走行16万kmのホンダ・ホーネットに乗るおじさんと出会った。オイル交換は1万kmに1回、それでも走り続ける驚異のバイク

今日、ハンターカブに乗ってスーパーへ買い物に行ったときのことです。

駐車場で、一人のおじさんに話しかけられました。

そのおじさんが乗っていたのは、ホンダのホーネット。

どうやら僕のハンターカブが気になったようで、いろいろと質問されました。

バイク好き同士、こういうところで話が始まるのは面白いものです。

ところが、話を聞いているうちに、僕の方が驚かされることになりました。

なんと、そのホーネットの走行距離は16万kmに達しているというのです。

しかも、新車からずっと乗り続けているそうです。

バイクで16万km。

それだけでも驚きなのですが、さらにびっくりしたのは、そのメンテナンス方法でした。

東京から引っ越してきたおじさん。移動手段はホーネットだけ

おじさんの話によると、以前は東京に住んでいたそうです。

その後、こちらへ引っ越してきたとのこと。

車の運転免許も持っていたそうですが、すでに返納したという話でした。

現在の移動手段は、もっぱらバイク。

日常の買い物から普段の移動まで、ホーネットに乗って出かけているそうです。

僕からすれば、これだけでもなかなかすごい話です。

長野は車社会です。

特に冬場は寒く、場所によっては雪も降るので、バイクだけで生活するのは簡単ではありません。

そんな環境でも、ホーネットが日常の足になっているというのですから、相当なバイク好きなのでしょう。

そして、話の途中で走行距離を聞いて驚きました。

16万km。

しかも新車から乗り続けている。

車なら16万kmというのは、今ではそこまで珍しい距離ではありません。

しかし、バイクとなると話は別です。

もちろん、バイクでも20万km、30万kmと走る人はいるでしょう。

それでも、一台のホーネットを新車から16万kmまで乗り続けているという話を、実際にオーナー本人から聞くと、なかなかの迫力があります。

オイル交換は1万kmに1回。使っているのはカストロールGTX!?

僕が特に驚いたのは、メンテナンスの話です。

おじさん曰く、エンジンオイルは1万kmくらい交換しないこともあったそうです。

さらに、ブレーキフルードについても、ほとんど交換していないとのこと。

「えっ、それで16万km走っているの?」

と思わず聞き入ってしまいました。

しかも、使っているエンジンオイルがまた意外でした。

カストロールのGTX。

車のエンジンオイルとしてよく知られている銘柄です。

おじさんは汎用の4サイクルオイルという感覚で使っているようでした。

ホーネットのような湿式クラッチを採用するバイクでは、エンジンオイルの摩擦特性がクラッチの作動にも影響します。

そのため、基本的にはメーカーが指定する規格に適合した二輪車用オイルを使うべきです。

カストロールGTXという名前だけでは、実際に使用していた製品の粘度や規格までは分かりません。

もちろん、今回のおじさんの使い方を推奨するつもりはありません。

それでも、そうしたメンテナンスを続けながら16万kmまで走っているという事実には驚かされます。

僕は自動車整備の仕事を約25年間してきましたが、バイクについてはそこまで詳しいわけではありません。

それに今回は、あえて自分が整備士だったことを話しませんでした。

ただ一人のバイク乗りとして、おじさんの話を聞いていたかったからです。

もし整備士だと伝えていたら、オイルの話などで余計な議論になっていたかもしれません。

それよりも、16万kmを走ってきたオーナー本人の経験談を聞く方が、ずっと面白かったのです。

5万kmごとにレギュレーターが故障するという話

もちろん、16万kmまで完全にノートラブルだったわけではありません。

おじさんが嘆いていたのは、レギュレーターの故障でした。

どうやら5万kmに1回くらいのペースで壊れてしまうそうです。

レギュレーターは、バイクの発電系統で電圧を調整する重要な部品です。

これが故障すると、バッテリーが正常に充電されなくなったり、過電圧になったりする可能性があります。

古いバイクでは、こうした電装系のトラブルも無視できません。

それにしても、5万kmごとにレギュレーターが壊れるという話を聞いて、僕は少し感覚が麻痺しそうになりました。

普通なら、5万km走るだけでも相当な距離です。

ところがおじさんにとっては、それが一つのメンテナンスサイクルになっているようです。

16万km走行していれば、5万kmの節目をすでに3回も通過しています。

そこまで乗り続けていると、オーナー自身がその車両の故障傾向を把握しているのでしょう。

おじさんにとってレギュレーターの故障は、もはやホーネットと付き合っていく上での恒例行事なのかもしれません。

ただし、これはあくまでその車両での経験談です。すべてのホーネットが5万kmごとに故障するという意味ではありません。

4年で3000kmの僕と、1ヶ月で3000kmのおじさん

話をしていて、もう一つ驚いたことがあります。

それは、年間走行距離の違いです。

僕のハンターカブは、購入してから約4年で3000kmほどしか走っていません。

一方、おじさんは1ヶ月で3000kmくらい走るそうです。

つまり、僕が4年間かけて走った距離を、おじさんはわずか1ヶ月で走ってしまうということです。

これだけ使い方が違えば、メンテナンスに対する考え方も変わってきます。

僕はハンターカブのエンジンオイルを年に1回交換しています。

ブレーキフルードも2年に1回交換しています。

一般的な定期メンテナンスとして、それほど特別なことをしているつもりはありません。

しかし、おじさんからしてみれば、僕の整備は少し過剰に感じるようでした。

考えてみれば、僕は年間1000kmも乗りません。

それでも、時間による劣化を考えて定期的に油脂類を交換しています。

一方、おじさんは毎月3000kmも走ります。

年間に換算すれば3万6000kmです。

もし3000kmごとにオイル交換していたら、年に12回も交換する計算になります。

1万kmごとでも年間3〜4回。

ランニングコストを考えれば、オイル交換の間隔を長くしたくなる気持ちは理解できます。

ただし、そこはメーカー指定の交換周期や使用条件を守ることが基本です。特にブレーキフルードは走行距離が少なくても水分の吸収によって性能が低下するため、長期間交換しないことにはリスクがあります。

また、長距離を走っているからといって、指定外のオイルや長すぎる交換間隔が問題ないと証明されたわけでもありません。

それでも、今回のおじさんの話を聞いて、改めて考えさせられました。

車でもバイクでも、同じ車種に乗っていても使い方は人それぞれです。

週末に少しだけ乗る人もいれば、毎日の生活のすべてを一台のバイクに託している人もいる。

メンテナンスをきっちり行う人もいれば、最低限の整備で驚くほど長い距離を走る人もいます。

そして、そうした実際の使用例は、整備の教科書だけでは分からない面白さがあります。

今回のおじさんのホーネットが、どうして16万kmまで走れているのか。

正確な理由は分かりません。

エンジンの設計や使用環境、走り方、そしてこれまでの修理履歴など、いろいろな要素が関係しているのでしょう。

ただ、ひとつ確かなのは、新車から16万kmもの距離を、一台のバイクで走り続けてきたオーナーがいるということです。

これは素直にすごいと思いました。

僕のハンターカブが同じ16万kmに到達するには、今のペースだと一体何年かかることやら。

スーパーへ買い物に行っただけなのに、思いがけず貴重な話を聞くことができました。

世の中には本当にいろいろな人がいるものです。

そして、バイクという乗り物も、やっぱり奥が深いですね。

ハンターカブについて本を出してます。いずれかは10万キロ突破したい!最近乗る頻度は随分増えてきましたので!

 
ホンダハンターカブ カスタム&メンテナンス記録
 

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