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中国では280万円の日産EV。なぜこういう車を日本で売らないのか?

中国市場で日産が展開しているEV「N7」。

価格は約12万元、日本円にするとおよそ280万円からだという。

大型ディスプレーを備え、装備も充実。実際に試乗した記事を見る限り、単なる「安い中国向けモデル」というわけでもなく、乗り心地や操舵感などもしっかり作り込まれているようです。

この車、僕は個人的にスタイリングが非常に好みです。国産のセダンの中ではマツダ3と同じくらいいいんじゃないかなって。

こういう車を見るたびに、単純な疑問が浮かびます。

「なぜ、こういうクルマを日本で売らないんだろう?」

今、日本で新車を買おうとすると本当に高くなりました。

軽自動車でも200万円を超えることは珍しくなく、普通車になると300万円、400万円という価格帯も当たり前になっています。

日本自動車工業会の2025年度の調査では、乗用車の平均購入価格は331万円まで上昇しています。

一方で、生活する側の感覚として、収入が車の価格上昇と同じペースで増えているかというと、なかなかそうは感じられません。

実質賃金も長期間伸び悩んでいます。

となると、これから日本で本当に求められるのは、

「高機能で高価格な車」

だけではなく、

「必要十分な性能と品質を持ちながら、手が届く価格の車」

ではないでしょうか。

なぜ中国では安く作れるのか?

もちろん、中国で280万円で売っているからといって、そのまま日本でも280万円で売れるわけではありません。

中国では中国向けに車を開発し、中国のサプライヤーから部品を調達し、現地工場で生産しています。

しかも現在の中国市場はBYDをはじめとするメーカーが激しい価格競争を繰り広げています。

そこで勝つためには、開発期間そのものを短くし、部品調達や設計も徹底して現地化しないと勝負になりません。

日産のN7も、中国で開発・生産されている中国市場向けのモデルです。

つまり、日本で従来通り車を開発するのとは、そもそもコスト構造が違うのでしょう。

だったら日本へ持ってくることはできないのか?

ここでもう一つ疑問が出てきます。

中国で作った車を、日本へ輸入して売ればいいのではないか?

日本は乗用車に基本的に関税をかけていないので、関税そのものが大きな壁になるわけではありません。

ただし、日本で正式販売するとなれば、日本向けの法規対応や認証、仕様変更が必要になります。

中国は左ハンドル市場ですから、日本向けの右ハンドル仕様も必要になるでしょう。

さらに部品供給、保証、ディーラーでの整備体制なども用意しなければなりません。

その分のコストを積み上げれば、中国価格そのままで販売できるわけではありません。

それでも個人的には、こうした中国開発車を日本向けにうまくローカライズする価値は十分あると思っています。

東南アジアを見ると、余計にそう感じる

海外の日本車を見ると、同じことを感じることがあります。

東南アジアなどでは、日本では販売されていない比較的シンプルで手頃なモデルが数多く存在しています。

豪華な装備を全部盛りにするのではなく、

「この地域で必要なものは何か?」

という考え方で作られているクルマです。

日本も今後、この考え方が必要になるのではないでしょうか。

安全装備や環境性能はもちろん大切です。

しかし装備や機能を追加し続けて、その結果、新車価格が一般家庭から離れてしまっては本末転倒です。

日本市場こそ「安くて良い車」が必要なのでは?

日本は依然として大きな経済規模を持つ国です。

ですから、「日本はもう先進国ではない」とまで言い切るのは少し違うと思います。

ただし、自動車を購入する人の負担感が大きくなっていることは確かです。

地方では、車はぜいたく品ではありません。

通勤にも買い物にも必要です。

一家に一台ではなく、家族一人一台という地域もあります。

そうした市場に、本当に400万円、500万円のクルマばかりが必要なのでしょうか?

個人的には、

「200万円台で買えて、壊れにくく、安全で、普通に使える」

そんなクルマの需要は、これからむしろ大きくなると思っています。

中国で日産が身につけている「チャイナスピード」は、単に中国市場で勝つための技術ではなく、日本向けのクルマ作りにも使えるはずです。

実際、日産自身も中国で得た開発力をグローバル展開へ生かす方針を示しています。

だったら、その成果を日本市場にもぜひ持ち込んでほしい。

N7そのものを日本で売るかどうかではなく、

「中国でできた低コスト・短期間開発の考え方を、日本向けの車にも反映する」

という方向です。

いま日本で求められているのは、必要以上に豪華な車だけではないと思います。

手が届く価格で、きちんとした品質を持つ車。

昔の日本車が得意としていた、そんな立ち位置のクルマが、もう一度必要になっているのではないでしょうか。

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整備士として働いてきた約25年間の体験や、チームMHOを始めてから現在に至るまでの出来事を、noteで少しずつ書き始めました。

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