タイヤのネジを外した瞬間にネジが折れる絶望感・・・なぜ発生するのか?

本日も遭遇しました。管理ユーザーではない一見さんがタイヤ交換でご来店されたので、作業をしていたところ・・・

ノーマルタイヤを外そうとしたらポキっと折れてきたハブボルト。

この時点で、来店・まちでの作業20分コースから、部品取り寄せの半日コースへと変わりました。

他の4本はすんなりと外れてきましたが、この1本だけは全く緩まないなと思った瞬間にあっけなく折れました。

今年も各地でタイヤ交換後のトラブルが発生しています。

どうしてこのようなことが起きるのか?

タイヤ交換でハブボルトに問題が出る原因は?

タイヤのネジは日本車の多くは車体側のハブボルトとホイールナットを結合するタイプです。

最近のトヨタ車は外国車のように締結力の強いボルトのみでの締め付けに変更されてきています。

もし雄ネジ側であるハブボルトに問題が発生したら交換しないといけません。

交換には分解整備ができる認証・指定工場じゃないと技術があっても作業ができません。

そして今回の車両はまだ交換がしやすい方でしたが、ボルトを交換する隙間がなければフロントハブを脱着する必要が出てきて、相当な費用がかかります。

ではなぜハブボルトに問題が発生するのか?原因はいくつかあります。

・既定トルクでホイールナットを締め付けていない

・過去にオーバートルクでナットを締め付けていて、ボルトやナットのねじ山が伸びている

・前回タイヤ取り付け時に異物を噛み込んだ状態でネジを締め付けている

・錆による原因

・ホイールにナットが適合していない状態で使い続けている

考えただけでもこのくらいは出てきます。一番はトルク管理が良くないというところ。そして、異物の噛み込みも多いです。

タイヤをハブにつける時、ホイールなどについているゴミがねじ山に付着しやすくなります。

ネジを締めていく時はいいんですが、一度異物が噛み込むと外す時に引っかかってしまい今回のように折れてしまいます。

まだ折れてしまった方が交換は簡単です。最悪なパターンは、ハブに打ち込まれてるハブボルトもホイールナットと一緒に共回りしてしまう時。

こうなったらいかんともしがたく、ナットをグラインダーで削って外すと言った荒技をしないといけなくなります。

どうすればいいのか?

トルク管理をきちんとすること。タイヤを交換した後は100kmほど走って増し締めをすること。タイヤ脱着時にクリップボルトとナットをパーツクリーナーで洗浄してから組むこと。

ホイールにあったナットを使うこと。

この辺を徹底すれば、ほぼ防げると思います。

他の整備士もあまりやってないことですが、僕はタイヤを全数外した段階で全てのホイールナットとハブボルトをパーツクリーナーでネジ山を洗浄します。

ネジをみると割と毛羽立っていたりするものがあるので、洗浄してからの組みつけって結構有効です。変な潤滑剤は使わないこと。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする