バッテリー弱くてエンジンがかからない!本当の原因はどこにある?

お客さんから娘の車のバッテリー、弱くてエンジンがかからないから修理してくれ。という依頼。

ロードサービスでレッカーされてきて、確認したらこんな感じでした。

車はヴィッツです。

うわ・・・確かにバッテリーが弱いのかもしれないけれど、この緑青は・・・。

そもそもプラス側端子が割れていますね。

これはダメですね。なんでこんなことになるのか?

バッテリー端子に付着している青い粉はなんなのか?

バッテリーの端子(ターミナル)付近に発生する緑色や青緑色の粉状の物質は、「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる銅の錆(酸化生成物)です。

発生する主なメカニズムと原因は以下の通りです。

1. 発生のメカニズム

バッテリーの端子や車体側のターミナル金属には、導電性の高い(または銅合金)が使われています。

  1. 希硫酸ガス(バッテリー液)の漏れ出し バッテリー内部には電解液として「希硫酸」が入っています。充放電時(特に過充電時や高温時)に、バッテリー内部で発生した硫酸ガス(化学気体)が、端子の極小な隙間や通気孔から外へ少しずつ漏れ出します。
  2. 金属(銅)と化学反応を起こす 漏れ出した硫酸ガスや水分(空気中の湿度など)が、端子部分のと化学反応を起こします。
  3. 塩基性硫酸銅(緑青)の結晶化 この反応によって「塩基性硫酸銅」という緑〜青緑色の物質が作られ、端子の表面に粉を吹いたように付着します。

2. 主な発生原因

  • 端子カプラーやシール部の劣化 年数が経つと、バッテリー本体と金属端子の根元にあるゴムパッキンやシール材が劣化し、隙間から硫酸ガスが抜けやすくなります。
  • 過充電・オルタネーター(発電機)の不調 過充電状態になるとバッテリー液が著しく沸騰・ガス化し、内圧が上がってガスが外に押し出されやすくなります。
  • バッテリー自体の寿命・劣化 充放電能力が落ちた古いバッテリーは、化学反応に伴いガスが発生しやすくなります。
  • 湿気や水分 大気中の水滴や湿気が化学反応をさらに促進させます。

3. 放っておくとどうなるか?(リスク)

  • 接触不良によるエンジン始動不可 緑青は電気をほとんど通さない絶縁体です。端子とケーブルの間に挟まると抵抗になり、セルモーターが回らなくなったり、電圧が下がって電装系が不安定になります。
  • 金属パーツの腐食・破損 強酸性の性質を帯びているため、放置するとターミナル金具やボルト、周囲の金属プレートをどんどん腐食させ、最悪の場合は金具が千切れてしまいます。

実際にこの車両の場合、プラス端子が割れてしまっています。

4. 除去・対処方法

  • お湯で洗い流す(簡単かつ効果的) 緑青(塩基性硫酸銅)は熱湯に溶けやすい性質を持っています。端子外側(または外したターミナル)に熱湯をかけると、みるみる溶けて落ちます。 ※車体にかける際は、周囲の電装部品やオルタネーターに水がかからないよう保護してください。
  • ワイヤーブラシで研磨 お湯で流した後、金属ブラシやサンドペーパーで端子の金属面を磨き、通電性を復活させます。
  • 防錆処理(接点グリス・防錆スプレー) 清掃後は、再度ガスや空気に触れないようグリス(ターミナル保護グリスや接点グリス、ワセリン等)を薄く塗っておくことで、発生を長期間防ぐことができます。

※頻繁に大量の緑青が発生する場合は、バッテリー自体の寿命(ガス漏れ)やオルタネーターの過充電の可能性が高いため、バッテリー交換や充電系統の点検をおすすめします。

結局このヴィッツは端子を新品とバッテリーを新品に交換しました。

緑青は触ると体に良くないので、気をつけてください。

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