車検がなんたるかをわかっていない、モンスターカスタマーが増えてきていると思う

ここの所増えてきたなと思うのが、いわゆるモンスターカスタマー。

モンスターカスタマーというのは、クレーマーに近いものもありますが目的が少し違うかなと。

例えば、車検で入庫してきたとき。

車検の項目って、点検記録簿に沿った内容を点検していきます。そして、保安基準に適合しない部位に関しては、修理をしないことには車検が通りません。

例えば、ゴムブーツの破れやジョイントのガタツキ。灯火類の破損など。

車検整備って、記録簿に沿って行えば自分自身でやってもいいんです。

自分で点検をした結果、きちんとした状態にあるとなれば、陸事に持ち込んで検査を受けてみる。

これはユーザー車検と呼ばれているものですね。

お客さんから車検をお願いされているという事って、根底にはその車を車検の検査に通すという事が目的にあるということ。

タイヤが駄目なら何か違うのはかせて検査を通せ!

モンスターカスタマーに多いのが、車検で通らない部位に関して、目をつぶれ!という人。

これは指定工場で検査をすることを知っているからかもしれませんね。

「お前のところの工場で検査するのなら、良かったことにして通せばいいだろう!」

と。

はたまた、タイヤの溝が足りなかったとき。

「お前の工場におんなじのあるだろ?検査する時かしてくれればいいだろ!」

と。

このやり取りって年間に数件はあります。

まず立場上それは絶対に不可能であるということを説明します。指定工場でそれをやったら不正車検です。不正車検=一発で営業停止になってしまう。

他の工場では何とかしてきたぞ!と言われると、想像するに認証工場で、自前のタイヤを履かせて陸事に持ち込んで検査をパスし、その後タイヤを履き替えたのかなと。

指定工場でそれは絶対にできません。

以上のやり取りをふまえて納得してもらえない場合、車両を即刻返すようにしています。しかし、モンスターカスタマーはそこから本社などにクレームの電話をしたりします。

もちろんその場合は匿名ですけどね。

車検工場として、車検に通る状態であれば、追加整備はオーダー制で問題はありません。

ブレーキパッドが2mmであっても、検査は通ります。半月後にブレーキパッドを交換してくれると約束してもらえるのなら、その旨を記録簿に記載して検査を通すことだってできます。

車検の基準で絶対に直さないと通らない部分以外は、柔軟に対応していますけど。

この手のお客さんって、最初からべらんめぇで来る人もいれば非常に賢い人もいます。

賢い人の方がとても厄介で、こちらに何か一つでも落ち度があればそこをすかさずついてきます。

僕がフロントをやっていたころ、納品書なども製作しましたが、突っ込まれる部位が凄いなと。

例えばエンジンオイル交換と伝票に打ちますよね?前回と数量が違うのは何故だ?という質問。

整備士は作業指示書に使った部品と数量を記載してきます。もちろん規定量以上請求するのはご法度です。オイルも完全に抜け切れるわけではないので、使ったであろう数量を記載してくる。

これが誤差として突っ込まれる。

例えばAという整備士はちゃんと調べて、規定量の数字を記載する。

Bという整備士はそこから実測で使った量を記載する。(若干少なめ)

この数量の違いをついてこられることがありました。言われていることはもっともなんですけど。

「お宅でやった作業ってのは、整備士の違いでオイルの請求量も違うんだな!それってクオリティとしてはどうなんだ?」

と。フロント業務に慣れていなかった頃に、こんな鋭い突っ込みを入れられて説明に非常に困りました。結局本社にクレームを入れられて始末書を扱いです。

それからはオイルの数値に関しては規定量ベースとして統一するようにしました。車って年式によってオイルの数量も変わることがあるので、最初に誤った数字を書くとそこから尾を引くので、最初の伝票ってすごく重要なんです。

実はこのオイルの数量に関しては、ディーラーでも問題になって整備振興会へクレームをいれた人がいました。その話は知っていたんですけど、もっと細かい部分でしたね。

全ての量を正確に!お店で統一をすることが大事

僕はクレーム対応もずっとしてきた人間なので、お客さんの車をいじる時はクオリティを会社で一番くらいに重視しています。

速さは後輩にはかなわなくなりましたけど、クオリティだけは負けないようにしています。

絶対守るのは、液量は全てぴったりに合わせる。下廻りの防錆を吹く時も、かなり神経を使って、いろいろな角度から何度も重ねて吹きます。

塗料がフェンダーなどに付着するなんて言う事は絶対ありません。必ず付着した汚れは落とすからです。

こういう所からクレームにつながると学んだからですね。

自社をエゴサーチして見ると、グーグルで口コミが出てくるんですけど、評価が今一歩なんですよね。

自分のサイトはエゴサーチしないけど、会社のエゴサーチはします(笑)

自分が整備士になりたての頃って、こんなに窮屈じゃなかったんですよね。もう今はギッチギチ。対応一つが即クレームにつながります。

多分こういうことをする人って、相当心に闇を抱えているのかどうなのか?

僕は自分がされて嫌なことは人にしないことにしているので、何かを任せる時はざっくばらんにかまえるようにしていますけどね。じゃないと相手に百パーセントのパフォーマンスなんか期待できなくなりますよね。

委縮されて。

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