サイドブレーキを引きっぱなしで走ってしまったトラックを点検した結果・・

お客さんの車が車検で入庫して、ご用命に

「サイドブレーキを引きっぱなしで走っちゃったんだよ」

というものがありました。車検のときはサイドブレーキの残量もちゃんと点検するのですが、これはなかなかすごいことになっていました。

車は2tトラックです。乗用車のサイドブレーキはワイヤーやモーターを使って後輪のブレーキを効かせます。しかしトラックになると、運転席から後輪までワイヤーを引き延ばすのもいまいちなのか、ミッションの後方にサイドブレーキ用のブレーキを1つ備え付けています。

これをセンターブレーキと言います。今回の2tトラックもこのセンターブレーキの話です。

センターブレーキを分解するにはプロペラシャフトを外します。

そしてそこにドラムブレーキがついている。この1つのドラムブレーキでミッションをロックしてサイドブレーキとしています。

トラックってディーゼルエンジンなのでトルクが太い。少々サイドブレーキを戻し忘れていても気がつかないで走っちゃう気持ちもわかります。

それではご覧ください。

センターブレーキのドラムに2本線で深い傷が入っているのがわかります。これは明らかに何かがずーっとドラムに接触していた証拠です。

ブレーキシューなのか、なんなのか?

問題のセンターブレーキシューもものすごく偏った減り方をしています。

左側のシュー。下の部分は残量がほとんどない。おそらくこの地金がドラムブレーキを傷つけたんでしょう。

ディスクブレーキで表現すると、ブレーキパッドが終わった状態で使い続けてブレーキローターを削ってしまったのと同じ状態です。

こうなってしまえばブレーキシューとドラムを両方交換する必要があります。ただシューだけ交換すれば車検に合格するだけの制動力は出るでしょう。

ですが万が一を考えればドラムも交換するのが無難です。

サイドブレーキを引きっぱなしで走ってしまったらこのような結果になっていました。

大体こうなる前に気がついて戻しますけどね。サイドを戻さないで走ると、ブレーキが引きずるのでブレーキシューの表面がツヤツヤになって焼けてしまいます。

表面自体の成分が炭化しかかってしまうので、交換をお勧めします。

ブレーキはケチってはいけません。問題があると事故につながるもしくは自分の人生を大きく狂わせてしまいますから。

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