車のエアコンが効かなくなったとき、故障を区別するための順番

夏になると毎日のようにエアコン修理の依頼が舞い込んできます。その中で純粋にエアコンが故障している車はどのくらいあるか?

統計をきちんととったわけではありませんが、7割程度だと感じます。残りの3割はなんなのか?というと、エアコンとはちょっと違った原因になります。

もしエアコンが効かなくなったら、どのような順番を踏むべきなのかを解説します。

エアコンの風はでているかどうか?

まず最初です。エアコンのスイッチを入れて、マニュアルエアコンだったら風量のダイヤルやノブを回します。このときに風がでてくるかどうか?

たまにあるケースですが、エアコンが効かないと言われて入庫した車。なるほど納得。こりゃエアコン効かないや。エアコンだけじゃなくて暖房も効かないけどねという原因。

それは、ブロアモーターが回らなくて風が出ない。エアコンのシステムがちゃんとしていても、風が出なければそりゃダメです。

原因はブロアモーターが壊れていたり、レジスタがダメになってる。さらにはヒューズが飛んでいたりスイッチがダメだったり、配線が断線していたり。

エアコンが効かない理由として、

「風が出るかどうか」

これはまず一つ目のポイントです。

コンプレッサーは回っているか?

風がちゃんと出ているのなら、次に確認すること。それはコンプレッサーがちゃんと駆動しているか?

エアコンのスイッチを入れて風のダイヤルを回すと、耳をすましていると

「カチ」

という音がして、電動ファンが回り出す。そしてコンプレッサーが駆動します。この音があるかどうか?

もしスイッチを入れても「カチ」という音がしなければ、コンプレッサーが駆動していない可能性があります。エアコンコンプレッサーが駆動しないとどうやったって冷たい風は出てきません。

スイッチを入れたときに「カチ」という音がするかどうかです。もし音がしなければ、スイッチの不良、コンプレッサーの不良。配線の不良。ガス不足などの原因が考えられます。

DIYでとりあえず確認ができるのがここくらいまで。このあとは整備士や業者の出番になります。

ガスが減っているかどうか?

エアコンのガスっていたずらに補充してはダメ。昔のようにレシーバ部分にサイトグラスがある車なら、目視でエアコンガスの量がなんとなくわかりました。

ですが今の車はサイトグラスはついていません。エアコンガスの量って車によって定められた量がはいっています。その量を超えて補充するとどうなるか?

これは圧力が上がりすぎて、強制的にコンプレッサーの駆動をカットする制御が入ります。エアコンの効きがいまいちだよなーとかっていって、いたずらにエアコンガスを補充するとこのパターンに陥ります。

外気温とエアコンの風の温度差を測ってみて、10度以上下がっていればエアコンはとりあえず効いていないわけではありません。

ただ冷えない理由がガスなのかどうかはゲージマニホールドを当てて、圧力を測りながら判断していく必要があります。

最初からガス漏れをしていることがわかってる車ならば、ガスの補充はありです。それ以外の場合はいたずらにガスを入れるのは避けたほうが無難です。ちゃんとした電装業者に見てもらいましょう。

エアコン修理の第一歩は?

エアコン修理の第一歩は、やはりガスの補充からになります。この場合できれば真空引きをして規定量のガスと蛍光剤を流し込む。

これにより、ガスは規定量入ります。もし漏れてきたとしても蛍光剤を一緒に封入しておけば漏れている場所が特定できます。

すぐに漏れて来ない場合もあります。そういうときは、一旦車を返して次にエアコンが効かなくなるまで待ちます。再入庫したときに漏れた箇所を確認する。

エアコンガスの漏れはリークテスタでもある程度はわかりますが、微量な漏れになるとリークテスタでは反応しないこともしばしば。そういうときは蛍光剤をいれるという手法をとります。

エアコン修理の第一歩は蛍光剤とガスを規定量入れるところから始まります。一発で解決できることはなかなかないので、2回に分けて修理をすることがほとんどです。

エアコンガスの補充はちゃんとした工場に依頼しましょう。僕がガスと蛍光剤を入れるときは明らかに効きが悪い車両に流し込みます。そのときもある程度効きが復活する程度までしか入れません。

エアコンガスの量は、真空引きをして規定量の補充をしない限りわからないからです。

ご参考までに。

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