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新型CX-5が好調!それでも整備士として「ディーゼルを残してほしかった」と思う理由

マツダの新型CX-5が好調なスタートを切っています。日刊自動車新聞によると、

発売から約3カ月で受注台数は約1万7000台を突破。月販計画2000台という数字を考えると、かなり勢いがあります。

僕自身、最近街中を走っていても、

「あ、新しいCX-5だ」

と思う機会が少しずつ増えてきました。

新規顧客の割合も47%まで増えているとのことで、これまでマツダに乗ってこなかった人たちにも新型CX-5が届いているようです。

しかも興味深いのが売れているグレード。

330万円からという価格設定でありながら、受注の6割以上が407万円からの最上級グレードとのこと。

単純に「安いから売れている」というわけではなさそうです。

ただ、新型CX-5について個人的にどうしても引っかかるところがあります。

それがディーゼルです。

CX-5といえばSKYACTIV-Dだった

僕の中でCX-5という車を考えたとき、切っても切り離せない存在だったのがSKYACTIV-Dです。

マツダは長年、クリーンディーゼルをかなり積極的に展開してきました。

低回転から出る太いトルク。

SUVとの相性もよく、高速道路や長距離を走ると非常に気持ちがいい。

ガソリンエンジンとはまた違った魅力があります。

もちろん、整備する側から見るとディーゼルにはディーゼルなりの難しさもありました。

DPF。

EGR。

煤の堆積。

インジェクター。

乗り方やメンテナンス状況によっては、ガソリンエンジンとは違ったトラブルに遭遇することもあります。

それでも、

「CX-5ならディーゼルを選びたい」

という人が一定数いたのも事実でしょう。

だからこそ、新型CX-5でディーゼルがなくなったことには少し寂しさを感じます。

現在はガソリン一本。では本命は何なのか?

現在の新型CX-5はガソリンエンジンが中心となっています。

そこで気になるのが、この先です。

おそらく多くの人が注目しているのは、今後追加されるであろう電動化モデルではないでしょうか。

僕も、新型CX-5の本命はここになってくる可能性があると思っています。

今の日本市場を考えれば、SUVとハイブリッドの相性は非常にいい。

街中ではモーターを使って効率よく走り、長距離でも燃費を稼げる。

ユーザー側からすると、

「SUVが欲しい。でも燃費も気になる」

という悩みに答えやすいパワートレインです。

マツダがCX-5で新規顧客を本気で取りに行くのであれば、ハイブリッドというカードは非常に重要になってくるはずです。

逆に言えば、今のガソリンモデルが好調だからこそ、

「ハイブリッドが加わったらどうなるんだろう?」

という期待も大きくなります。

ただしハイブリッドだけになればいいとも思わない

ここで僕が思うのは、

「ハイブリッドが出るならディーゼルはいらない」

という単純な話ではないということです。

ハイブリッドとディーゼルでは得意な使い方が違います。

街乗りが中心ならハイブリッドのメリットは大きいでしょう。

一方で高速道路を頻繁に使う人や、年間走行距離が多い人にとっては、ディーゼルの太いトルクと長距離性能には依然として魅力があります。

何より、

「ディーゼルSUVに乗りたい」

という需要そのものがあります。

今は国産車でディーゼルを選べる車種も以前より限られてきました。

そんな中でマツダは、ディーゼルという選択肢を比較的多く残してきたメーカーでした。

だから僕としてはCX-5にも残してほしかった。

ガソリン。

ハイブリッド。

ディーゼル。

ユーザーが自分の使い方に合わせて選べる。

それが一番面白かったと思うのです。

CX-60で改めてディーゼルを売るというのも興味深い

今回の記事でもう一つ興味深かったのが、マツダが2026年度下期からCX-60の販売を改めて強化するという点です。

CX-60ではディーゼルエンジンの力強さや、後輪駆動ベースならではの走行性能を改めて訴求していくとのこと。

これを見て、

「やっぱりマツダ自身もディーゼルの魅力は分かっているんだよな」

と思いました。

CX-5で幅広い新規ユーザーを呼び込み、その中で走りやディーゼルに興味を持った人にはCX-60を提案する。

商品構成としては理にかなっています。

ただ、CX-5とCX-60では車格も価格も違います。

CX-5くらいのサイズ感でディーゼルに乗りたい人にとっては、

「CX-60がありますよ」

だけでは埋められない部分もあると思います。

ここは少しもったいなく感じます。

407万円以上の最上級グレードが6割というのは驚いた

新型CX-5の販売状況でもう一つ驚いたのが、最上級グレードの比率です。

6割以上が407万円からの最上級グレード。

これはかなり面白い数字だと思います。

今は車そのものが高くなりました。

そのためユーザーも、

「安いグレードを買おう」

ではなく、

「どうせ400万円近く払うなら欲しい装備を付けよう」

という考え方になっているのかもしれません。

大型ディスプレーやBOSEのオーディオなど、実際に乗った瞬間に分かりやすい装備を販売店がしっかり訴求していることも大きいのでしょう。

そして30~40歳代が約半数。

新規顧客47%。

これはマツダにとってかなり大きな意味を持つ数字だと思います。

CX-5という一台が売れるだけではなく、これまでマツダを候補に入れていなかった人を販売店へ連れてきているからです。

CX-5はこれからがさらに面白くなるかもしれない

現時点の販売状況を見る限り、新型CX-5のスタートは成功と言っていいでしょう。

それでも僕が注目したいのは、むしろこれからです。

ガソリンモデルだけでもこれだけ売れている。

そこへ今後、電動化されたパワートレインが追加されたらどうなるのか。

燃費。

価格。

走行性能。

そして整備性。

実際にどんなシステムを搭載してくるのかによって、CX-5の商品力はさらに大きく変わってくるはずです。

整備士目線では、当然その中身も気になります。

ハイブリッドになれば新しい制御や部品が増えます。

長期間乗ったときの耐久性や、10万km、15万kmと走ったときにどんな整備が必要になるのかも気になるところです。

そして個人的な希望を言えば――。

やっぱりCX-5のSKYACTIV-Dも残してほしかった。

ディーゼルには面倒なところもあります。

煤の問題だってあります。

整備する側からすれば、決して手放しで「最高!」と言えるエンジンではありません。

でも、あのトルク感にはディーゼルにしかない魅力があります。

ハイブリッドが当たり前になっていく時代だからこそ、

「ディーゼルのCX-5」

という選択肢が残っていても面白かったと思うのです。

新型CX-5の好調が一時的なものなのか。

これから登場するであろう電動化モデルが、さらに販売を押し上げるのか。

そしてマツダはCX-60のディーゼルをどう立て直していくのか。

新型CX-5は売れ行きだけでなく、これからのマツダのパワートレイン戦略を見る上でも、かなり興味深い一台になりそうです。