整備士の経験と勘

自動車整備において、経験と勘というものはかなり大事なウエイトを占めてきます。
先日も、全くマニュアルを入手することが出来ない車両のタイミングベルトの交換を行いました。
そこで役に立ったのは経験と勘。それだけでした。
知り合いの業者が、とにかく急いでいる。すぐにタイベルを換えてくれ。という依頼を持ちかけてきた。部品は全部揃えてあったそうで、情報を教えてもらおうにもディーラーは休みの日。しかもやったことがないエンジン。
加えて新技術。これは一体どうしたものか・・・。

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ある程度の自己責任を負ってもらうということで、作業を了解しました。
知り合いということで仕方なく引き受けざるを得なかった。自己責任として提示したのは締め付けトルクなどがきちんとした値ではないであろうということ。
日整連のHPをみて検索しても、そのエンジンは出ていなかった。
しかたないので、その一つ前のエンジンを参考に締め付けトルクを自分でアレンジして交換するはめになりました。
恐らく、今回のこの車両のエンジンは一つ前のレイアウトと全く同じ。つまり、一つ前のエンジンを改良して電子制御を密にされている。ということで前のエンジンなら何度かタイベルを換えたことがあった。

相違点としては、前のエンジンはテンショナーがスプリングで張りを与えるタイプ。
しかし今回の新型エンジンになると、オートテンショナーを使っている。逆に、オートテンショナーであれば張りに気を使う必要はない。あとは、合いマークがどこだか明らかになっていないけれどベルト自体にマーキングを施し、それを新しいベルトにトレース。これをすれば圧縮上死点が明らかでない場合でも交換が可能になります。まあ大体クランクの辺りをみるとソレらしきマークがある。それをあわせてカムも大体の位置になければもう一回転させればそこが圧縮上死点となるはず。

とまあ、経験と勘というものは窮地に追い詰められたとき、どれだけ自分の引き出しにいろいろなものが詰まっているか?それらを試すときなのかもしれませんね

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