スバル フォレスターとクロストレック379台に改善対策。Pレンジに入れても車が動く可能性

スバルのフォレスターとクロストレックに改善対策が発表されました。

今回の内容、対象台数だけを見ると379台とそれほど多くありません。

しかし整備士目線で内容を読むと、個人的にはちょっと気になる不具合です。

なぜなら、

最悪の場合、シフトをPレンジに入れてもパーキングロックが効かなくなる可能性がある

というものだからです。

2026年9月24日、SUBARUから国土交通省へ改善対策の届出が行われています。

対象となるのは、

  • フォレスター
  • クロストレック

の2車種、合計379台です。

原因はトランスアクスル内部

今回問題になっているのは、トランスアクスル内部にある「インターミディエイトケース」です。

製造時に使用する鋳造金型のメンテナンスが適切ではなかったため、パーキングポウルを支持する部分にクラックが発生しているものがあるとされています。

パーキングポウルというのは、簡単にいうとATやCVT車をPレンジに入れたときに、内部のギヤを機械的にロックするための部品です。

シフトレバーをPへ入れると、このパーキングポウルが噛み合い、車が動かないようにしています。

今回、そのポウルそのものではなく、ポウルを支えている部分にクラックが発生する可能性があるということです。

その状態で使い続けると支持部が破損し、最悪の場合、Pレンジに入れてもパーキングロック機能を失うおそれがあります。

「Pに入れたから大丈夫」が通用しなくなる可能性

整備士としてこの内容を見て一番気になるのはここです。

AT車に乗っている人の多くは、

「Pに入れれば車は動かない」

と思っています。

もちろん通常であればその認識で問題ありません。

しかし今回の不具合が実際に発生すると、Pレンジへ入れていてもトランスミッション内部で車輪をロックできない可能性があります。

例えば坂道に駐車した際、Pレンジだけに頼っていたとします。

パーキングロックが機能しなければ、条件によっては車両が動き出す危険があります。

ここで改めて重要になるのがパーキングブレーキです。

Pレンジとパーキングブレーキは、同じものではありません。

Pレンジはトランスミッション内部で車輪につながる機構をロックするもの。

パーキングブレーキはブレーキ側で車両を保持するものです。

普段から駐車時にはPレンジだけに任せず、パーキングブレーキも確実に使用することが大切です。

特に坂道ではなおさらです。

対策は全車点検。クラックがあればトランスアクスル交換

今回の改善措置では、対象となる全車両についてトランスアクスルを点検します。

そしてインターミディエイトケースにクラックが確認された場合、

トランスアクスルを良品へ交換

するという内容です。

これはかなり大掛かりな対応です。

エンジンオイルやセンサーを交換するような話ではありません。

トランスアクスルASSYそのものの交換となれば、一般整備で考えれば部品代も工賃も相当なものになります。

もちろん改善対策の対象車であれば、ユーザーが通常の修理代として負担するような話ではありません。

対象になっている人は、メーカーや販売店からの案内を確認して、早めに対応してもらうのがいいでしょう。

対象379台だからと軽く見ない方がいい

今回の対象台数は379台です。

数万台、数十万台規模のリコールに比べれば非常に少なく感じます。

ただし、不具合というものは対象台数だけで重要度を判断できません。

今回問題になっているのは、

「駐車した車を機械的に保持する機構」

です。

実際にクラックが入っている車両が何台存在するのか、そして実際に破損まで至る確率がどの程度なのかは、この届出だけでは分かりません。

しかしメーカーが全車点検し、クラックがあればトランスアクスル交換という措置を取っていることからも、対象車であればきちんと点検を受けておくべき内容だと思います。

改善対策とリコールは同じではない

ちなみに今回は「リコール」ではなく「改善対策」として届け出られています。

ニュースなどでは何でも「リコール」とまとめられがちですが、制度上は区分されています。

ただ、ユーザー側からすれば、

「自分の車が対象なのか」

「何をしてもらう必要があるのか」

を確認することの方が重要です。

国土交通省でも、対象車両については販売店や届出者への問い合わせ、メーカーの検索ページなどで確認するよう案内しています。

整備士として思うこと

今回のような不具合を見ると、改めて思うことがあります。

車というのは、当たり前に使えている機能ほど、故障したときの影響が大きいということです。

エンジンがかからなければ、多くの人はすぐに異常だと分かります。

警告灯が点けば、何かがおかしいと気付きます。

しかし、

「Pレンジに入れたから車は動かない」

というのは、多くのドライバーが疑うことすらない機能です。

だからこそ、こうした改善対策が出たときは対象台数が少なくても確認しておいた方がいいと思います。

フォレスター、クロストレックに乗っている方は、まず自分の車が対象かどうか確認してください。

そして対象であれば、案内を後回しにせず点検を受けることをおすすめします。

また今回の件とは関係なく、駐車するときは、

「Pレンジ+パーキングブレーキ」

を習慣にしておく。

昔から当たり前に言われていることですが、今回の改善対策を見ると、その意味がよく分かる事例だと思います。

整備士25年目にして、本を出しました!今までの整備についていろいろ書いているのでぜひ読んでみてください。

整備士25年で見てきた 車を壊す人・長持ちさせる人

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