エアコンの効きが悪くなったらスタンドでガスを補充?安易にガスを補充してはいけない理由は

夏日が多くなると増えてくるのがエアコン修理の依頼。

毎日のようにエアコン修理が入ってきます。よく聞くのが

「エアコンの効きが悪くなったからスタンドでガスを入れてもらおう!」

というものです。

僕も整備士になるまではなんとなくそうだと思っていましたが、想像以上にカーエアコンって奥が深いです。安易にガスをチャージしてはいけない理由がはっきりと存在します。

エアコンが効かない時、観察してほしいポイント

まずエアコンが効かないなぁと思ったら、修理を依頼する前にちょっと観察してみてください。

最初に確認してほしいことは、エアコンのスイッチを入れたときに

「カチッ」

という音がして、エアコンコンプレッサーの駆動音が聞こえてくるかどうかという点。エアコンが効く大前提として、コンプレッサーが動かないと話になりません。

コンプレッサーが動かないとただの送風になってしまいます。スイッチを入れてコンプレッサーの駆動音がするかどうかを確認してください。

コンプレッサーが駆動しない理由は?

もしエアコンスイッチをONにしてもコンプレッサーが駆動しないのは何故か?

コンプレッサーが駆動しない理由は主に3つ。コンプレッサー本体が壊れている。コンプレッサーに電気がいかない。ガスが完全に抜けている。

この中で軽症なのが、コンプレッサーに電気がいかないというもの。原因の多くはマグネットクラッチリレーの不良です。

意外とマグネットクラッチリレーを交換すると、びっくりするくらい簡単に治ることがあります。

コンプレッサ本体が焼き付いていれば、スイッチをONにしたら、ベルトが急にスリップして相当大きなベルト鳴きを発生したりします。

そしてそもそもガスが入ってないとコンプレッサはONになりません。

ガスが入ってるかどうかは、チャージバルブをマイナスドライバーなどで押してみて

「プシュッ」

となるかどうかで判断が付きます。ガスがプシュッと出てこなければ完全に抜けているので、普通にガスチャージができません。

エアコンガスをいれても問題ない場合

エアコンのガスを入れてもいい場合と、入れてはいけない場合があります。

入れてもいい場合は、コンプレッサーがONになっているけど冷たい風が出てこない場合。サイトグラスがあれば目視できますが、サイトグラスがない場合、どの位ガスが残ってるかがわかりません。

その場合、少しずつチャージして冷えていくかどうかを試していきます。ガスチャージで冷たくなるようなら、途中蛍光剤を流し込んで応急的に使うことが可能です。

次回使えなくなった時に、ガス漏れしているところが蛍光剤でわかるので、単純にガスチャージをしないで蛍光剤を流し込んでおくことが重要です。

ただのガスチャージだけだと、大元の原因がつかめないので必ず蛍光剤を流しておく事。

ガスチャージをしてはいけない場合

エアコンガスって、規定の量が決まっています。

よくお客さんにガスが減ってるからチャージしてほしいと言われます。その後、どの位入りました?と質問されることが多いです。

そもそもエアコンガスって、どのくらい残っているかってわからないものなんです。

ガスをいれてはいけないパターンとして、エアコンコンプレッサーがON・OFFを頻繁に繰り返す時です。

コンプレッサーがONで保持しないでON・OFFを繰り返す場合って、何か原因があります。よくあるパターンが、圧力が上がりすぎている時。

規定以上のガスが入ってると、圧力が上がりすぎてコンプレッサーを保護するためにOFFにします。コンプレッサがOFFになってる時間が長くて、エアコンが効かないのに無理やりガスを入れると逆効果になります。

エアコンガスの補充は出来れば真空引きから

エアコンガスって、量が決まっています。

そして、残っている量がわかりません。なので本来なら一度ガスを抜いて規定量を蛍光剤を入れて補充するのが正解のやり方です。

これならば圧力が上がりすぎるということもありません。

ただし真空引きができるポンプをもっていないとできません。コンプレッサーが駆動していれば、ガスを補充することは可能です。それだと入れすぎる可能性もでてきてしまう。

コンプレッサーが駆動していないと、真空引きをしないとガスチャージはできません。

きちんと真空引きからガスチャージをしてくれるお店なら心配ありませんが、単純にガスだけを補充する場合は注意が必要なところがここにあります。

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