昨日の夜、娘がお風呂へ入ろうとしたところ、ゴキブリが出たと騒ぎながら部屋へやってきました。

猫を連れて退治に向かったものの、そのときにはすでに姿がありません。
さらに今朝になると、今度は妻が玄関でゴキブリに遭遇しました。
家の中なら家具を動かしたり、殺虫剤や捕獲器を使ったりできます。
しかし、これが車内だったらどうでしょうか。
ゴキブリを見つけたものの、ダッシュボードやシートの下へ逃げ込んでしまった。
そのまま見失ったら、気になって運転どころではなくなる人もいると思います。
もし走行中に再び足元へ出てきたら、驚いてペダル操作を誤る危険もあります。
今回は、車内でゴキブリを見つけたときの注意点を考えてみます。
目次
走行中に出ても急ハンドルや急ブレーキはしない
車内でゴキブリに遭遇したとき、最優先するべきなのは駆除ではありません。

車を安全に止めることです。
突然ゴキブリが足元へ出てきても、追い払おうとして足を大きく動かしたり、下を向いて探したりしないでください。
急ハンドルや急ブレーキをかければ、ゴキブリ以上に危険な事故につながります。
ハザードランプを点灯し、周囲の安全を確認しながら、駐車場など安全な場所へ移動します。
車を止めてパーキングブレーキをかけてから、ドアを開けて対処してください。
高速道路上では、ゴキブリを探すために路肩へ安易に停車するのも危険です。可能であればサービスエリアやパーキングエリアまで移動します。
車内は意外と隠れる場所が多い
ゴキブリがシートの下へ逃げたと思ってのぞいても、見つからないことがあります。

車内には、思っている以上に多くの隙間があるからです。
シートレールの周辺。
フロアカーペットの端。
センターコンソールの内側。
ダッシュボードの奥。
荷室の内張り周辺。
配線が通っている穴やパネル同士の隙間にも入り込めます。
整備士として車の内装を何度も分解してきましたが、室内は平らな箱ではありません。
樹脂製のパネルを外すと、その裏には配線や補強材、エアコンのダクトなどが複雑に配置されています。
一度その奥へ入られると、外から目視するだけで見つけるのは難しくなります。
車は完全な密閉空間ではない
窓を閉めているのに、どうして車内へ入ったのかと思うかもしれません。

しかし車は、完全に密閉された空間ではありません。
人がドアを開けて乗り降りする短い時間にも虫は入れます。
買い物袋、荷物、段ボールなどに付着して持ち込まれる可能性もあります。
車内に食べこぼしや飲み残しがあれば、虫が居つきやすい環境になります。
特に注意したいのが、シートの隙間へ落ちたお菓子やパンのくずです。
運転席から見た範囲ではきれいでも、シートを前後に動かすと、レールの周辺から食べ物のかすが出てくることがあります。
空になったジュースの缶やペットボトルにも、わずかな糖分や水分が残っています。
まずは車内を空にして掃除する
ゴキブリを見失ったら、最初に車内の荷物を外へ出します。

ただし、荷物にゴキブリが付着している可能性もあるため、そのまま家の中へ持ち込むのは避けた方がいいでしょう。
明るい屋外などで荷物を一つずつ確認します。
フロアマットを外し、マットの下やシート周辺を掃除機で清掃します。
シートを一番前と一番後ろまで動かし、レールや隙間も確認します。
グローブボックスやドアポケット、荷室に入れたままの紙袋や段ボールも整理してください。
食べ物だけでなく、レシートやティッシュなどが大量に入っていると、発見しにくくなります。
ゴキブリを探すだけでなく、隠れ場所とエサになるものを同時に減らすことが重要です。
車内でバルサンを使用してはいけない
見つからないのであれば、窓を閉め切ってバルサンなどのくん煙剤を使えばいいと思うかもしれません。

しかし、バルサンのメーカー公式FAQでは、車の中では使用できないと案内されています。
薬剤が付着したシートなどへ、乗員の肌が直接触れる可能性があるためです。
車内は住宅の部屋よりはるかに狭く、シート、シートベルト、ハンドル、スイッチなど、人が直接触れる部分が数多くあります。
カーナビ、メーター、カメラ、各種センサーなどの電子機器も搭載されています。
家庭用のくん煙剤を自己判断で車内へ使用するのはやめてください。
殺虫スプレーの大量噴射にも注意
目の前にゴキブリがいる場合、殺虫スプレーを使いたくなると思います。
使用するなら、製品に表示された使用場所、対象害虫、使用方法を必ず確認してください。
狭い車内で大量に噴射すると、薬剤を吸い込んだり、シートや内装へ付着したりするおそれがあります。
エアコンの吸い込み口や吹き出し口へ大量に噴射すれば、薬剤の臭いが長く残る可能性もあります。
また、エアゾール製品には可燃性ガスを使用しているものがあります。
JAFも、可燃性ガスを使ったスプレーを使用した後は十分に換気し、高温になる車内へ缶を放置しないよう注意を呼びかけています。
真夏の車内は非常に高温になります。
殺虫剤に限らず、スプレー缶を車内へ置きっぱなしにするのは危険です。
子どもやペットが乗る車は特に注意
置き型の捕獲器や薬剤を使用する場合も、設置場所には注意が必要です。

運転席の足元へ置くと、動いた捕獲器がペダルの下へ入り込む可能性があります。
これは非常に危険です。
ブレーキペダルの奥やアクセルペダル周辺には、絶対に物を置かないでください。
子どもが触ったり、ペットが口に入れたりする可能性も考える必要があります。
車内での使用が明記された製品なのかを確認し、使用中は定期的に位置や状態を点検してください。
何度も出るなら専門業者へ相談する。
一匹見かけただけで、車内で繁殖しているとは限りません。
ドアを開けたときに偶然入った可能性もあります。
しかし、掃除をしても何度も見かける。
小さな個体も出てくる。
糞らしきものが見つかる。
このような場合は、内装の奥まで入り込んでいる可能性があります。
自分で大量の薬剤を使うより、車内クリーニングや害虫駆除を扱う専門業者へ相談した方が安全です。
必要に応じてシートや内装を外して清掃できるか、使用する薬剤が車内に対応しているかも確認してください。
ゴキブリより怖いのは運転操作を誤ること
車内にゴキブリが出たら、誰でも驚きます。
しかし、走行中に探したり、足で追い払おうとしたりするのは危険です。
まず安全な場所へ停車する。
車内の荷物を出す。
食べこぼしや飲み残しを清掃する。
家庭用くん煙剤を車内で使わない。
スプレー缶を高温の車内へ放置しない。
この順番で対応してください。
車の中でゴキブリを見失うと落ち着かないと思います。
それでも、駆除より運転を優先すること。
一匹のゴキブリに驚いて事故を起こしてしまったら、それこそ笑えない話になってしまいます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。