長年の念願だったサービスを、ようやくスタートさせることができました。
MHO ENGINEERINGに、自動車整備士向けの整備データベースを実装しました。
TOPページの一番上に実装しています。ここから車種や型式をいれると必要なデータを閲覧できるようにしています。
これは、僕が現役の整備士だった頃から、ずっと実現したかったことの一つです。
整備士として働いていた時も、自動車検査員をやっていた時も、そしてサービスフロントを担当していた時も。
いつも思っていたのは、必要な整備データにもっと簡単にアクセスできないものか、ということでした。
目次
サービスフロントを担当していた頃、こんな苦情を何度も受けました。
「この間、車検をやったばかりなのに、スパナマークがついたぞ!」
「ちゃんと点検したのか?」
車検を終えて、お客さんに車を引き渡す。
ところが1ヶ月ほど経過すると、メーターにメンテナンスを知らせるスパナマークが点灯する。
整備そのものは終わっているのに、メンテナンス表示のリセットができていなかったわけです。
お客さんからすれば、当然不安になりますよね。
「車検を受けたのに、なぜ点検を促す表示が出るんだ?」
僕もフロントとして、こうした問い合わせや苦情を何度も受けてきました。
単一メーカーを扱うディーラーなら、まだ対応しやすいと思います。
扱う車種がある程度限られていますし、メンテナンスリセットの操作方法にも共通点があるからです。
しかし、僕が働いていた会社のように、国内のさまざまなメーカーの車を取り扱う整備工場では事情が違います。
メーカーが違えば操作方法も違う。
同じメーカーでも、車種や年式、メーターの仕様によって手順が違うこともある。
すべてを整備士の記憶だけに頼るのは、現実的ではありません。
どうしてもヒューマンエラーが発生してしまいます。今ではずいぶん良くなってきましたが、初めての車とかだとやはりリセットする方法があるのか?と探る必要が出てきます。
問題はメンテナンスリセットだけではありません。
例えば、エンジンオイル交換。
整備士が作業を終えて、作業指示書に使用したオイル量を記入します。
ところが、同じ車なのに整備士によって記載する量が違うことがありました。
オイルフィルターを交換したのか、していないのか。
そもそも、その車のメーカー指定量を正しく把握しているのか。
こうした違いが、現場では起こります。
もちろん、整備士には経験があります。
経験豊富な人なら、ある程度のオイル量や粘度を把握しているでしょう。
しかし、新型車が入庫してきたらどうでしょうか。
初めて触るエンジンだったら?
今まで取り扱ったことのないメーカーだったら?
経験だけでは対応できません。
その場で正しい情報を確認できる環境が必要なのです。実際僕は新型車の新車1ヶ月点検などが入ってくる時、事前にWEBの取扱説明書を読んでデータを予習していました。
自動車整備士には、FAINESという整備情報を調べられるサービスがあります。
僕も現役時代に利用していました。
非常にありがたいサービスですし、専門的な整備情報を確認するためには重要な存在です。
ただ、現場で仕事をしていて感じていたこともあります。
欲しい情報にたどり着くまでに、時間がかかる。なんならブラウザによっては表示しにくいメーカーもある。
例えば、知りたいのはエンジンオイルの交換量だけ。
あるいは、ホイールナットの締付トルクだけ。
キーレスの電池がCR2032なのか、それとも違う型番なのか。
たった一つの情報を調べたいだけなのに、資料を探して、車種を選んで、該当ページを探して……。
整備工場では、こうした小さな調べ物が一日に何度も発生します。
その時間を、もっと短縮できないだろうか。
スマートフォンを取り出して、車名や型式を入力するだけで、必要な数値がすぐに表示される。
そんなサービスがあれば、どれだけ便利だろう。
僕はずっとそう考えてきました。
構想を練り始めてから、何年経過したのか。
ずっとやりたかったのですが、なかなか実現できませんでした。
データベースを構築する技術も必要ですし、メーカーごとの整備情報を収集して整理する作業も必要になります。
個人で運営しているブログに、そこまでの仕組みを作るのは簡単ではありませんでした。
しかし、今は状況が変わりました。
ChatGPTやClaude CodeといったAIを活用できるようになったからです。
