エンジンルーム内でエンジンをふかすことができるメリット

僕が免許取り立ての頃、ガソリンスタンドでアルバイトをしていました。

ガソリンスタンドで働いていると、油外から利益をあげないとなかなか厳しいので、アルバイトながらいろいろな推進をさせられました。

その時に店長に教えてもらったのは、オイル交換と洗車。あとはワイパーの交換ですね。ガソリンスタンド3種の神器とも言えるお勧め商品です。オイル交換は上抜きオンリーでした。

店長以下、先輩スタッフたちがエンジンルーム内で車のエンジンをふかすんです。それを見て???となりました。手品?

なんで室内に人がいないのに、エンジンの回転がグイングインと上がってるのって。

前置きが長くなりましたが、エンジンルーム内でエンジンを吹かすことができる車について。

僕が冒頭で述べた、エンジンルーム内でエンジン回転をグイングインとあげることができる車は基本的に一昔前の車になってきます。

今の車で同じことをやろうとすると、スロットルが壊れます。そのあたりの説明からしてみます。

エンジンルーム内でエンジン回転をコントロールできるのは、基本的にアクセルワイヤータイプの車です。

エンジンのエアクリーナーから吸気ダクトをたどっていくと、スロットルバルブにたどり着きます。

スロットルバルブにワイヤーがかかってるもの。これがアクセルワイヤー。

アクセルペダルとスロットルバルブをワイヤーで物理的に接続しています。

アクセルペダルを踏むとワイヤーが引っ張られて、スロットルを開く。これによってエンジン回転が上がる仕組み。機械式の装置ですね。

ではどのようにエンジンルーム内からエンジンをふかすのか?

アクセルワイヤーに繋がっているスロットルのバタフライにリンクしてる部分を、ワイヤーにかわって手で動かす。

すると、アクセルワイヤーが引っ張られたのと同じ動きになる為、エンジン回転が上がるというわけです。

エンジンルーム内でエンジン回転を調節できるメリット

エンジンルームでアクセル開度を調節できるメリットは何か?

これは整備士側からいうと、いろんなメリットがあります。

例えば、ある一定域のみエンジンから異音が聞こえるという場合。どうしますか?

こういう診断の場合、室内に一人人間がいてアクセルを調整。エンジンルームで診断をする人間の二人必要になります。

ですが、エンジンルーム側でエンジン回転をコントロールできれば一人で診断ができる。しかも足でアクセルを調節するより指先で微妙にコントロールする方が、より細かい動きを再現できます。

続いて考えられるメリットは、クーラントのエア抜き作業ですね。

エア抜きをする時ってちょっとエンジン回転をいじりたい時がでてくるんです。スピルフリーファンネルなどがつかえれば問題ないんですけど

エア抜きをして最後にキャップを締める時って、エンジン回転を若干ふかしながらだと冷却水がこぼれなくていいんです。

エンジン内に吸い込まれる瞬間にキャップができる。

こういう細かい小技を昔やよく使ってました。

今の車がエンジンルームで回転を調節できない理由

理由は簡単です。

今の車の多くはアクセルワイヤーを使っていないからです。

アクセルワイヤーを使っていなくて、どうやってスロットルを開けているのかというと、モーターです。

スロットルバイワイヤと呼ばれていて、アクセルペダルに可変抵抗のセンサ。そしてスロットル側には電子制御スロットル。

アクセルペダルの可変抵抗値に応じてECUが演算して、電子スロットルの開度を決めてモーターを開かせる。

これを電子的に行ってる為、エンジンルーム内側で調節することができません。たまに、アクセルワイヤーが繋がってる半電子制御スロットルも見かけますが、基本的にいじってはいけません。

ワイヤーが繋がってるからといって、手でスロットルを開いたりすると特性がずれたりする。スロットルの学習は専用診断器などがないと難しくなってきています。

なので、エンジンルーム内でエンジン回転をふかすことができたのは平成10年代前半。後半以降になると電子制御スロットルが登場してきています。

いかにも整備士!っていう魔法の技は今は使えなくなってしまいました。

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