マツダ車でヒーターが効かなくなる故障の対処法!デミオやCX-3などスカイアクティブG全般

ここの所頻繁に発生している故障について。

内容はヒーターが効かなくなるというものです。この症状については実際に対処法があり、何台か修理ができたので記しておきます。

対象車はマツダのスカイアクティブGを搭載している車両。

デミオやCXシリーズのガソリン車ですね。症状は、ヒーターが効かなくなるというもの。

今回入庫してきた車はデミオでした。

このデミオはマニュアルエアコンです。最初に症状を確認したら、確かにヒーターが効かない。OBD診断機をつないで、水温をモニタリングしましたが、エンジンが完全暖機になっているのに効かない。

そしてたまに効いたと思ったら、また効かなくなる。こんなことの繰り返しでした。

マニュアルエアコンなので、温度調整や風向、風量などはダイヤルで選択します。

このヒーターコントロールユニットはどうなのかと点検したら問題なし。

ヒーターコントロールのワイヤーにも問題なし。リンク機構はきちんと端から端まで動いている。

ヒーターコントロール自体には問題はなしと断言できる感じです。

冷却系統にエアが混入しているのかと、入念なエア抜きを施してみました。

しかし症状が変わらず。水温は安定している。

ここからは冷却系統やヒーター系統の詰まりを点検する必要があります。

サーモスタットを外して、点検しましたがちゃんと作動していました。ただし値段はさほど高い部品ではないので、純正新品に交換。

サーモスタットを交換して、冷却ラインに水を流してしばらく洗浄を繰り返したのち、組み上げましたが症状の改善が完ぺきではない。

ある程度までは良くなりましたけど。この時点で翌日持ち越し。

とりあえず状況を整理。

・マニュアルエアコンであるということ

・特に複雑な機構ではない

・サーモスタットは交換

・冷却ライン、ヒーターラインを洗浄した

・エア抜きも入念に行った(デミオのエア抜きはそんなに難しくもない)

・エンジンの水温はちゃんと安定!オーバーヒートやヘッドが抜けているという事はなし

以上の事を試したけど、症状が少しだけよくなったものの改善しない。ここでいろいろと操作をしているとあることに気が付きました。

ヒーターコントロールをガチャガチャと動かしていると、症状が直ってヒーターが効くことがあった。

ヒーターが効いているあいだは問題なく効いている。その後、エアコンスイッチなどを押したりすると、その時点でまたヒーターが効かなくなる。

ヒーターが効かなくなった後、ヒーターコントロールをガチャガチャ動かしているとまた効くようになる。

エアコンのスイッチと何かが連動して、その部分がデフォルトまで戻らなくなるのか?いずれにしろここから先はヒーターコアを分解してみないとわからないかもしれない。

ヒーターコアASSY分解、交換の概算見積もりをお客さんに伝え、この費用を上限としてとりあえずもう少し時間をもらいました。

この時点でわかっていることは、ヒーターコアASSYの中で何かが起きているという事。おそらくヒーターコアをASSYで交換すれば直ることはわかっています。

ヒーターコアをクエン酸で洗浄せよ!

駄目でもともとで、とある手法を試してみました。

それはクエン酸を使ってヒーターコアをフラッシングする手法です。この技は家庭の掃除でも使いますが、強力な水垢を落としてくれます。

推測できるのは、ヒーターコアが物理的に詰まっているということくらいしか考えられない。

たまにヒーターが効くようになるのは、きいてるときだけ水垢がクーラントを遮らない場所で安定しているから。

エンジン回転を上げて水流が強くなると、水垢が移動してまた詰まる。こんな事くらいしか考えられない。

ヒーターコアを交換すれば直るだろうけど、現物を修理できるかどうか?最後の望みをクエン酸フラッシングにかけてみました。

家にあったクエン酸。

そして家のお風呂の残り湯を組みだすポンプを使用。

バケツにぬるま湯を作って、クエン酸を入れてよくかき混ぜ半日以上ずーっとポンプでフラッシングしました。

半日かけて入念にフラッシングをしたのち、とりあえず水を入れて試してみたらなんと!直っています。排出されていた水には、やはり水垢がどんどんと出てきていたので間違いなかったです。

あれだけヒーターが効かなかったデミオが直りました。

あとで調べてみたら、マツダ車のスカイアクティブGを搭載しているエンジンに同じトラブルが多発しているというのです。

マツダでも内部情報としてクエン酸を使ったフラッシングを試してみろということで、技術情報が通達されているらしい。

これって、最初から手段を知っていればだけど、そうでなければ間違いなくヒーターコアを交換する整備士がいると思います。ただし、この手段を使ってもだめならヒーターコアを換えるしかない。

ヒーターコアを換えれば、直るのは間違いないことが分かりました。

フラッシングは道具さえあればホースを2本外す位なので、それほど手間ではないので。

マツダ車でヒーターが効かなくなった車は、コアを交換する前にヒーターコアをクエン酸洗浄してみてください。

ぼくが試した割合は5Lのバケツに60度前後のお湯を入れて、クエン酸を20g位混ぜたフラッシング剤を作ってみました。

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