ガソリン水抜き剤は今の車にも必要なのかを検証してみた結果

自動車整備士になる前、ぼくはガソリンスタンドで働いていました。ガソリンスタンドではガソリン以外から収入を得るために、油外商品の販売推進を必死にやっています。

その中で最初???だった商品が、

「水抜き剤」

というものでした。水抜き剤って何?1本100円ちょっとで売れて、とてもお手軽。さらには結構な確率で皆さん買ってくれる。

この水抜き剤というもの、その効果はどうなのか?今の車にも入れる必要があるのか?その辺を詳しく検証していきます。

水抜き剤というものは何?

水抜き剤というものは、そもそもなんなのか?これはそのまんまです。燃料タンクに注入して、燃料タンク内に溜まった水分を燃料と混ぜて、エンジンで燃やしてしまうものです。一般的に水抜き剤って主な成分がイソプロピルアルコールです。水とガソリンを混ぜ合わせてくれるものとイメージすると簡単です。

でも密閉されているガソリンタンクになんで水が溜まるのか?素朴な疑問ですよね。これは冬に車のガラスが曇るのを思い出してもらえるとわかりやすいです。内外の温度差が発生すると、結露が発生します。冬など家の窓ガラスも結露ができますよね?

あれと同じことが燃料タンク内でも起こっています。なので、一定期間置いておくと確かに燃料タンクの中に水分が溜まっていくわけです。

これら溜まった水分を水抜き剤でガソリンと混ぜて、一緒に除去しようというのが水抜き剤の目的です。

昔のタンクは金属製・今のタンクは樹脂製

昔使われていたガソリンタンクは金属製でした。金属製だとやはり使っていくと錆びてくるんです。外側が錆びてきているものは、車検時にシャーシブラックなどを塗装して錆をある程度防ぐことができます。

しかし、燃料タンクの中から錆びてくるのは困ります。実際に燃料タンクが錆びてしまうと、その錆が燃料ポンプを詰まらせてエンジンがかからなくなるなどのトラブルが発生します。

燃料タンクの中が錆びてしまうと、燃料ラインを詰まらせる原因になる。このことから水抜き剤の重要性が言われてきました。

ただ、今の車は金属製のガソリンタンクでない樹脂製のものを採用しているメーカーもあります。従来通り金属製の燃料タンクを使い続けてる車種もあります。樹脂製のタンクは錆びることはないので、金属製のタンクよりは神経質になることはありません。

今の車に水抜き剤は必要か?

それではここから本題です。今の車に水抜き剤って必要なのかということ。これには個体差があるのですが、僕自身は定期的に入れたほうがいいと考えます。

前提となるのが前述した金属製のガソリンタンクを備えているタイプ。やはり内部からガソリンタンクが錆び付く可能性はゼロではありません。1本100円ちょっとで買える水抜き剤でそれが防げるのなら安いもの。

毎回給油時に入れる必要はありません。年に1回程度でいいから季節を決めて入れるのがいいかなと。個人的には秋頃がいいんじゃないかなと考えます。理由は梅雨が終わって、夏の雨・台風が終わる頃です。この頃になると雨は少なくなってくるので燃料タンクに堆積した水分をリセットする意味合いも込めて入れる。

フルサービスのガソリンスタンドを利用していれば、店員さんがシーズンに勧めてくれます。大体梅雨の時期が多いですかね。その時にいれてもいいですし。

ぼくはこちらの商品を買って入れています。家にクルマが二台ありますし、値段もお手頃。水抜き剤以外の効果もあります。

樹脂製タンクに水抜き剤は必要ない?

それでは金属製のガソリンタンクじゃない、樹脂製タンクには水抜き剤を入れる必要はないのか?というと、これもNOと答えます。

その理由は、水抜き剤を入れないとガソリンタンクの水分が堆積していきます。ガソリンと水では比重が違うので、水は下の方へ堆積していきます。

ある一定以上の量になれば、比重が違うとは言え走行しているGなどにより撹拌されると想像できます。撹拌された水混じりのガソリンをポンプが吸い上げれば、エンジンは一瞬でも息継ぎを起こしたり空燃比が狂うことだって考えられます。これは極論ですけどね。

それらを防ぐためにも、樹脂製タンクであっても水抜き剤を入れる効果は0ではない。定期的に入れる意味合いはあります。

まとめると 水抜き剤よりもトリートメント剤をオススメ

最後にまとめてみます。

・水抜き剤は必要か、不要か?これは必要である。

・樹脂製タンクでも水抜き剤は必要か?入れたほうがいい。

・ガソリンタンクに水分を入れないようにするにはどうするか?常にガソリンを満タンにする癖をつけること。

・水抜き剤を入れるならトータル性能を持ってるトリートメント剤など添加剤をオススメ。

せっかくお金を払って、水抜き剤などを買うのであれば、トータル的に燃料系統をリフレッシュ出来る添加剤の方がおすすめです。

ぼくは年に1回ガストリートメントを入れます。その他に、インジェクターなどの燃料ラインを洗浄するために、インジェクタークリーナーも入れます。

ガソリンを安売りの時に入れる癖をつければ、年間コストでこういった添加剤を買ってもチャラになります。必要以上に入れることはありません。

燃料ラインのメンテナンスって、ホースの交換やフィルターやポンプの交換くらいしかありません。定期的なメンテナンスと考えるとこういった添加剤をたまに入れるしかないのでオススメします。

補足ですが、台風被害などにあった車には水抜き剤を入れるようにしています。やはり内部に水が入った痕跡が見られるクルマがありました。