三菱3G83エンジンのクーラントエア抜きは要注意!オーバーヒートしているエンジンが多い

三菱が長年にわたって軽自動車に載せてきた3G83という3気筒エンジンがあります。ミニカ、EKワゴン、トッポ、ミニキャブ、タウンボックス。OEMの日産ではオッティやクリッパー、クリッパーリオなどが該当します。

この3G83エンジンですが、軽自動車のエンジンながら、エンジンの振動を抑えるためのバランサーシャフトを搭載しているなどで、長年三菱の軽自動車に積まれ続けてきました。

3G83エンジンにダイレクトイグニッションシステムが組み込まれた時から、少し腑に落ちない故障に何度か遭遇したことがあります。

それはどんな故障かというと、エンジンを停止した後に、停止したエンジンから水が流れる音がするんです。新車であってもです。

初代EKワゴンが出始めた頃で、何が起こっているのか調べたことがあります。

水が流れる音は燃焼室にクーラントが流れている音

新車のエンジンから、エンジン停止後になんで水が流れる音がするのか?不審に思って、ラジエターリークテスタで、冷却系統を加圧してプラグを外して燃焼室を観察したら、まさかでした。

燃焼室内へクーラントが流れ込んできたんです。水が流れる音がする3G83は、プラグが青っぽいものが付着していたので、クーラントが燃えていたんでしょう。

そんなこんなで、気が付いたものは三菱に相談して載せ替えをしてもらったりしました。

3G83はエア抜きがちょっと難しい

三菱の3G83エンジンですが、ウォーターポンプなどを交換したときや、単純にクーラントを交換した時ってエア抜きが難しいんです。

普通にラジエターキャップにクーラントファンネルを装着してのエア抜きだけでは、不十分です。

三菱もとうとう冷却水作業時の注意事項として、注意喚起を発表しました。

内容は正確なエア抜きの方法です。

ポイントはシリンダーブロックドレーンプラグを外すかどうかです。ここを外さないでエア抜きをすると、内部にエアが残ってオーバーヒートする可能性があります。

3G83でオーバーヒートしている症状とは?

では、このエンジンでオーバーヒートしている場合、どんな症状がでるか?

紛らわしいのは、ヘッドが飛んでクーラントが燃焼室へ流れ込んでしまい、プラグを失火させるケース。

エンジンが不調になり、失火でダイレクトイグニッションとプラグを間違って交換する整備士がいますが、根本的に失火の原因はコイルやプラグではありません。

燃焼室にクーラントが入り込んでしまう、すなわちヘッドが飛んでいるからです。

失火するとダイアグを拾ってチェックランプを点灯させるので、間違える整備士がいます。朝一番の始動性が悪かったり、失火してるはずのエンジンがふかし上げていると治っちゃたりするのはヘッドが怪しいです。

もちろんクーラントが規定量入ってるかどうかのチェックはすること。

僕も何度か3G83のヘッドを降ろして載せ替えたり、エンジンを載せ替えたりしましたが、比較的抜けやすいのが2番シリンダーでした。

急にクーラントが噴きだす症状もあります。

普通にエンジンが回って、冷却水が管理できているかと思えば、たまにクーラントが噴きだす症状もありました。

電動ファンが回ってないからか?などと思いがちですが、実はヘッドが飛んでいるんです。

3G83搭載車も軒並み10年超えなので、スーパークーラントが入っていたとしてもクーラントは交換時期にきています。

クーラントの交換時はきちんとエア抜きをしないと駄目です。

実はオーバーヒートに弱いエンジンなんです。

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