もちろん、有料のサービスを利用しています。毎月AIだけに数万円課金しています。もはやこれはAIエージェントを雇うためのお金で必要経費だと割り切ってます。
それでも、これまで自分一人では実現できなかった仕組みを、ようやく形にすることができました。
AIにプログラムの構築を手伝ってもらい、メーカーの公式取扱説明書から整備情報を収集し、確認したデータを整理する。
そして、MHO ENGINEERINGから誰でもアクセスできるようにする。
まだ始まったばかりですが、長年の構想がようやく動き出しました。
今回実装した整備データベースでは、次のような情報を扱っていきます。
特に力を入れたいのは、メンテナンスリセットです。
車種によって操作方法が違ううえ、普段あまり入庫しない車の場合、手順を忘れてしまうこともあります。
車検や点検の最後に、スマートフォンでリセット方法を調べる。
そのまま操作して、表示が消えたことを確認する。
そんな使い方をしてもらえるデータベースに育てていきたいと思っています。
また、情報の正確性も大切です。
掲載する整備諸元は、原則として自動車メーカーが公表している公式取扱説明書などを根拠にし、車種・型式・年式・仕様を確認できたものから公開していきます。
出典も確認できるようにしていきます。
AIが勝手に予想した数値を掲載するつもりはありません。
今後、最も力を入れるのは新型車です。
発売されたばかりの車は、当然ながら現場での整備経験が少ない。
整備士も検査員もフロントも、初めて入庫してきた車の情報を調べる必要があります。
だからこそ、メーカーが取扱説明書を公開した段階で、できる限り早く整備データを収集していきたいと思っています。
新型車、フルモデルチェンジ車を優先し、直近2〜3年に発売された車種についても順次さかのぼって登録します。
もちろん、過去の人気車種についても少しずつ増やしていく予定です。
整備データベースは、MHO ENGINEERINGのトップページから検索できるようにしました。
車名や型式を入力すると、登録済みの整備データを探せます。
公開初日ということもあって、掲載している車種や項目はまだまだ少ないです。
すべての車種、すべての整備項目がそろっているわけではありません。
それでも、確認できたデータは順次追加していきます。
少しずつ車種が増えれば、いつか現場で本当に役立つデータベースになるはずです。
これまでMHO ENGINEERINGでは、僕が経験した整備や故障の事例を中心に発信してきました。
記事数もずいぶん増えました。
もちろん、それらの記事も今後は残していきます。
でも、これからのMHO ENGINEERINGは、単に僕の整備経験を読むためだけのブログではなくなります。
極端な話、別に僕の稚拙な記事を読みに来なくても結構です。
エンジンオイルの量が知りたい。
タイヤの指定空気圧を確認したい。
車検が終わったので、メンテナンス表示をリセットしたい。
そんな時にだけアクセスしてもらっても構いません。
むしろ、それが僕の望んでいた使い方です。
忙しい整備士が、仕事の途中でサッと調べられる。
検査員が、確認したい数値をすぐに見つけられる。
フロントが、お客さんへの説明や作業内容の確認に利用できる。
そんなサイトにしていきたいのです。
僕自身、現場で何度も困ってきたからこそ、必要性を強く感じています。
何年も前から作りたかったものが、AIの力を借りてようやくスタートしました。
ここからが本当の始まりです。
MHO ENGINEERINGは今後、自動車整備士が実際の仕事で使えるサービスへとシフトしていきます。
データは毎日少しずつでも増やしていくつもりです。
まだ未完成のデータベースですが、ぜひ活用してください。
そして、いつか整備工場で誰かが、
「ちょっとMHOで調べてみよう」
と言ってくれるようになったら。
それが、僕にとって何よりうれしいことです。まだ十数台からのスタートですけど、データの裏付けが取れたものから実装していきます。活用してください。
MHO ENGINEERING 整備データベース
※掲載データは車種・型式・年式・仕様によって異なる場合があります。実際の整備作業では、対象車両とメーカーの最新資料を必ず確認してください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。