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日記・戯言

月に数回しか乗らない車はどこが傷む?整備士が考える4つの故障リスクと予防法

車は乗らなければ傷まない。

そう考えている人もいると思います。

走らなければタイヤは減らないし、ブレーキパッドも摩耗しません。エンジンオイルだって汚れにくいはずです。

しかし、整備士として長年車を見てきた僕の考えは少し違います。

車は走りすぎても傷みますが、乗らなさすぎても故障します。

特に月に数回しか乗らない車や、数週間から数ヶ月放置される車には、特有のトラブルがあります。

僕が特に注意したいのは、バッテリー、ブレーキ、タイヤ、そして燃料の4つです。

1. 一番心配なのはバッテリー上がり

長期間乗らない車で、真っ先に心配するのがバッテリーです。

車のエンジンを停止していても、実は少しずつ電気が使われています。

時計やコンピューターの記憶、スマートキーの待ち受け、セキュリティシステムなどです。

これらが消費する電気を暗電流と呼びます。

さらに、バッテリーそのものにも自然放電があります。

毎日車を使っていれば走行中に充電されますが、月に1〜2回しか乗らなければ、消費した電気を十分に回復できない場合があります。

特に、久しぶりにエンジンをかけて近所のスーパーまで数分走るだけでは、始動時に使った電力を十分に取り戻せないことがあります。

そこで僕がおすすめしたいのは、可能であれば週に1回程度、30分ほど実際に走行することです。

ただし、車両やバッテリーの状態によって必要な充電時間は変わります。

長期保管する場合は、対応するバッテリー維持充電器を利用する方法もあります。

自分の車が何日くらいで放電するか気になる人は、Team MHOの便利ツールも参考にしてください。

バッテリー暗電流・放電シミュレーター

暗電流とバッテリー容量から、放電の進み方を理論計算できます。

2. 二番目に怖いのはブレーキの固着

僕が次に心配するのはブレーキです。

ブレーキは使えば摩耗します。しかし、使わない状態が長く続くと、今度は錆や固着が問題になります。

ディスクブレーキのローターには、雨や湿気で錆が発生します。

軽い表面錆なら走行中のブレーキ操作で落ちる場合もありますが、長期間放置すると腐食が進むことがあります。

さらに厄介なのが、ブレーキキャリパーのピストンやスライド部分、ドラムブレーキのホイールシリンダーの固着です。

こうした部分が動かなくなると、ブレーキが引きずったり、正常に制動できなくなったりします。

以前、長期間放置された車でホイールシリンダーが固着したケースも経験しています。

こうなると、単に車を走らせれば直るというものではありません。

分解点検や部品交換が必要になることがあります。

久しぶりに車を動かすとき、ブレーキが引きずる感触がある、異常な音が続く、焦げ臭いといった症状があれば、無理に走行しないでください。

関連記事:ドラムブレーキのホイールシリンダー交換時期と費用

3. タイヤにはフラットスポットができる

長い間、同じ場所に車を駐車しておくと、タイヤにも影響があります。

車の重さが同じ接地部分にかかり続けるため、タイヤの形状が一時的に変形することがあるのです。

これをフラットスポットと呼びます。

久しぶりに走り出したとき、タイヤがゴトゴトする、一定の速度で振動するといった症状が出る場合があります。

一時的なフラットスポットなら、タイヤが温まることで改善するケースもあります。

しかし、変形や損傷の状態によっては交換が必要です。

振動が続く場合は、無理に高速走行をせず、タイヤ販売店などで点検してもらいましょう。

また、車に乗らなくてもタイヤの空気圧は徐々に低下します。

最低でも月1回程度は、指定空気圧を確認したいところです。

タイヤ空気圧ゲージ

4. 燃料の劣化は相当長く放置した車で注意

燃料も長期間保管すると劣化する可能性があります。

CA320285

ただし、僕の感覚では、月に数回乗る程度の車で真っ先に心配する問題ではありません。

バッテリーやブレーキの方が、はるかに身近なトラブルです。

燃料の劣化を特に心配したいのは、何ヶ月も、あるいは年単位で放置されているような車です。

保管条件や燃料の種類によっても劣化の進み方は異なります。

古いガソリンでは、揮発成分の変化や酸化などによって始動不良が起こる可能性があります。

CA320281

さらに状態が悪くなると、燃料ポンプやインジェクターなどの点検が必要になることもあります。

長期間放置した車を再始動する際は、燃料の状態も確認してください。

月に数回しか乗らない車の管理方法

僕なら次のように管理します。

  • できれば週に1回程度、30分ほど走行する
  • 月に1回はタイヤの空気圧を点検する
  • ブレーキの異音や引きずりを確認する
  • バッテリーの充電状態を定期的に確認する
  • オイルやブレーキフルードは走行距離だけでなく経過期間でも管理する

なお、エンジンを数分間アイドリングさせるだけでは十分な充電ができない場合があります。

車を動かす前にブレーキの固着などが疑われる場合は、走らせずに点検を依頼してください。

車は適度に乗る方が調子を維持しやすい

長期間乗らない車で僕が特に心配するのは、最初にバッテリー、次にブレーキの固着です。

タイヤのフラットスポットにも注意が必要ですし、非常に長期間放置するなら燃料の劣化も考えなければなりません。

走らないから消耗しない。

これは半分正解ですが、半分は間違いです。

車は使わなくても時間とともに劣化する部分があります。

大切なのは、単に走行距離を少なくすることではなく、適度に動かしながら必要な点検を続けること。

それが、整備士として僕が考える車を長持ちさせる方法です。