
エンジンオイルを交換してもらったばかりなのに、エンジンからガラガラ、カタカタという異音がする。
そんな症状が出たら心配になりますよね。
オイル交換前は正常だったのに、交換後から異音が出るようになった。
こうなると、オイル交換の作業に何か問題があったのではないかと考える人もいるでしょう。
僕は長年自動車整備士として働いてきましたが、オイル交換直後に新たな異音が発生したという故障事例そのものについては、直接経験した記憶がありません。
ただし、オイル交換作業に関係する危険な場面を目撃したことがあります。
同僚がエンジンオイルを入れないままエンジンを始動してしまったのです。
今回は、その経験も交えながら、オイル交換後に異音が発生した場合の原因と対処方法を解説します。
1. エンジンオイルの量が不足している
まず最優先で確認するのが、エンジンオイルの量です。

エンジン内部には、クランクシャフトやカムシャフトなど、金属同士が高速で動く部品が数多くあります。
これらを保護しているのがエンジンオイルです。
オイル交換時に適正量まで注入されていなかった場合、油圧が確保できず、潤滑不良を起こす可能性があります。
また、ドレンボルトやオイルフィルターの取り付けに問題があり、オイルが漏れてしまうことも考えられます。
ただし、オイルの量が正常でも油圧異常が発生する場合があります。
赤い油圧警告灯が点灯したり、明らかな金属音が発生したりしている場合は、すぐに安全を確保してエンジンを停止してください。
異音を確認するために何度も始動するのは危険です。
2. オイルフィルターの問題
オイル交換と同時にフィルターを交換していた場合は、こちらも確認対象になります。

フィルターの取り付け不良によるオイル漏れ、適合しないフィルターの使用などが考えられます。
また、車種やフィルターの構造によっては、オイルの保持状態や油圧の立ち上がりが始動直後の音に影響する可能性もあります。
ただし、フィルターを交換したから異音が出たと決めつけてはいけません。
適合品番や取り付け状態、油圧などを確認して判断する必要があります。
こちらも現場で見たことがありますが、VWのポロでなんかエンジンの異音するよなって。完成検査していたんで、整備していた整備士に聞いてみたらオイルとフィルターしか変えてないと。
調べてみたらオイルフィルターのパッキンが古いのも残っていて、重なっていたんです。オイルこそ漏れてこなかったけど、エンジン音が変わっていたのはびっくりしました。
3. オイルの粘度や規格が合っていない
エンジンには、メーカーが指定するオイルの粘度や規格があります。

例えば0W-20指定の車に、性質の大きく異なるオイルを使用すると、エンジンの作動状態に影響する場合があります。
特に油圧を利用する可変バルブタイミング機構やラッシュアジャスターなどは、オイルの状態が重要です。
ただし、粘度が変わっただけで必ず異音が出るわけではありません。
指定規格を満たしているか、実際にどのオイルが入れられたのかを確認する必要があります。
4. 交換前からエンジン内部が摩耗していた
オイル交換後に異音が出たからといって、必ずしもオイル交換が原因とは限りません。

もともとエンジン内部に摩耗や不具合があった可能性もあります。
例えば、タイミングチェーンのテンショナーや油圧式ラッシュアジャスターなどです。
油圧や潤滑状態の変化によって、以前から存在していた異音が目立つようになることも考えられます。
また、補機類のベアリングなど、オイル交換とは直接関係のない部分が偶然故障した可能性もあります。
原因を判断するときは、作業内容だけでなく、実際の異音の発生場所を確認することが重要です。
5. オイルを入れないままエンジンを始動した経験
以前、整備工場で働いていたときのことです。

同僚がエンジンオイルを抜いたあと、新しいオイルを入れないままエンジンを始動してしまったことがありました。
エンジンが回り始めたのですが、次第に音色が明らかにおかしくなってきました。
これはまずい。
そう感じて、僕はすぐにエンジンを止めるように伝えました。
オイルのない状態でエンジンを回すと、金属同士の潤滑が不足し、重大な損傷につながる可能性があります。
この経験から、オイル交換は単純な作業に見えても、一つの確認不足がエンジンを壊しかねないと改めて感じました。
なお、この事例でエンジン内部にどの程度の損傷が発生したのかまでは、ここでは断定できません。
オイル交換後に異音が出たらどうする?
もし交換後に明らかな異音が発生した場合は、以下の点を確認したいところです。

- 赤い油圧警告灯が点いていないか
- エンジン下部からオイルが漏れていないか
- オイル量が適正か
- 交換したオイルの粘度・規格は適合しているか
- 異音がいつから発生したのか
ただし、強い異音や油圧警告灯の点灯がある場合は、エンジンを止めた状態で整備工場に相談してください。
オイルを補充しただけで再始動すると、内部損傷を広げるおそれがあります。
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DIYでオイル交換する場合、オイルの規格だけでなく、工具や消耗品の選択も重要です。

ドレンボルトの締め付けトルク管理や、オイル注入後の量の確認を忘れないようにしましょう。
とくにドレンをなめないように要注意
まとめ
オイル交換直後に異音が発生したら、まず潤滑不良を疑う必要があります。

オイル量の不足、オイル漏れ、フィルターや油圧の問題など、確認すべき場所はいくつもあります。
僕自身、同僚がオイル未充填でエンジンを始動してしまった場面を経験しました。
あのとき、音が変わり始めた時点で止めるように伝えたことは今でも記憶に残っています。
エンジンの異音は、原因を探すために回し続けてよいものではありません。
特にオイル交換直後の異音なら、まずエンジンを保護することを最優先にしてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。


