寒い冬にあえて硬いオイルをいれたらどうなるか?デメリットの方が多くお勧めできない理由

もうじき寒い冬が到来します。冬に備えてオイル交換をする人は、できれば粘度を柔らかめのものを入れるほうがお勧めです。

もし、冬に硬いエンジンオイルを入れたらどうなるのか?

車の説明書を見てみると、自分が乗っている車に使えるオイルのグレードや粘度の記載があります。

例えば0W-20と5W-30といった具合です。

冬が到来するのであれば、0W-20をチョイスするのがお勧めになります。

冬に硬いエンジンオイルを入れたらどうなるのか?

ここからが本題で、冬に硬いエンジンオイルをいれたらどうなるのか?

デメリットがいくつかありますが、メリットは1つだけ。真冬にサーキットランなど相当なスポーツ走行をする予定があるのであれば、暖機運転をいつも以上にしっかりとするという条件を付ければ油膜がしっかりしているということ。

逆に、デメリットは何か?

まず、オイルの粘度が抵抗になって始動性が悪くなります。ここでいう始動性というのは、セルモーターの負担が増えるという意味です。

冬にオイル交換をオーダーされて、エアーでジョッキにオイルを移そうとするといつも以上に時間がかかります。

冬でただでさえオイルが硬くなっているからです。ミッションオイルの交換などは、オイルを暖めてから入れるようにしないと時間がかかって仕方がない位。

いつも以上に硬いオイルを入れると、それだけオイルが抵抗になりセルモーターにかかる負担が相当になります。極端な話、低粘度オイルなら始動できるエンジンでも、硬いオイルを入れると、エンジンに火が入るまでセルが回せない可能性もあります。

そして、低温流動性が悪いため、各部に油圧がかかるまで時間がかかる。いわゆるドライスタート気味になるという事です。柔らかいオイルならすぐにオイルポンプでオイルギャラリーに回っていきます。

しかし、硬いオイルだと各部へオイルが供給されるまで時間がかかります。油膜がしっかりしているが故に、ドライスタート気味になってしまう。

そして、油圧が正常に立ち上がるまで時間がかかるということ。ラッシュアジャスター搭載のエンジンで試してみるとわかりますが、冬ってただでさえエンジンのメカニカルノイズが大きくなります。

油圧が正常に立ち上がってくるまで時間がかかるからです。

硬いオイルを入れるとさらに時間がかかります。エンジンがカタカタ言ってる間に、無理やりアクセルを開けたりすると、エンジンに相当な負担がかかってくる。

このように、寒い冬にあえて硬いオイルを入れるのはデメリットの方が目立ってきます。

スポーツカーでも柔らかいオイルが充填されている

トヨタからWRCを戦うためだけに作られたGRヤリスという車が作られました。

ハイブリッドカーのヤリスをベースにはしていますが、もはや別物の車です。ハイパワーのラリー専用車といっても過言ではない車です。

そんなGRヤリスに充填されているオイルはなにか?

トヨタ純正モーターオイル SP 0W-20— API SP/RC, ILSAC GF-6A, SAE 0W-20

100%化学合成油のトヨタ純正オイルです。

しかしながら粘度は0W-20です。今や高性能なスポーツカーであっても、0W-20という低粘度オイルを使っています。

ベースオイルがきちんとした合成油なので、熱にも強くフリクションロスを低減させてエンジンの性能をめいっぱい引き上げています。

ハイパワーのエンジンですら低粘度オイルなので、今のエンジンにあえて硬いオイルを入れる理由は見つからなくなってきます。

冬には柔らかいオイルを入れたほうが車にとってもやさしいのは間違いありません。

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