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スバルサンバー エンジンがかからない KS4

スバルサンバーです。
お客さんの家に定期点検で取りに行きましたが
エンジンがかからないのでレッカーしてきました。


サンバー

エンジンがかからない原因としてはいろいろとあります。

まずこの車両ですが、普段乗らないために、バッテリーが上がっていました。
バッテリーが上がっているので当然押しがけ意外ではエンジンはかけられません。

バッテリーカーを持っていっていたので現場でつないでみた。
セルモーターはきゅるきゅると回りだした。

でもエンジンがかかりません。

セルモーターは回る。では何故エンジンがかからないか!?

エンジンがかかるためには

よい火花
よい混合気
よい圧縮

この3つが最低不可欠となります。なのでこの3つがきちんと正常な状態かどうかを調べます。

まずは火花です


プラグコードを一本抜いて、そこにプラグをつけます。
そのプラグの電極部分を車体の鉄部分にアースさせます。
つまりくっつけるんですよ。
この状態でセルモーターを回します。

一人でもスターター端子をドライバーなどで連結させれば
セルは回せますが、2人で来ていたので、
もう一人にセルを回してもらいました。

クランキング時に電極に火花が飛んでいればOK。
点火火花は正常と考えます。とりあえずね。
火花が弱いというケースもありますが、この場合正常。
このように古い車の場合、点火火花が飛ばないとなると
コンタクトポイントを点検。きちんとギャップがあって、ポイントに火が飛ぶかどうかを確認。

それと忘れがちなのがディスビのローターからのリーク。ディスビのローターからリークしていると火花が飛ばなくなります。

今回は火花は飛んでいました。

では何故エンジンがかからないか?

つづいて燃料をチェックします。
キャブ車の場合、クランキングを続けていると
プラグがかぶります。なのでコレを目安にするといいでしょう。


プラグはかぶっていません。

もう一度プラグをはめてクランキングをしばらくします。
そしてプラグを外しても、プラグに燃料がついてこない。

と、いうことでこの車がエンジンがかからない原因としては
燃料がシリンダーへ来ていないという原因が上げられました。

大体長い間クランキングするとプラグがかぶるんですよ。
でも全然かぶらない。

補足を加えとくと、クランキングしても初爆しませんでした。

初爆とは、クランキングをしたときに一瞬点火がうまくいって
ブスンっとエンジンに火が入ることをいいます。
初爆するということは、燃料も火花も一応きているという証拠でしょう!?

あとエンジンを動かすために必要な圧縮ですが、これは昨日今日で一気に抜けるはずは
ありません。普通に使っていて、何にも原因がないのならね。

だからエンジンがかからないという原因は大体が燃料か火花かということになってきます。
電子制御の場合はいろいろと他にも考えられるけどね。

で、この車は燃料が来ていません。
プラグがかぶっているかどうかで燃料をチェックするのがイマイチだという人は
キャブへ来ている燃料ホースを一本抜いてクランキングしてみてね。
ちょっと危ないけど。正常なら燃料が出てくるからね。

で、この車ですが、
年間1000km走らない車です。平成2年くらいの年式でまだ20000kmに到達していなく更に最近は全然乗っていないとのこと。

エンジンをかけていない車で一番故障してしまうのが
燃料ポンプ。コイツが固着してしまうことが良くあります。

なので、燃料ポンプをぺちぺちと叩いてクランキングをしてみます。
たまに固着が取れてエンジンがかかることがあります。
でもこの車は燃料ポンプに刺激を与えてクランキングをしても
エンジンはかかりませんでした。


と、いうわけで燃料ポンプを交換しました。

この壊れている燃料ポンプは外しても殆ど燃料が出てきませんでした。
完全に壊れています。


あたらしい燃料ポンプ

燃料ポンプを新しくして、しばらくクランキングすると
エンジンが元気良くかかりました。

このサンバーの場合は燃料ポンプが長年乗っていなかったために
固着して燃料が供給されずエンジンがかかりませんでした。

初爆があって、かかりそうでかからない

なんて場合は点火タイミングが狂っている可能性があります。
キャブ車の場合はタイミングベルトのコマとびが考えられますね。

インジェクションの場合はクラセンやカムアングルセンサーなどの不良。

と、まぁエンジンがかからないという原因は
たくさんあるけれど、消去法で行っていくと修理が可能です。

皆さんもエンジンがかからないときは頑張って原因を突き止めてくださいね。

サーキットテスタを使いこなせれば、いろいろな故障診断に使えます。