リビルトエンジンを載せる手順

エンジンが壊れてしまった時、安心で安価に修理するにはリビルトエンジンという、再生したエンジンに載せ換える作業が今の主流です。中古のエンジンは素性が心配で当たり外れがあるということで、保証のついたリビルトエンジンを載せるのは当たり前になりつつある作業です。

そのリビルトエンジンを載せ換えるために付属してくる説明書がなかなか勉強になるので紹介します。

rebuilt-engine1

搭載前

仕様、形状や傷などを確認します。マウントやオイルパンの形状も確認する

エンジンはいろいろな車に使い回されています。もしかしたらオイルパンの形状が違っているなんてこともありえるということですね。

rebuilt-engine2

搭載時

冷却系統の清掃・点検

ラジエターの清掃をすること。ウォーターホース類の劣化も点検します。サーモスタットは新品に交換することが望ましいとされています。冷却水は適正な濃度のものを使用すること。電動ファンのスイッチなど動作確認をします。これらはオーバーヒートを防ぐためです。

マニホールド、配管部分の清掃点検

インマニやエキマニ、オイルクーラー及び配管に異物が入っていないか点検、清掃します。

ブローしたエンジンから付け替える必要があるわけですが、ブローしたエンジンのメタルピースなどが混入している可能性が高いので、マニホールドや配管類はきっちりと洗浄してから取り付ける必要があります。

キャブレター、点火時期の調整

おそらくキャブ車は少なくなってきていますがきちんとコンディションを整えておかないと燃調次第ではエンジンが破損してしまいます。点火時期も同様です。きちんとマニュアルに従って点火時期を調整すること。

オイル・オイルフィルターの取り扱いについて

オイルはメーカー指定もしくは同等グレードのものをきちんと使用すること。オイルフィルターは取り付ける前に、中身をオイルで満たした状態で取り付けるようにする。また、搭載後500km以内で最初の交換を行うこと。

エアクリーナーは新品に交換

ダストの侵入はシリンダーやリングに摩耗を起こします。新品のエアクリーナーに交換しましょう。

クランクケースベンチレーションシステムの点検をする

いわゆるPCVバルブの点検です。バルブやホースが詰まっていると、クランクケースの内圧を上げてしまい、オイル消費が増えたりオイルシールよりオイル漏れを誘発します。載せかえ時のオイルトラブルはほとんどここが原因になってくるのできちんと洗浄や交換をしましょう。

フライホイール、クランクプーリーの点検

フライホールとクランクプーリーは規定トルクで締め付けること。なお、フライホイールの摩耗を点検。取り付けボルトに液体ガスケットなどを塗布する必要があるかどうかをマニュアルを参照して指示にしたがうこと。クランクプーリーとオイルシールの接触面を点検する。プーリーが摩耗していたらオイル漏れの原因になるので、摩耗しているプーリーは新品に交換する。

ターボ付きの車両はターボ本体の点検も十分に行うこと

以上が搭載時の注意事項です。

搭載後

1、スタート前にオイルの量の点検をきちんと行うこと。

2、ハイテンションコードやコイルのカプラーを外した状態でスターターを回し、オイルプレッシャーが上がることを確認すること。

3、冷却水が隅々まで行き渡っているか点検する。完全にエア抜きを行うこと。

4、エンジン回転はアイドリングにて10〜20分暖機して、水温、油圧などを確認。

5、各部水漏れやオイル漏れがないか確認

rebuilt-engine3

ロードテスト

適度な距離を時速40kmくらいで、エンジンに負荷を与えないようにテストします。

ロードテスト後、サイド水、オイル、燃料漏れがないかを点検します。

最初のオイル交換は500km走行時にオイルとオイルフィルターの交換をおこなうこと。

以上がリビルトエンジンに記載されている説明事項になります。

現在の車には慣らし運転は必要ないといわれてきています。それは機械の加工精度が昔に比べてはるかに上がったということがいわれていますが、リビルトエンジンを載せるにはこれほどの注意書きが存在します。

これを読んでいると、まだまだ慣らし運転は必要なんだろうなと思わざるを得ません。

特に新車での最初のオイル交換はやはり早めに行うことが望ましいでしょう。そのときにオイルフィルターもできれば一緒に交換するのがいいですね。

リビルトエンジンの説明書について解説してみました。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする