろそろオイル交換の時期ですよ

というランプです。距離に達していなくても半年経過で点灯してきます。

なんとなくそんな気がしたので、さらにお客さんに聞いたんです。

補充したオイルの量はどのくらいだったのかと。すると3Lだと。では、オイルは抜いてから入れたんですか?と聞いたら、抜いてないという答え。

ここまででまとめると、オイルメンテナンスのマークが点灯したからオイルがなくなったと勘違いして、3Lほどのオイルを補充したと。

当然オイルを抜かないで補充したので、エンジン内部には2倍くらいのオイルが入っていると。煙が出て停止したのも納得です。

もうすごいです。至る所にオイルが噴いています。オイルって規定量以上入れると圧が高まって噴き出してきます。

さらに危ないのは、オイルハンマーを起こしてコンロッドが曲がる可能性があります。

オイルとプラグを抜いて、規定量のオイルを補充。プラグを抜いた状態でクランキングをして、燃焼室内に入っているであろうオイルを排出しました。

プラグを取り合えず清掃して、エアクリーナーを点検。エアクリーナーにはブローバイの吹き返しがなかったので、清掃して取り付け。

クランキングしてエンジンがかかるかテストしました。

するとしばらくこんな状態です。マフラーから白煙がもくもくと出てきます。

アイドリングをさせて、ある程度したらふかしてみました。エンジンは大丈夫そうですね。とりあえずオイルが燃え切るまで走ってみましたが、なんとかことなきを得ました。

それにしてもオイルメンテナンスの警告灯で、こんな勘違いをするケースもあるんだなと。改めて驚きました。