ついにパジェロが帰ってきます。
2026年9月2日、三菱自動車は新型「パジェロ」を世界初公開しました。
日本仕様のパジェロは2019年に生産を終了しています。
それから7年。
しかも今回の復活は、昔の名前を持ってきただけのSUVではありません。
三菱自動車自身が「これからの三菱自動車ブランドを象徴する新世代のフラッグシップモデル」と位置付けています。2026年度に生産拠点となるタイを皮切りに、日本、オーストラリアへ投入。その後はASEAN、中南米、中東など世界約100カ国へ展開する計画です。
これはかなり大きなニュースです。
では気になる中身はどうなっているのか?
専用設計なのか?
以前から噂されていた日産との関係は?
そしてエンジンは何を積んでいるのか?
発表された内容を詳しく見てみます。
まず驚くのが車体構造です。
新型パジェロは高剛性ラダーフレームを採用しました。
3代目、4代目パジェロではビルトインフレーム・モノコックボディを採用していましたが、新型では再び本格クロスカントリーSUVらしいラダーフレーム構造へ回帰したことになります。
三菱は高張力鋼板の採用拡大やフレーム断面積の拡大によって、軽量化を図りながら曲げ剛性、ねじり剛性を高めたとしています。
そして、ここで気になるのがトライトンです。
新型トライトンも新世代のラダーフレームを採用しています。
海外を含む複数の報道では、新型パジェロはこのトライトンをベースとして開発されたとされています。
ただし、
「トライトンの荷台をSUVボディにしただけ」
というクルマではありません。
ここが今回のパジェロの面白いところです。
トライトンはピックアップトラックなので、リアにはリーフスプリングを使ったリジッドサスペンションを採用しています。
ところが新型パジェロは違います。
フロントはダブルウィッシュボーン式独立懸架。
そしてリアには「新開発5リンク式リジッド」を採用しました。
つまりコイルスプリングを使うSUV向けの足まわりです。
三菱は路面追従性と悪路走破性だけでなく、自然なステアリングフィールとフラットで快適な乗り心地まで狙ったとしています。
ベースとなるラダーフレームなどにはトライトンとの関係があるものの、パジェロ用SUVとしてかなり手を入れていると考えた方がよさそうです。
三菱が今回かなり強調しているのが「悪路快適性」という考え方。
悪路を走れるだけではなく、
「悪路を快適に走れる」
ところまで狙っています。
これはパジェロらしい方向性だと思います。
パワーユニットも正式に明らかになりました。
搭載されるのは直列4気筒2.4Lクリーンディーゼルターボ。
三菱自動車の発表で注目したいのが、
「専用開発の2.4Lクリーンディーゼルエンジン」
と明記しているところです。
ワイドレンジのシングルVGターボを採用し、最大トルクは480N・m。一部仕様では470N・mとなります。
Car Watchは、トライトンに搭載されている4N16型がベースとみられると報じています。
トライトンとの関係が深いとしても、単純に同じエンジンをそのまま載せたわけではなさそうです。
そしてトランスミッションも注目です。
新型パジェロにはスポーツモード付きの新開発8速オートマチックトランスミッションが組み合わされます。
三菱はスムーズな変速だけでなく、オンロードからオフロードまでドライバーの意図に忠実な加速と静粛性を狙ったとしています。
2.4Lディーゼル
+
新開発8速AT
+
SS4-Ⅱ
+
S-AWC
という組み合わせです。
かなり本気です。
4WDにはもちろん「スーパーセレクト4WD-Ⅱ(SS4-Ⅱ)」を採用。
2H
4H
4HLc
4LLc
という4つのモードを選択できます。
さらに新型ではS-AWCを採用。
AYC、ASTC、ABSなどを統合制御して、4輪の駆動力と制動力を最適化します。
ドライブモードも、
NORMAL
ECO
GRAVEL
SNOW
MUD
SAND
ROCK
の7種類。
最低地上高は230mm。
アプローチアングル30.4度、ランプブレークオーバーアングル22.6度、デパーチャーアングル25.8度となっています。
名前だけパジェロではなく、ちゃんと悪路へ持っていくことを前提に作られたクルマです。
ここは気になっていた人も多いと思います。
三菱自動車は日産とアライアンス関係にあります。
そのためパジェロ復活の噂が出始めたころには、日産パトロール系のプラットフォームを使うのではないかという情報も出ていました。
しかし今回明らかになった新型パジェロを見る限り、その見方とは違います。
新型はラダーフレームを採用し、トライトンとの技術的な関係が強いモデルとして登場しました。少なくとも「日産パトロールのシャシーをそのまま使ったパジェロ」と考えるのは適切ではなさそうです。
ただし面白いのは安全装備です。
新型には前方衝突予測警報「PFCW」、踏み間違い衝突防止アシスト「EAPM」、そして高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT」などが採用されています。
アライアンスによる技術活用はありながらも、クルマの根幹まで日産車になったわけではない。
そんな構成に見えます。
ボディサイズは、
全長 4920mm
全幅 1925mm
全高 1910mm
ホイールベース 2870mm
となっています。
3列シートの7人乗りです。
全幅1925mmなので、日本では決して小さなクルマではありません。
ただ、4代目パジェロのロングボディも全長4900mm、全幅1875mmクラスでした。
新型になって巨大化したというより、従来のパジェロのサイズ感を現代基準へ拡大したと考えた方が近そうです。
個人的に面白いと思ったのがインテリアです。
昔のパジェロといえば、インパネ中央にあった3連メーターを覚えている人も多いでしょう。
新型ではこれをデジタルの「マルチメーター」として復活させました。
高度、方位、外気温だけでなく、車体の前後左右の傾きやAYCの制御量なども表示します。
ただ昔のデザインを貼り付けるのではなく、
「昔のパジェロらしさを現代の技術で作り直す」
という考え方です。
これはなかなかいいと思います。
パジェロは1982年に登場し、4代にわたって世界170以上の国と地域で販売されてきました。
初代から4代目までの累計生産台数は329万台を超えています。
僕らの世代だと、パジェロという名前には特別なものがあります。
90年代のRVブームでは本当に街中を走っていました。
それがなくなってしまった時は、
「三菱からパジェロがなくなるのか……」
と思ったものです。
それだけに今回、
ラダーフレーム
専用開発2.4Lディーゼル
新開発8速AT
SS4-Ⅱ
S-AWC
新開発5リンク式リアサスペンション
という中身で復活してきたのは嬉しいニュースです。
単なる懐古モデルではありません。
そして三菱自身も新型パジェロを「新世代のフラッグシップ」と明言しています。
これから登場するパジェロシリーズを含め、今後の三菱車を引っ張っていく存在になるようです。
日本への投入も2026年度中が予定されています。
あとは価格です。
ここまでフラッグシップとして作り込んでくると、昔のような感覚で買えるパジェロではない可能性があります。
それでも、
「パジェロが帰ってきた」
このニュースだけでワクワクする人はかなり多いのではないでしょうか。
今度のパジェロは名前だけの復活ではありません。
中身を見れば見るほど、三菱がもう一度「パジェロ」というブランドを本気で育てようとしていることが伝わってきます。
2026年度の日本発売が楽しみな1台です。
noteと週刊MHO通信を始めました
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
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