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整備作業をいかに短縮させるか?その秘訣は工具にあり

本日は整備作業をいかに短縮させるか?というお題でお話を。
整備士をしていると、やはり同じ作業をしていても、人によって作業時間が異なります。
何度も経験している人は速いだろうし、逆に初めてやる作業については遅いだろうし・・・

工賃については、作業指数表という業界一律で決まっているレートが存在します。
例えば、Aの車のタイミングベルトは4時間かかる。

Bの車のクラッチ交換は9時間かかるといった作業指数がメーカーによって決められているんです。

その時間に時間工賃を掛けてあげれば、工賃が決定します。整備士の時間工賃の目安として、1時間6000円というものが一般的。

6500円のお店もあれば、8000円なんてお店もあります。

かかる時間はレートで同じ。あとは時間工賃が店によって若干違う。
なので、整備の現場から言わせてもらうと、4時間の作業を3時間で済ませた人って偉いわけですよ。効率がいい。
1時間の余裕時間ができるので、他の仕事をその時間で行うことが出来る。
もちろん確実性は損なってはいけない。

では、整備時間をいかに短縮させるか?

これはもう、その人のセンスと工具によって決まってくると思います。

例えば、ダイハツの初代タントのターボ車なんかを例に挙げるとします。

タントのエアコンベルトはVベルトを使っていました。
なのでオルタネーターベルトに比べてベルトが擦れて行くので、早くに緩んでベルト鳴きを起こす。
定期点検で入ってきたら、ベルトの張りを調整してあげるんですが、これがなかなかやりにくい。
目一杯サイズを大きく作られている車で、且つフロントにエンジンが載っている。
クリアランスが殆どなく、ベルトを張ると言っても大変。

同僚はフロントバンパーを外してしまう人もいます。

ですが、ボクは外さない。バンパーを外すと、クリップを破損するケースがあるし何しろ、脱着時に細かい傷でもつけたら嫌だし時間もかかる。

ボクは、自分の持っているソケットやエクステンションなどを最大限活用して、ナンバーを外すだけ。

その状態でターボのタントだろうが、5分くらいでベルトを張る事が可能です。
他の人も多分やっているひとはたくさんいると思うけど。

最初は時間がかかった。どのソケットが一番いい位置に合うかなどを研究していたから。
でも2回目は早いわけですよ。明らかにバンパーを外すよりも。
なので、工具を最大限利用しているといえると思います。


トヨタのボクシーのエンジンなど、45分で下ろすことが出来ました。初めて下ろした時は3時間くらいかかったけど・・
それもすべて工具のおかげかもしれません。

ホンダのライフなどフロントのクランクオイルシールの交換に相当な整備作業指数があてがわれているんですよ。

ええっ?こんなに?というくらい。
時間は忘れたけど、6時間くらいだったような気もしますが、実際、工具をうまく使えばそんなにかからない。
タイミングベルト交換に毛が生えた程度です。

小さなマイナスドライバーで引っこ抜けばいいだけなんですよ。オイルシールを。
傷つけないように。

なので、うちの工場はライフのクランクのオイルシールの交換は正規の作業指数じゃ頂きすぎだから、もっと安い値段で提供しています。

作業時間が短くなるということはいろいろな余裕が生まれるということです。

逆に、工具がいろいろな種類があれば、初めての作業でもかなりいい線で時間をかけずにできるということ。

工具がないと太刀打ちできない作業すらあります。

ボクも自宅用できちっとした工具が欲しくなってしまいました。