スカイアクティブXは何故高い?欧州より日本でほぼ見かけない理由は何?

2019年の11月に日本でスカイアクティブXがデビューしました。

ガソリンエンジンなのに、ディーゼルエンジンのように圧縮着火を成功した世界初のエンジンとして非常に注目されました。

ただ、2022年の4月になりましたが、僕はまだスカイアクティブXを搭載した実車をみた事がありません。

うちの会社でもマツダ3やCX-30を何台も販売していますが、1台たりともスカイアクティブXを載せた車は売れていません。

最初から言われていたことですが、スカイアクティブXは何故日本で普及しないのか?

それは価格が高すぎるという事に尽きると思います。通常のガソリン車と比べると、なんと70万円近く高い価格設定になっています。

日本以外の欧州では、スカイアクティブXは4割程度普及しているようです。何故欧州で選ばれて日本で選ばれないのか?

それも価格です。欧州では通常のガソリン車である、スカイアクティブGの2Lにはマイルドハイブリッドが搭載されている為、日本のガソリンモデルよりも高いのです。

つまり、通常のスカイアクティブGとスカイアクティブXの価格差は欧州では30万程度になります。

日本のスカイアクティブGにはマイルドハイブリッドがつかない為、欧州よりも安い。その為スカイアクティブXとの価格差が70万円にも及んだということです。

それを置いたとしても、スカイアクティブXとはどんなエンジンなのか?もうちょっと詳しく書いてみます。

SPCCIを成立させるスカイアクティブXは、複雑なメカニズム

スカイアクティブXの一番凄いところは、ガソリンエンジンなのにディーゼルエンジンのように圧縮着火を実現させていることです。

普通のガソリンエンジンは、燃料と空気を混ぜた混合気に対してスパークプラグで火をつけて爆発させます。

ディーゼルエンジンはスパークプラグを持たないで、圧縮時の熱を利用して自己着火させています。

スカイアクティブXは、スパークプラグで火を飛ばしもしますが、条件が揃えばディーゼルのように自己着火もさせているのが特徴です。

ただし、そのメカニズムが複雑なために、ガソリンエンジンには本来つかない補機類がついています。

・スーパーチャージャー

昔をさかのぼれば、スーパーチャージャーを付けていたエンジンはあります。ただ、スカイアクティブXは補機類としてスーパーチャージャーを備えています。

パワーを出すためではなくて、より多くの空気を入れるために取り付けられています。

・高圧燃料ポンプ

スカイアクティブXは直噴エンジンなので、燃料をより高圧にするためのポンプがついています。きめ細かい噴射をするためには必須の補機類です。

・GPF

GPFと聞くとわかりづらいですが、DPFと聞くとピンとする人はいると思います。クリーンディーゼルの触媒と同じで、PM除去を目的とした触媒です。

さらにISGとMハイブリッドバッテリ、DCDCコンバータなどを実装しています。

これらをひっくるめると70万円差になってくると。

スカイアクティブXはスパークプラグの交換も、かなり細かい指定があります。おそらくは電極の位置を確実にそろえて、燃焼をスムーズにする為なんだと思います。

スカイアクティブXの予想される今後とのトラブル

さすがに新車で70万円の価格差が出てくると、普及しにくいことはわかりましたね。

では、しばらくしたら中古車が出回ってくると思いますが、スカイアクティブXで考えられるトラブルは何か?

これはスカイアクティブDと同様で、ススがたまることが懸念されます。

ディーゼルのDPFより稼働時間は少ないといわれているので、GPFの交換はあまりないかもしれませんが、壊れたら高価な部品であることは間違いない。

ある程度使い込まれてくると、交換が必要になる部品も高額です。

ススと触媒が一番心配ですよね。

そもそもスカイアクティブXと、Mハイブリッドシステムって直接結びついていなくてもいいシステムです。燃費を稼ぐ為にMハイブリッドがあるので。

ただし、それを組み合わせないとカタログ燃費が、いうほどいいわけじゃないのでマツダとしては価格アップになるけどセットするしかなかったんでしょうね。

いずれにしろ、第二世代のスカイアクティブXが開発されているのなら、もうちょっと装備を簡素化して普通のガソリンエンジンとの価格差を30万位におさめないと、日本では厳しいかもしれません。

YouTubeでMHOちゃんねるも毎週金曜日の20時に動画を配信してるので、良かったらチャンネル登録お願いします。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする