ホンダが16,254台をリコール!N-BOXやステップワゴンなど、バッテリーが上がってしまう厄介な不具合

リコール情報

2026年10月22日、ホンダがボディコントロールモジュールの不具合について、3件のリコールを届け出ました。

今回のリコールは、個人的にも早めに対策を受けてほしい内容です。

というのも、不具合によって車を使っていない間にもバッテリーの電気が必要以上に消費され、ある日突然エンジンがかからなくなるおそれがあるからです。

対象となるのは、ステップワゴン、ヴェゼル、フリード、シビック、ZR-V、N-BOX、N-BOX CUSTOM、N-VAN、オデッセイ、アコードなど。

ホンダの人気車種が幅広く含まれており、軽自動車のN-BOXシリーズにまで及んでいます。

3件の対象台数は合計16,254台。

内訳は、ステップワゴンなど8車種が15,191台、オデッセイが628台、アコードが435台です。

主要8車種の届出では、不具合が170件報告されています。なお、事故の報告はありません。

これから寒い冬を迎える時期だけに、バッテリー上がりにつながる今回のリコールは、特に注意しておきたいところです。

ボディコントロールモジュールの不具合で暗電流が増加する

今回、不具合が見つかったのはボディコントロールモジュールという電子部品です。

ボディコントロールモジュールは、車両のさまざまな電装品や制御機能に関わるコンピューターの一つです。

現在の車は、昔の車と比較すると電子制御されている部分が非常に多く、エンジンを停止している間も一部のコンピューターが作動しています。

例えばスマートキーの受信機能など、エンジンを止めていても待機しているシステムがあります。

このため、車の電源をOFFにしても、バッテリーから流れる電流が完全にゼロになるわけではありません。

これを一般的に「暗電流」と呼びます。

正常な車でも一定の暗電流は存在しますが、今回の不具合では、その電流が必要以上に流れ続けてしまうというのです。

原因は、ボディコントロールモジュールに誤った仕様のコンデンサーが組み付けられたこと。

これによって電源OFF後も過大な待機電流が流れ続け、バッテリーが放電してしまうおそれがあります。

厄介なのは、運転している間には異常に気づかない可能性があることです。

昨日まで普通に走っていたのに、翌朝エンジンをかけようとしたらセルモーターが回らない。あるいはハイブリッド車でパワーシステムが起動できない。

そんな症状につながる可能性があります。

整備士としても、こうした暗電流によるバッテリー上がりは厄介な故障の一つです。

バッテリーが上がってしまった車に新品のバッテリーを取り付ければ、とりあえずエンジンがかかるようになることはあります。

しかし、根本的に電気を消費している原因が残っていれば、またバッテリーが上がってしまいます。

暗電流を点検するときは、車両の各コンピューターがスリープ状態になるまで待ち、適切な方法で電流を測定します。

ドアの開閉やスマートキーの接近などによってコンピューターが起動するため、測定条件を整えないと正常な電流まで異常と判断してしまうことがあります。

正常な暗電流は車種や装備、測定条件によって異なるため、一律に何mA以下なら正常と決めつけることもできません。

今回のように、特定の電子部品が原因で待機電流が増えてしまう場合、バッテリー交換だけでは根本的な解決にならないということです。

冬が来る前に早めのリコール対策を!バッテリー交換だけでは直らない

今回のリコールで特に気になるのが、そのタイミングです。

10月も終わりに近づき、これから気温が下がっていきます。

一般的に鉛バッテリーは低温になると性能が低下し、エンジン始動時に必要な電力を十分に供給できなくなることがあります。

そこへ今回のような過大な暗電流が重なれば、バッテリー上がりのリスクはさらに高まると考えられます。

特に、普段あまり車に乗らない人や、短距離走行を繰り返す人は注意したいところ。

走行によって十分に充電できない状況で、駐車中にも電気が消費され続けるのはバッテリーにとって厳しい条件です。

そして、軽自動車のN-BOXやN-BOX CUSTOMまで対象になっている点も見逃せません。

軽自動車だから特別に危険という意味ではありませんが、通勤や買い物、子どもの送迎など、毎日の生活に欠かせない車として使われている方も多いと思います。

朝の通勤前にエンジンがかからない。出先から帰ろうとしたら始動できない。

こうした事態はできるだけ避けたいものです。

ホンダが発表している改善措置は、ボディコントロールモジュールを対策品に交換し、バッテリーを点検するというもの。

バッテリーに異常が確認された場合は、新品に交換することになっています。

つまり、不具合の原因となるモジュールを交換するだけでなく、すでに負担がかかっている可能性があるバッテリーについても点検する内容です。

リコール作業は無料で受けられます。

ただし、同じ車種でもすべての車両が対象になるわけではありません。

今回のリコールでは、製作期間や車台番号によって対象車両が限定されています。また、交換修理用として出荷された部品が組み付けられた車両も調査・改修対象となっています。

気になる方は、車検証に記載された車台番号を使ってホンダの公式サイトで確認してください。

すでにバッテリー上がりを経験している場合は、そのことも販売店へ伝えておくとよいでしょう。

僕自身、整備現場ではバッテリー上がりの相談を何度も受けてきました。

単純にバッテリーが寿命を迎えていることもありますが、車両側の電気的な不具合が原因になっているケースもあります。

今回のリコールは、まさにその一例です。

バッテリーを新品にすれば大丈夫だろうと考えて放置するのではなく、対象車両であれば原因となる部品の交換を受けてほしいと思います。

寒さが厳しくなる前に、一度リコール対象か確認し、該当する場合は早めにホンダ販売店へ予約を入れてください。

突然のバッテリー上がりで困らないためにも、今回のリコールは後回しにしないことをおすすめします。

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