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今と昔の車検整備

先日、中古本屋さんで、車の本を買いました。「自分で出来るユーザー車検」

なる本で、規制緩和前の車検整備事情を痛烈に批判されていた本でした。
本によると、規制緩和前の車検整備は、ユーザー車検がなくて、
全て業者による点検付き整備でしか車検を通せなかった。
当然業者からは
「ここを分解して直さないと車検には通らない」
旨の説明を受けてしぶしぶ整備代を払ったと。要約するとこんな内容が書いてありました。

今の現状はどうか?
今は車検見積もりをまず最初に提示するのは当たり前の時代。
例えば車検メニューで

エアクリーナーが汚れていて、エンジンオイルも交換時期、ドライブシャフトのブーツが破けていて
ブレーキの残圧も残り少ない

と診断されたなら、車検を通すために必要な整備はドライブシャフトブーツの交換のみ。
あとは後日整備してもいいというわけですね。
ブレーキパットの残圧は残り0,5mmでもブレーキテスターにかけているときさえ
制動力がでていれば何の問題もないわけです。

そして価格競争。車検を依頼して見積もりを提示。
そしたらその見積もりをもって、他の業者に値段の交渉をするなんてケースも良く見かけます。
トヨペットで見積もり取ったらこのくらいだから、これより安く出来るか!?
というお客様もいるわけですね。実際分解して各部を点検してみると、恐らく前者がだした
見積もりは、あくまで概算見積もりだったのでしょう。
分解してみると、もっと整備士しないといけない箇所がたくさん見つかったりもします。

昔のように業者の一点張りというのも、MHOは納得いきません。僕は押し売りは大嫌いです。
お客さんには自分の出した整備メニューを見てもらって、最低限必要な部分も提示します。
それで、あとは後日の整備でもいけるということを説明した後に作業にはいるわけですが
こころよく作業を依頼してくれるお客さんも少なくなってきているのが現実。

一番言いたいことは、車以外でもそうなんですが、車に詳しくないユーザーの車両を
最低限車検を通すだけの整備で、車検を通すということがどれだけ怖いかということ。
お金にシビアなところは存じ上げますが、車はパソコンと違って人の命を奪う危険をもっている乗り物。
ある程度はアドバイスにも耳を傾けてもらえればなぁと

そういうジレンマがあったりします。実際に車に異変が起きていても気づかないユーザーなら尚更。
柔軟な姿勢を持っている整備工場以外は淘汰されていく世の中になってきたものであります。