当社がオイル交換時期を短めに設定する理由!悪質クレーマーとのやり取りで学んだ出来事

あまりこういった事を書きたくはないのですが、どこの業界でも被害があると思うんですがやはり一定数悪質クレーマーって存在します。

そんな悪質クレーマーとも日々やり取りをしています。クレーマーなんか出禁にすればいい!と思いますが、初見だとやはりその判断ができないので。

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当社が実際に遭ったクレーマーとのやり取りの中で学んだことをお伝えします。

お宅でオイル交換をしたらエンジン壊れたから弁償しろ!

これはかなり昔の話です。かなり強引なクレーマーとのやり取りです。

車は確かワゴンRだったと思うんです。一見さんで、エンジンオイルの交換にやってきたのでオイル交換を実施。オイルとフィルターを交換しました。

数日後、クレーマーからの電話。

「お宅でこの前オイル交換をした後、高速を走ったらエンジンぶっ壊れた!弁償しろ!」

というものです。

この一報を受けたとき、まずはゾッとします。作業ミスが原因でエンジンが壊れてしまったのかと?

話を受けて、すぐに車両を引き上げて点検させてほしい旨を伝えると、他の自動車整備工場でエンジンを載せ替えたというのです。

通常作業ミスが原因かどうか確認が取れていないものに対して、保証することって難しいです。第三者を交えての検証を行わないとその正当性が証明できません。

しかし、この人はすでに違う整備工場でエンジンを載せ替えているというのです。

それではと、載せ替えをしている工場に話を聞いてみると、2番シリンダーの圧縮がないということでした。

それだけの情報では、本当にオイル交換が原因での故障かどうかも分かりません。降ろしたエンジンの現物を送ってほしいと伝えたら、リビルト換装だからコアとして返却したというのです。

この時点で証拠は闇に葬られてしまっています。

クレーマーの主張は

・エンジンが壊れたのは最後にオイル交換をした当社の作業ミスだから弁償しろ

それを裏付ける証拠はありません。

この時僕は下っ端だったため、どのように処理をされたかは不明ですが、後から当時の上司に聞いたところ、修理した整備工場に作業代を支払って示談したということです。

今僕はある程度責任を持たされた立場で仕事をしていますが、この時の対応って疑問が残ります。

そもそも作業ミスによるクレームなら、保証修理も自社でやらせてもらうのが筋だと思います。本当に作業ミスなのであれば、もちろんそれを認めたうえで謝罪して、責任もって再修理しないといけません。

自社で作業をすることで、リビルトエンジンの部品代だけで被害はすみますが、他の工場で作業をされてしまうとその工賃も支払わないといけないので、出費としては痛いです。

さらには、このような時って保険に入っているため、リビルトエンジン代は保険で対応できます。そういうときの保険ですから。

もし当社がよそでエンジンオイル交換をしたら、エンジンが壊れたという相談を持ち掛けられた時どうするかというと、作業はお断りします。

やはり筋道としては、作業をした整備工場にまずは対応してもらうことが一番いいからです。本当に相手が悪徳業者であれば、作業はいくらでもしますけど。

お客さんが違う整備工場ともめている時に、間に割って入るのは業界ではあまり好ましく思われません。アドバイスをしたうえで、先方と折り合いがつかない時は修理自体は引き受けますよというスタンスでやっています。

オイル交換ステッカーを信じて走ったらエンジンから異音が出た!直してくれ!

これは、気を付けないといけないケースです。

オイル交換が終わった後って、次回のオイル交換を表示するステッカーを貼りますよね?

この次回交換の距離が問題です。

例えば、次回交換距離を5000kmで書いてある場合、3000kmで書いてある場合などあるかと思います。

オイル交換で次回交換距離の目安は、一概には書けません。ディーラーでエンジン内部のリコールをした時などオイルも当然交換してくれていますが、ディーラーメカであってもメーカー指定の交換距離をそのまま書いてくる人は少ないです。

何故ならば、メーカー指定の交換距離っていうのは、ちょっと長すぎる。その前に何かトラブルが発生する可能性があると整備士側は思っています。

話を戻してクレームの車両。これは某軽自動車。NAエンジンで次回オイル交換時期をメーカー指定の5000kmで記載してあった。

で、5000kmを走る前にオイルを喰っているエンジンの為、量が少なくなって音がでていた。

お客さんとしては、次回オイル交換ステッカーを見ていたから壊れた!という主張。

ただ本来なら使用者には運行前運転というものが義務づけられています。オイルの量などを運行する前に点検しなさいよ!というものですね。教習所で習いますね。

ちゃんと運行前点検をしている人なんか、プロのドライバーくらいかもしれません。僕もたまにはエンジンルームを点検するようにしていますけど。

エンジンがオイルを喰っているということを知っていれば、メーカー指定の交換距離より短い距離をステッカーに記載しておきます。ですが初見のお客さんだとそれはわかりません。

そもそもそこの責任を押し付けられてしまうところも、本来は筋違いなんですけど。

このエンジンはオイルを食うことが有名で、再度エンジンオイルを無料で交換してあげることで異音は止まり、解決となりました。

この件を受けて、初見の車に関してはオイル交換時期を3000kmくらいで書いておく事としました。もちろん軽自動車ターボについてはシビアコンディションがあるので2500kmで書いてあります。

そしてオイルが消費しているかもしれないから定期的に量をチェックしてくれと一言添えることも忘れないように。

この人はそこまで強力なクレームではなかったので、オイル交換を再度サービスで実施したことで終わりましたが、クレーマーによってはつけこんでくることだってありますから。

法人など会社関係は、法定点検を必ず受けて!

ここから先はアドバイスというか心配していること。

世の中がこんな状態なので、何か一つでも落ち度があるとつけこんでくる人が増えています。

この先増えるかもしれないかなっていうトラブル。それは法人の車両。会社の営業車などですね。当社でも何社か法人の車両を整備しています。

しかし、それら法人車両のすべてが法定点検をきちんと受けているかというとそうでもありません。もちろん車検はうけていますけど。

フロントガラスに丸いステッカーがありますが、あれが定期点検の期限を表しているものです。

もし交通事故などが起きたとき、その原因がブレーキパッドが終わってしまい、ブレーキの効きが悪くなったことが起因となっていたとしたら。さらにその営業車が法定点検を受けていなかったら?

どう思います。おそらくこういうケースは相当レアで、対物事故ではそこまで車両を追求しないと思いますが、もし人身事故で被害者が亡くなるなどになれば、その時点でその会社は詰んでしまいます。

法定点検を受けていれば防げた事故。つまり法人という立場だと個人の使用者が取り扱っている物以上の責任を世間は追及してきます。

会社だからという事ではなく、自分に非がないように最低限決められている点検は受ける。その上で起きてしまった事故は、ベストを尽くしている以上やむを得ないと納得できますから。

会社関係の人は、ちゃんと法定点検を受けてくださいね。僕ら車業界の人間は必ず受けています。

最後に話がそれましたが、クレームについてでした。

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