2020年度燃費基準でCAFE方式採用!燃費のいい車をたくさん売ってないメーカーはピンチになる

2020年になりました。2020年ということで、自動車業界が抱える問題である燃費基準について考えてみたいと思います。

経済産業省と国土交通省が2020年度に定めた燃費基準は1リットルあたり20.3kmです。

今までも〇〇年度燃費基準というものが存在してきました。この2020年度はちょっと風向きが変わってきています。と、いうのも欧米において採用されている企業平均燃費方式を日本も採用するからです。

このCAFE方式というものは一体何か?

CAFE 企業平均燃費方式

CAFEとはCorporate Average Fuel Efficiencyのことです。直訳すると企業別平均燃費基準ということになります。

どんな基準か?すでに欧州やアメリカで採用されていますが、ポイントとなるのは車種別の燃費基準ではないということ。メーカー全体で、出荷台数を加味した平均燃費を計算して規制をかける方式です。

トヨタでいうと、今度出るヤリスはハイブリッドはべらぼうに燃費が良いです。かたやスープラといったスポーツモデルも存在する。

もし、車種別に燃費基準を設けるとなるとスープラは非常に厳しいです。ですが、CAFEだと企業別平均燃費基準となるのでトヨタ全体で算出するので問題なくなる。

燃費がべらぼうにいいヤリスは、かなりの台数売れるでしょう。対してスープラは買う人って限られています。小数台数しか販売は見込めない。だけど燃費もいまいち。

スープラが燃費が悪くても、販売する台数がまず少ないということ。燃費がいいヤリスがCAFEの平均燃費自体を底上げするので大丈夫であるということです。

ある意味柔軟な戦略を練ることができるわけです。

ちなみに国交省のHPによると2020年度燃費基準の対象車両は、

揮発油、軽油又は液化石油ガスを燃料とするもので、乗車定員9人以下及び乗車定員10人以上かつ車両総重量が3.5トン以下の乗用車

と記載されています。

燃費のいい車を持っていないメーカーは・・・

ここで困ったことになるのが、燃費のいい車を持っていないメーカーです。ぶっちゃけて挙げてしまうとスバルがまずヤバい。

2020年度燃費基準は1リッター20.3kmです。今スバルが売ってる車って、登録車であればほぼ同じ水平対向エンジン。軽自動車のOEMも販売してますがいずれにしろ厳しい。

1リットル20.3kmを超えてこないといけないわけです。CAFEが採用されて、仮に燃費が悪い車があったとしてもいいんです。ですが、それをカバーできる抜群に燃費のいい車がないとそもそも成立しません。

スバルで燃費のいい車は何か?ハイブリッドのあるXVでJC08モード20.4km/lとなっています。ハイブリッドでギリギリクリアといったところですね。

その他の車種に至っては、現行モデルはほぼ2020年燃費基準をクリアできていません。2020年度から車種がすべて一新されるのであれば納得できますけど、現実的にかなり難しい問題ではないかと。

ちなみにEVやプラグインハイブリッドはどうなるか?これは基本的には2020年度基準の対象外となります。

しかし、CAFE値がCAFE基準値の90%を超える製造事業者等については、電気自動車等の電力消費効率(電費)を燃費に換算し、CAFE値の算定に加えることができる。

とされています。基準値90%まで達成できてるメーカーはEVも特例としてCAFE値に換算していいよーということになります。つまりギリギリ達成厳しいメーカーで、EVを持ってるからその数値をプラスして達成しよう!ということができるわけですね。

でもこれができるのはEVを持ってるメーカーじゃないとまず話になりません。三菱などは例えばこれに当てはまるかなと。日産は技術を持ってるのでCAFE基準値を達成できると思います。

トヨタは余裕で日産、ホンダも技術でクリアしてくるでしょう。燃費が良くなるということはユーザーにとってメリットが大きいわけですが、ここにきて自動車メーカーもかなりの転換期を迎えてきているなと実感しました。

この先の燃費基準を達成できないメーカーは、業務提携などで生きながらえていくしかないかもしれないですね。

しかし、提供された技術だけで車を作っても従来のお客さんが納得しない。なんとも難しい問題です。

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