目指せ自動車整備士 第8話「車検整備の流れ」

A君が会社に入社して、3ヶ月が経過しました。

社長「A君、試用期間の3ヶ月が経過した。君の働きぶりを3ヶ月みて来たけれど、まあいいだろう。今日から正式に社員として登用する。」

A君「ありがとうございます。」

MHO「おう!おめでとう。それじゃ今日からビシビシやらせてもらうからな。」

A君「はい!お、お手柔らかに・・・。」

MHO「今日から残業も解禁になるから、A君にやってもらうことをもっと増やすから。まず今日の予定を見てみると、車検が6台入庫してくる。」

A君「はい。」

MHO「フロントから整備指示書が上がって来たら、下廻りをスチームで洗浄してくれ。リフトアップするときは1台ずつリフトアップポイントを確認するから呼ぶように。その時にオイル漏れなどをしている箇所があったら洗浄する前に確認するから呼んでくれ。」

A君「はい。わかりました。下廻りの洗浄って先輩たちがやっていたようにやればいいんですよね?」

MHO「3ヶ月現場を見て来たからわかると思うけど、下廻りを洗浄しないと泥が付いていたりすると整備に支障をきたすからね。ただ、変なところを洗いすぎると壊れちゃうこともあるから気をつけないと行けない。特に電装系等には注意をすること。」

A君「はい。それでは1台ずつやっていきます。」

A君は1台ずつ車をリフトアップして下廻りの洗車を始めました。

MHO「あ、A君。出来れば長靴とカッパみたいなものをつけたほうがいいぞ。スチームすると跳ね返って濡れるから。濡れた状態で車に乗り込んじゃだめだぞ。慣れてくればほとんど濡れないようになるから。」

A君「カッパも長靴も持ってません・・」

MHO「俺のやるよ。サイズは大きいかもしれないけど。社長にお願いしておくから。会社から支給してくれるからさ。俺は去年のをまだ使ってるから新品が余ってるんだ。」

A君「ありがとうございます。」

A君「MHOさん、この車オイル漏れしてます。」

MHO「どれどれ。あーこりゃひどいな・・・。うーん。わかった。洗っていいよ。綺麗に洗浄してくれ。」

A君「これはどこからオイル漏れしてるんですか?」

MHO「ヘッドカバーから下へ垂れて来ているね。あとはタイミングベルトカバーの隙間からも漏れて来てるから、オイルシールあたりが怪しいな。」

A君「そうですか。」

MHO「よーしそれじゃ洗った車を受け入れ検査していくぞ。」

A君「はい。」

MHO「ライト廻りの確認するぞ。順番に点けて。」

A君「はい。」

MHO「じゃ、俺が一回ライン通すから通し終わったものをリフトアップしてタイヤを外して。」

A君「了解です。」

A君が働いている会社では受け入れ検査の時に一度検査ラインを通します。これにより、ブレーキの引きずりや排気ガス、ライトなどより細かな受け入れ検査になります。

受け入れ検査が終わったら今度は分解という作業に移ります。受け入れ検査でわからないブレーキ廻りの点検です。分解作業が終わったら作業指示書に追記して実際の整備作業に入ります。

車検の工程は

受け入れ

分解

中間

完成検査

という流れになります。分解までして作業指示書通りの整備を終えたら中間検査に入ります。中間検査はブレーキパッドの交換やブレーキシューの交換をしたとき、タイヤをつける前に検査をすることです。

完成検査では車体にタイヤが付いているので、ブレーキ廻りがきちんと組み付けられているかの検査は中間検査で行います。

中間検査まで終わったら、最後にタイヤまで取り付けて完成検査を自動車検査員が行います。

これが車検整備の流れになります。

指定工場では整備主任、実際に整備をする人、中間検査をする人、完成検査をする自動車検査員。4人が順番に1台の車を整備・検査をします。

それぞれの検査を兼務して行うこともできますが、A君の工場では全部をバラバラの人間が行うことで、より幅広い整備を提供しています。

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